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平成十四年十二月十日提出
質問第三三号

東京電力原子力発電所、その他の原子力発電所におけるトラブル隠し等不祥事に関する再質問主意書

提出者  楢崎欣弥




東京電力原子力発電所、その他の原子力発電所におけるトラブル隠し等不祥事に関する再質問主意書



一 先般受領した政府答弁書(内閣衆質一五五第三号)の内容に関し次の事項について質問する。
 1 シュラウドのひび割れの発見、配管ひび割れの発見
 答弁書の謂うところの「自主点検記録等関係事案」及び「再循環系配管等関係事案」、「原子炉格納容器漏えい率検査関係事案」について、いずれも「通達」(昭和五十二年三月三日付け五二資庁第二三一一号)に基づく報告要請に対する違反の可能性があると、多くの事案で指摘している。
 そもそも、この「通達」は昭和四十八(一九七三)年関西電力美浜発電所において発生した事故に関し、同社が電気事業法第百六条に基づく報告を怠っていたことに対して、各電力会社に軽微な故障を含め、法律に基づく報告義務を厳守することを要請したものである。
 政府は、答弁書の事案について、「通達」違反の可能性としているが、すべての事案は電気事業法第百六条、及び実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第二十四条に違反しているのではないか。政府にその見解を問う。
 2 次に、原子力発電にかかわる安全の確保が国民から強く求められているが、電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に違反して「罰則」を受けた原子力発電所及び原子力関連施設がかつて存在したか。その事案について、個別かつ詳細に分かりやすく明らかにされたい。
 3 答弁書の報告には、各地の原発がシュラウドのひび割れ、配管のひび割れ等が発見され、傷だらけの原発が存在しているわけだが、こうした原子力発電所の「耐用年数」を個別に詳細に分かりやすく明らかにされたい。
 4 原子力発電所の安全性の信頼が求められているが、「定期検査」の短縮をした請負業者に東京電力が報奨金を支払う「インセンティブ制度」の存在が明らかになった。このことは、コスト削減を優先して、安全性を犠牲にする姿勢ではないか。政府にその見解を問う。

