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平成十三年六月十二日提出
質問第九四号

コーラン廃棄事件(富山県)に関する質問主意書

提出者  首藤信彦




コーラン廃棄事件(富山県)に関する質問主意書


 事件の概要

 五月二十一日、富山県小杉町白石の中古車販売店「ゴンダル・コーポレーション」の周辺に破られたイスラム教の聖典コーランが散乱しているのが来訪者によって発見された。廃棄されたコーランはアラビア語で書かれ、パキスタンの公用語であるウルドゥ語の訳がついていた。
 この問題に対して、パキスタン人を中心とするイスラム教徒らの抗議行動が開始され、翌日富山県警小杉署前で約三百人が集まり集会を開いたが、その後、イスラム教徒たちは富山県警本部に移動し、代表者が事件の早期解決を訴えた。五月二十五日には東京・代々木上原のイスラムモスクにおいて緊急集会が行われ、外務省に対しても要請行動が行われた。
 イスラム教徒にとって、コーランは「命よりも大切なもの」とされている。この事件は多くのイスラム教徒の心を傷つけ、日本に対して誤った印象を与える契機になる可能性もある。対応を誤ると、我が国は人種差別・外国人差別を行う国家であるとの印象を持たれ、在留邦人の安全にも影響を与える。一方、この問題をきっかけにして、イスラム社会との相互理解を図り、将来の共存を考える上での良い契機にもなり得ると考えられる。
 この点に関し、政府は具体的にどのような見解を持ち、対策を立てようとしているのか。近い将来、「イスラム教徒との共存」が日本社会においても一般的な状況になることを前提として、以下質問する。

一 外務大臣の対応

 六月一日の外務委員会において、この事件に対する政府の対応について外務大臣に質問したが、必要な対応をしたいという返答であった。それは何を意味しているのか。具体的にどのような声明、対策を考えているのか、政府の見解を伺いたい。

二 外務省の対応

 イスラム教徒の代表者が外務省に対し要請を行ったとのことだが、具体的にはどのような要請を受け、どのように対応したのか、説明を頂きたい。

三 我が国におけるイスラム社会およびイスラム文化への対応

 1 日本社会との摩擦
 現在世界人口の約二十%を占めるイスラム教徒は、高い出生率も影響し、三十年後には世界人口の三分の一にまで増えると予測されている。我が国は将来労働力が不足することもあり、外国人労働者として中東、さらにアジア地域から多くのイスラム教徒が来訪し、隣人として共に生活する事態が予想されている。政府はこの事態をどのように把握しているのか。具体的な説明を頂きたい。
 2 摩擦を軽減するための対応
 今回の事件はイスラム教に対する理解不足が根幹にあると思われるが、今後、国民のイスラム社会への理解を深めるために政府としてどのような対策や教育を考えているのか。具体的な説明を頂きたい。
 3 対話の促進
 本年一月、河野外務大臣がペルシャ湾岸諸国を訪問中に「文明間の対話」の重要性を強調したと報道されている。具体的にはどのような提言を行ったのか詳細に示されたい。

 右質問する。




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