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平成十三年十月二十二日提出
質問第一九号

狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあり方と今後の信頼回復のための措置等に関する質問主意書

提 出 者  川田悦子




狂牛病全頭検査にあたり情報公開のあり方と今後の信頼回復のための措置等に関する質問主意書


 狂牛病や薬害エイズ問題から学ばなければならないことは、何よりも命が大事であるという立場に立つことであり、被害を未然に防ぐためにも、被害の拡大を防止するためにも、何よりも情報公開が重要である。そのことをふまえて回答いただきたい。以下、質問をする。

一 肉骨粉の禁止と全頭検査のスタートで、「安全宣言」をおこなったが、九月一〇日に発表された狂牛病第一号の感染ルートや、全頭検査の結果も陰性のものの総数しか明らかにされておらず、これでは本当の意味での「安全宣言」であるとは思えない。感染ルートについては究明中であるとの答弁が繰り返されているが、現段階でどのような方法でどこまで調査がおこなわれているのか、具体的に明らかにされたい。
 また、全頭検査が一〇月一八日からおこなわれているが、厚生労働大臣は当初、一次検査の時点で公表すると表明されていたにもかかわらず、一六日の夜になって確定診断がでるまでおこなわないと変更になった。このことについては一七日の厚生労働委員会で質問をおこなった際、大臣は、混乱するから確定するまで公表しない方がいいという意見が多数を占めたのでそれに賛同したとの答弁をなされた。いったい誰からの意見があったのか、また多数とはどこの多数なのかを明らかにされたい。
 疑いの段階で発表すれば混乱が起きることは当然予想される。しかし、情報を隠蔽することになれば、信頼を取り戻すことは至難の業である。早期の公表は消費者に警戒を促し、生産者にとっては厳しいものになるが、情報を徹底的に明らかにすることが、信頼をとりもどす早道になると思う。情報公開についてどう考えているのか、明らかにされたい。
二 一〇月一七日、厚生労働委員会において全頭検査で陽性が出た場合の対応はどうするのかという質問をおこなった際、厚生労働省・尾嵜新平食品保健部長は三種類の消毒方法のいずれかで対応すると答弁されているが、各消毒方法について具体的に明らかにされたい。
三 三〇ヵ月齢の牛といっても、牛に戸籍があるわけではなく、申請と前歯で判断しているのが現実である。農水省でも今年度中に、すべての肉牛、乳牛の耳に一〇桁の番号札を付ける「総耳番号制」導入の方針だと聞く。ウシの識別番号札は、乳牛を対象に昨二〇〇〇年度からモデルケースとして六道県でおこなわれているという。その方法や現段階における評価について見解をうかがいたい。また肉牛も含めた全頭装着については〇二〜〇四年度にかけて進める予定としていたというが、イギリスで八六年一一月に初の狂牛病患畜の確認、そして九六年三月には狂牛病患畜と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との関連についての発表があったことを考えると遅きに失した感は否めない。どう考えているか。
 ヨーロッパでは、出生、生育暦、転売ルートなどがわかる個体の管理が狂牛病問題を機にできている。農水省の個体管理が、いつからどういったかたちでおこなわれるのか具体的にお答えいただきたい。
四 農水省は牛海綿状脳症(BSE)に関する技術検討会やBSE防疫委員会、厚労省はBSEに係る食肉安全対策本部、BSE対策本部などとそれぞれの分野でそれぞれの対策チーム等をつくっている。だが、こうした多くの対策チームがうまく連携し機能しているとは思えない。対策チームを統合し政府としての総合的プロジェクトチームをつくるべきだと考えるが、どうか。
 また、デンマークでは食品の安全に関する改革がおこなわれ、農業省と厚生省、漁業省が統合して食品省ができた。生産現場から食卓まで一貫して所管する政府機関が必要と考える。その場合、メリットとデメリットも予想されるが、デメリットを解決しながら、そのような政府機関をつくっていくことが今後ますます必要になってくると思うが、いかように考えているかお答えいただきたい。
五 いまや、牛エキスや牛骨をつかった加工品を除いては暮らしていけない状況であり、その加工品に対しての不安が大きくなっている。食品だけでなく、医薬品をふくめて原材料の表示が必要であると思う。その際、賞味・使用期限だけでなく、製造月日も必要だと思うが、表示方法についてどう考えているかお答えいただきたい。
六 一〇月一八日に新変異型ヤコブ病の発生か、という報道があり、厚生労働大臣は三ヵ月たってみないと判断できないということであった。今までにも、新型ヤコブを疑うような例は数件あったというが、把握している詳細を明らかにしていただきたい。
 また、ヒト乾燥硬膜移植による薬害ヤコブ病の患者をはじめ、ヤコブ病患者の治療体制は不十分である。現時点でも過去にヤコブ病患者は八〇〇人近く発生しており、今後は、日本でもアジアでも新変異型ヤコブ病の発生は必至である。今後強力に研究治療に力をいれるべきである。テロ対策特別措置法は審議不十分なまま衆議院で議決したが、危機管理や主体的国際貢献というなら、平和憲法を持っている日本のできる最大の貢献は命を大事にするという立場に立って、アジア地域に感染症研究・治療センターをつくることであると思う。アメリカ厚生省疾病管理・予防センター(CDC)などのようなものをつくる構想はないのか。
七 イギリスで新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に罹患した患者のほとんどが日本人など東洋人に多いメチオニン型の遺伝子を持つ人ばかりだったと言われているが、厚生労働省はどのように考え、そういった事実関係についてどの程度把握しているか詳細にお答えいただきたい。
八 子どもたちの給食を担当している管理栄養士などは献立に悩んでいるが、そこに牛肉を使うようにという指導がきていると聞いている。事実か。事実であれば、なぜそのような指導をしているのか。
九 欧州では狂牛病の発生によって動物性飼料の使用が制限されたことで、遺伝子組み替え飼料の輸入が急激に増えたと言われている。特に除草剤耐性ダイズの輸入が増加したことが問題になり、生産者・消費者間で遺伝子組み替え飼料追放の動きが活発化しているという。
 食肉に限らず、食の安全保障のために、今私たちがしなければならないことは、コスト追求の結果引き起こされた今回の狂牛病事件の教訓に学ぶことであると思う。今までのような自然の秩序に背いた、ウシが自らを原料とするエサを食すという方法でなく、本来あるべき畜産農業に戻ることが求められていると思うが、どのように考えているか。
一〇 現在、肉骨粉の製造販売は一時停止としている。環境省はセメントの用に供すなど考えているというが、これからどうするつもりか。イギリスでは一二五〇度で焼却して発電し電力供給しているが、思い切った対策をとる必要があるのではないか。どう考えているか明らかにされたい。
一一 一九九八年にプリオニクス社のキットができていたにもかかわらず、バイオラド社のキットを使用するに至った理由はなぜか。なぜ検査体制の準備をしてこなかったのか、その理由を明らかにされたい。
一二 今回の事件で生産者や消費者のみならず商店やレストランまでたいへんな犠牲を払っている。政府はさかんに風評被害という言葉を使用しているが、これは行政による被害であって、決して風評被害ではない。このことを政府は真摯に反省すべきである。狂牛病問題ではドイツの担当大臣は責任をとって辞任しているが、日本では、このような損害と騒ぎを引き起こした責任をいったい誰が、どうとるのか明らかにされたい。

 右質問する。



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