二 国が推進する原子力発電を支えている現場労働者(外国人労働者を含む)の健康管理と安全確保が問題になっている。原発を運転している電力会社では、正社員の下に元請け、下請け、孫請けが層をなし、原発被ばく労働者の安全が軽視されがちである。さらに原発のある地域住民の健康不安をぬぐうための健康管理が求められている。
 以下、次の事項について質問する。
 1 原発被ばく労働者は無権利状態ではないか
 死後半年たってようやく返還されたある下請け労働者の放射線管理(放管)手帳にはいたるところに赤い書き込みがなされていた。放管手帳の備考欄を見ると、彼が亡くなる以前に二十八箇所の誤記入訂正があった。どれも被ばく線量の集計の計算ミスを後で直したものだ。ところが、彼が亡くなった日の翌日の一九九一年十月二十一日には、さらに七箇所の訂正や削除がなされている。彼が亡くなった日の翌日、会社が最初にやった仕事が、放管手帳の手入れだったことになる。遺族の手に戻された放管手帳は傷だらけになっていたのである。
 死の翌日に会社側が修正したところをよく見ると以下の如くであった。例えば健康診断に関する項目で、一九九〇年四月十九日に健康診断をした結果、その評価欄にYと記入されていたものをNに訂正してある。Yとは作業従事可を表し、Nは従事不可を表している。この頃にはすでに彼は慢性骨髄性白血病と診断され、浜松医大附属病院に通院治療を行っていた時期で、当然被ばく労働の作業からは外されていた。
 なぜ、この時期の健康診断で作業従事可と判定したのか、そして、なぜ死後になってこれを不可と訂正しなければならなかったのか。遺族が中部電力本社でこの点について問うと、会社側は、従事不可との診断結果を伝えれば白血病であることに気づかれてしまうことを恐れた様子であった。わざと虚偽の記載をしたのではないか。こういうことが許されていいのだろうか。これは事実の話である。
 放射線を浴びながら作業している労働者は、自分の被ばく線量がどの程度なのか、白血球数がいくつなのか、知らないで働いていることになる。一人ひとりの健康管理に全く役立っていないことがはっきりした。なんのための放管手帳なのだろう。この現実について、政府にその見解を問う。
 2 放管手帳はなぜ本人に渡されないのか
 放管手帳には全く法的根拠がないのである。しかも労働者にとって何の意味もない手帳であったことが明らかになった。
 被ばく労働については、労働安全衛生法(安衛法)に基づいて作られた電離放射線障害防止規則(電離則)による規制がなされている。これには作業現場の放射線量の測定の方法や労働者の被ばく線量限度についての基準、労働者の健康診断の方法などが記載されているが、放管手帳についての記載はない。
 類似の事例を求めると、安衛法に、健康管理手帳についての記載がある。安衛法第六十七条には、「がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務」に従事していた者に対し、「離職の際に又は離職の後に、当該業務に係る健康管理手帳を交付する」ことになっており、さらに、政府は「健康管理手帳を所持している者に対する健康診断に関し」必要な措置を行うと定められている。そして、健康管理手帳を交付する業務として、安衛法施行令第二十三条で、ベンジジンやクロム酸などの有機化合物や粉塵などを取り扱う十二種類の業務が列挙されているが、その中に放射性物質取り扱い業務は含まれていない。
 放管手帳は電離則にも安衛法にも定めのない、全く根拠のない手帳であり、被ばく労働者にとっていかなる利益ももたらさず、何の保障にもならないものだということになる。原発労働者は、通常の危険物を扱う労働者と比べても、法的に全く無権利状態に置かれていることになる。
 電力会社や大手のメーカーに勤める者は定期的に検診を受けることができるが、除染作業などに動員される季節労働者の場合、最も厳しい被ばく労働に従事するこれら下請け労働者は、年間に数ヶ月の間行われる原発の定期検査の時に臨時に雇われて被ばく労働に従事し、定期検査が終了すれば離職することになる。彼らは就業時に健康診断を受けるが、半年後に行われる次の健康診断の時期を待つことなく離職することになる。離職してしまえば、電離則に定める健康診断を受けることはできなくなる。従って、彼らの放管手帳には被ばく前の健康状態のみが記録され、その後の健康状態は空欄のまま残される。
 安衛法に定めのある健康管理手帳を持っていれば、離職後どこにいても国費で健康診断を受けることができるが、被ばく労働者にはこの権利すら与えられていない。これはあまりにも不公平ではないか。重ねて政府に、その見解を問う。
 3 現場労働者の被ばく線量限度について政府の見解を問う
 核の歴史は被ばくの歴史でもある。放射線に対する知見が増えるに従って、放射線防護の思想も変遷を重ねてきた。国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線に対する防護基準を勧告してきたが、最近の被ばく線量限度についての勧告をまとめると以下のようになる。
 この十数年の間でも、被ばく線量限度は切り下げられる傾向にある。被ばく影響評価は、産業界の抵抗にもかかわらず、常に厳しく見直さねばならなかった。その背景には、八十年代に広島・長崎の被爆者が浴びた放射線量の推定を大幅に見直す作業が行われたことにあった。また同時に、被爆後六十年近くたっても広島・長崎の被爆者の発ガン率が減少する兆しを見いだすことができなかったことにもある。
 一九七七年勧告では労働者と一般人の被ばく線量限度には十倍の開きがあった。八十五年のパリ声明は一般人の被ばく線量限度を一ミリシーベルトまで引き下げることを提案したが、労働者被ばくについては見送ったためこの開きは五十倍にまで拡大してしまった。その後九十年に新たな勧告がなされ、労働者の被ばく線量限度を年平均二十ミリシーベルトにまで下げることが勧告された。しかしこの九十年勧告には「年間で最大五十ミリシーベルトをこえず、五年間の平均で年間二十ミリシーベルトをこえてはならない」とあり、単純に基準が切り下げられたと見なすことはできない。
 原発被ばく労働者の被ばく線量基準についてうかがいたい。
 ICRPの一九九〇年勧告「五年間に百ミリシーベルト以下」という基準を取り入れてから、法令を整備するまでに約十年を経て、二〇〇一年に改正されたが、年間の被ばく線量限度「五十ミリシーベルト以下」の基準は維持されたままである。
 原発被ばく労働者の安全と健康管理のためにも「年間の限度量二十ミリシーベルト」というわが国独自の基準を導入すべきではないか.
 政府の見解をうかがいたい。
 4 実際の定期検査についての問題点
 実際の定期検査は、メーカー側に動員される下請け作業員がこれを実施するが、下請けにも構造がある。その第一は、原発の制御系や保安系の維持と管理をするグループである。放射線量や温度や圧力など、原発を正常に運転するために必要なデータを計測する装置の保守・点検・管理などが主な業務であり、原発の敷地内に事務所をおき、年間を通して勤務し、定検作業の準備を行い、また実施する。この人たちは、長年に渡って繰り返し被ばくを続け、リスクの最も大きな職種ともいえよう。
 第二は、それぞれの部分を担当したメーカーがそれぞれの部品の保守管理のために派遣する一群の下請け労働者である。大きく原子炉系とタービン系にわけることができるが、大手の日立や東芝や三菱だけではなく、その下でバルブを製造したりポンプを納入したりしたメーカーから技術者が派遣される。修理の必要があれば、溶接や配管などの専門的な職人が動員される。いずれも定期検査の時だけ派遣され、短期間の被ばく作業に従事する。
 第三は、これらの専門的な作業従事者が作業する現場の放射能を除染する清掃労働などを行う下請け作業者だ。この人たちには専門的な知識や技術は求められず、ただ高濃度汚染区域の床や壁を雑巾で拭き取る作業が強いられる。農村や漁村からの出稼ぎ労働者や都市スラムの失業者などがこれに従事する。これも、定検期間にのみ採用される短期被ばく労働者の群である。被ばく労働者問題の諸矛盾はこうした労働に動員される季節労働者に最も厳しく現れている。
 電離則では、「事業者は管理区域について一月以内に一回、定期に、外部放射線による線量当量率を放射線測定器を用いて測定し、その都度記録し、これを五年間保存しなければならない。事業者は測定の結果を見やすい場所に掲示する等の方法によって、管理区域に立ち入る労働者に周知させなければならない」(第五十四条)旨定めている。事業者に対して、作業現場の放射線測定の結果は、現場に表示することと、その記録を五年間保存することだけが義務づけられているにすぎない。
 労働者がどのような放射線環境の中で働いているか、外部からはうかがい知ることもできず、労基署でさえもその報告を受けることはない。しかも記録は五年たつと廃棄される仕組みになっている。下請け労働者がどれだけの被ばくをしなければならなかったのか、すでに記録は失われており、だれも検証することができない。
 これら労働現場での被ばく管理にも問題がある。立場の弱い下請け業者は、労働者の被ばく管理について厳しい注文をつければ次から仕事をもらえなくなることを恐れて、むしろ率先して厳しい現場に労働者を送り込むことさえあるという。そのために、現場でアラームメーターを外して作業をさせたり、数値をごまかしたりすることもまれではないと聞いている。
 ※アラームメーター・・・原発で働く労働者は、放射線を計測するためのポケット線量計、フィルムバッジ、TLD(熱蛍光線量計)と、アラームメーターを身につけて作業に従事する。アラームメーターはセットした線量をこえる被ばくをした場合に警報音を発する。
 また、炉底の狭い場所で働く場合には、頭や足や背中や手先などに、局所的に強い放射線を浴びることもあり得るが、胸につけたアラームメーターではそのような被ばくを感知することはできない。放管手帳に記載された被ばく量、それらを集積した公開資料の数値は、実際の被ばくの部分であっても全体ではないと見るべきであろう。
 一九九三年旧労働省が監督する原発関連の職場三百九十八事業所を調査したところ何らかの違反があったのは六十事業所。その中で十一件は健康診断を実施していない、もしくは放射線量を測定していないなどの電離放射線がらみの違反があった。
 このような事実があったのか問う。また、現在、厚生労働省の原発関連施設の監督はどのように実施されているのか及び原発労働者の健康管理、放射線等の管理体制は、どのように実施されているのか分かりやすく明らかにされたい。
 5 原発被ばく労働者はこれまでに三十万人を数えるまでになった。同じ放射線被爆者として、広島・長崎の被爆者集団がある。現在被爆者健康手帳(被爆者手帳)を持っている被爆者の数はおおよそ三十万人である。日本にはほぼ同じ規模の二つの被爆・被ばく者の集団があることになる。
 原爆被爆者に対しては、『原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律』があり、広島・長崎で被爆した者には被爆者手帳が交付されることになっている。手帳を持っている被爆者は国費で年に二回健康診断を受けることができ、視診、問診、聴診、打診などの他に、血液検査、尿検査、肝機能検査など七項目の一般検査が受けられる。それだけでなく、被爆者が希望すれば、胃ガン、肺ガン、乳ガン、子宮ガン、大腸ガン、多発性骨髄腫、などの検診を受けることができる。さらに必要に応じて精密検査も受けることもできるようになっている。
 同じ被爆者でありながら、原発労働者は被ばく者としても全く無権利状態に置かれている。なぜ原発被ばく労働者は二重三重に差別されなければならないのか。日本のエネルギー産業をその根底で支えている原発被ばく労働者が、他の労働者とも、また他の被爆者と比べても著しい無権利状態に放置されているこの現状をいつまでも続けてよいわけはない。
 従って、次の点について早急に善処すべきである。
 (1) 原発等の放射性物質取扱業務を、安衛法で定める『がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務』として認定し、安衛法施行令に定める『健康管理手帳を交付する業務』として認定するべきである。
 (2) 現行の放管手帳を安衛法で定める健康管理手帳として位置づけ、離職時にこれを交付し、全国どこにいても定期的に健康診断を受けることができるようにすべきである。
 (3) 健康診断に際して、広島・長崎の被爆者が受けている診断項目に準ずる検査を受けられるようにし、原発被ばく労働者に原爆被爆者と同等の権利を与えるべきである。
 (4) 被ばく労働者の労災認定基準を見直して、大幅に緩和し、上記健康診断で異状が発見された場合には速やかに治療を受けられるようにすべきである。
 以上の点について政府の見解を問う。
 6 現在の被ばく労働に対する労災認定基準は、一九七六年の基発第八一〇号「電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準について」に定められている。白血病についての認定には三つの条件を満たすことが求められており、第一に、相当量の電離放射線に被ばくした事実があること、第二に、被ばく開始後少なくとも一年をこえる期間を経たあとで発病した疾病であること、第三に、骨髄性白血病またはリンパ性白血病であること、とされている。相当量の被ばくについては<解説>の中に、業務より被ばくした線量の集積(累積)線量が、被ばく作業に従事した間の平均で年間五ミリシーベルト以上の被ばくを意味すると定められている。
 ICRPは一九八五年のパリ声明で、一般人の被ばく限度を一ミリシーベルトまで下げることを勧告し、日本政府は一九八九年にこれを受け入れた。しかし、労災認定基準は七六年当時のまま放置されてきた。現在、原発労働者は一般人の限度である一ミリシーベルトをこえる被ばくをしても労災による救済を受けることができない。一ミリをこえて五ミリに満たない者は被ばく労働者の大半を占めるが、現在は労災の恩恵を受ける権利を奪われている。
 原発が本格的に稼動し始めてから約四十年が経過しようとしている現在、初期の被ばく労働者にはガンなどの晩発性障害の発生が憂慮されるようになってきているが、これらについて全く何の基準も定められていないのである。
 厚生労働省は労働者の立場に立って、これら被ばく労働者の労災認定の基準を抜本的に改める時期にきているのである。
 原発被ばく労働者の場合には、被ばくすること自体が労働の本質でありノルマですらある。原子力産業はある一定の人数の労働者が死んでいくことを前提にして存在する。労働者の使い捨てによって成立しているといっても過言ではない。被ばく労働者は、生きているかぎり、発病の恐怖の中で無権利状態に放置され、その実態は闇の中に隠されている。
 原発老朽化時代を迎え、しかもその原子炉を廃炉にする日も近づいてきた今、被ばく労働問題は一層深刻の度を加えている。しかもなお、世界全体が撤退してもなお、プルトニウム利用に執着することで、さらに過酷な被ばく労働が増加することになるだろう。大量の放射性廃棄物は、世代をこえて我々のはるか遠くの子孫をまで、被ばくの恐怖の中に追いやることになることを決して忘れてはならない。
 原発被ばく労働者の労災認定についてうかがいたい。
 一九七六年の労働基準局長通達で「電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準」を定めている。
 (1) 五ミリシーベルト被ばく業務の従事年数
 (2) 被ばく開始後一年を経た後の発病 
 (3) 骨髄性またはリンパ性白血病
 が認定要件としている。
 この認定基準に原発被ばく労働者が甲状腺の異状、白血球の減少などの症状による発病などの労災認定の緩和をする必要があると考えるがこれについて政府の見解を問う。

三 東京電力原子力発電所、その他の原子力発電所におけるトラブル隠し等不祥事に関する質問主意書(平成十四年十月二十三日提出)の(三)に対する答弁書(三について)への質問
 1 「電力会社等の従業員の死亡に関して、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく遺族補償給付を支給するに当たり、放射線に係る疾病を認定した事例は現在までに三件あり」とあるが再び質問する。労災認定にかかわらず非認定、労災申請者以外の死亡した原子力発電所及び関連施設従事者について明らかにされたい。
 2 「当該従業員の氏名、死亡時の年齢及び住所については、個人に関する情報であるため答弁を差し控えたい。」とあるが、別添の資料、弔慰金に関する「覚書」は、実際に原発事故被ばくによって死亡した下請け労働者と遺族との間で交わされた覚書と同様のものである。
 この下請け労働者の死後、会社側は頻繁に遺族宅を訪れ、補償について話し合いを行っている。会社側は子息を亡くしたばかりの両親に、労災なみの弔慰金を支払うことを条件に、今後いかなる異議も唱えない、というこの覚書を交わしたことにより、一件落着を図っているのである。
 おそらくこの覚書は、これまでも多くの被ばく労働による犠牲者の家族に示されてきたものと同じ内容ではないかと思われる。
 遺族は、「名目の如何を問わず異議を述べず、一切の請求をしないものとする」という内容の文面に署名させられ、弔慰金を受け取って、結果として口を封じられたのである。
 政府は、答弁書で、「個人に関する情報であるため答弁を差し控えたい。」といっているが、この政府の態度は、全くこの覚書にある通り、会社側の意にそうものであり、到底納得できるものではない。要するに(三)に関するこの部分の政府答弁は、原発事故による下請け労働者の被ばく死という人間の尊厳にかかわる重大事件を隠蔽し、「個人のプライバシー」問題にすり替え、矮小化して、世間を欺き、事件の公然化と、その責任問題化を恐れた原発関係会社、下請け会社側の隠密的、金銭的終息方法(覚書)に、政府自身が加担し、政府及び監督省庁の指導と監督責任の欠如を、原発関係会社同様、「個人のプライバシー」問題として同調し、棚上げしようとする姿勢を如実に露骨に示すものと言わざるをえない。
 そこで、このような事実について抗議の意をこめて、政府にその見解を問う。

四 結論
 重ねて申し上げる。この度の政府答弁は、質問主意書の権威と趣旨を著しく冒涜するものとして、断じて看過しえない。この際、政府自身の責任の所在を明確にし、答弁の撤回と謝罪を断固として、求めるものである。原子力発電所のトラブル隠しは、原発の危険性を如実に表した。原発の信頼回復と安全確保が強く求められている。拙速な原発関連二法の改正は原発被ばく労働者の安全、地域住民の信頼を得るとは思えない。適確な情報開示と安全優先を求めるものである。
 政府の確たる再答弁を要求する。

 右質問する。


別添資料



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