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平成十七年六月十日提出
質問第八一号

高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する再質問主意書

提出者  泉 房穂




高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する再質問主意書


 介護保険法等の一部を改正する法律案の質疑、質問主意書等において、高齢者及び障害者の自己決定の支援に関する質問を行ってきたが、基本的人権に係る重要な問題であるにもかかわらず、政府から十分な回答がなされたとは言い難い。今後の障害者自立支援法案の質疑、高齢者及び障害者の虐待の防止等に関する法律の策定等における議論の前提として、政府に対し以下のとおり質問する。

一 国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第七十五条第二項は、「内閣は、質問主意書を受け取つた日から七日以内に答弁をしなければならない。その期間内に答弁をすることができないときは、その理由及び答弁をすることができる期限を明示することを要する。」と規定している。この義務の違反は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)に規定する懲戒処分の根拠となり得ると考えるが、政府の見解如何。
二 質問主意書に対する回答が、当該質問主意書の質問に対応していないことが明らかな場合には、内閣は、国会法第七十五条第二項に規定する「答弁」をしたこととはならないと考えるが、政府の見解如何。
三 先に提出した質問主意書(第百六十二回国会質問第四四号)の六に対する回答は、自明な回答をするためにあえて質問の内容を曲解して作成されたものであり、当該回答は当該質問主意書の質問に対応していないことが明らかであることから、内閣は、先の質問主意書の六に対して国会法第七十五条第二項に規定する「答弁」をしたこととはならないと考えるが、政府の見解如何。また、国民の基本的人権に係る重要な問題につきこのような不十分かつ不誠実な答弁を行ったことに関して、答弁作成の責任者たる厚生労働大臣及び厚生労働事務次官に対し国家公務員法に基づく懲戒処分を行うべきと考えるが、政府の見解如何。
四 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)において、要介護認定又は要支援認定を受けた被保険者が、都道府県知事が指定する者から当該指定に係る事業を行う事業所により行われる居宅サービス若しくは居宅介護支援を受けた場合又は介護保険施設から同法第四十八条第一項に規定する指定施設サービス等を受けた場合に、サービス提供者とサービス受給者との間に契約が存在しないとき又は当該契約が無効であるときであっても、これらのサービスの種類に応じて市町村が必要と認めるときは、居宅介護サービス費、居宅介護サービス計画費若しくは施設介護サービス費又は居宅支援サービス費若しくは居宅支援サービス計画費を支給するのか。
五 介護保険法等の一部を改正する法律案による改正後の介護保険法第百十五条の三十九第一項においては、地域包括支援センターの支援対象を高齢者や介護保険の被保険者に限定せず「地域住民」としていることから、同項の厚生労働省令で障害者自立支援法案第七十七条第一項の市町村の地域生活支援事業を規定することにより、地域包括支援センターにおいて障害者を対象とした相談支援事業や権利擁護事業を行うことが可能であると理解してよいか。
六 市町村は、障害者自立支援法案第七十七条第一項に規定する市町村の地域生活支援事業の全部又は一部について、介護保険法等の一部を改正する法律案による改正後の介護保険法第百十五条の三十九第一項に規定する地域包括支援センターの設置者その他の当該市町村が適当と認める者に対し、その実施を委託することができると理解してよいか。
七 独居する重度の認知症高齢者など、判断能力の衰えから独力では介護保険サービスの利用の意思決定ができず、かつ、家族等外部からの助力も得られない高齢者は、事実上、介護保険サービスを利用することができないが、介護保険料を納付する義務があるのか。
八 判断能力の衰えた被保険者に対しても介護保険料の納付を義務付けている以上、保険者たる市町村は、これらの者がその選択に基づき介護保険サービスを利用できるよう意思決定の支援を行う義務があると考えるが、見解如何。また、介護保険法等の一部を改正する法律案による改正後の介護保険法第百十五条の三十八第一項第四号に規定する権利擁護事業には、判断能力の衰えた被保険者がその選択に基づき介護保険サービスを利用できるよう意思決定の支援を行うことは含まれるのか。
九 客観的に明らかに介護保険サービスを受ける必要があると認められる重度の認知症高齢者甲は、介護保険料を納付しているが、独居で他人の助力を得られないために介護保険サービスを利用することができない。保険者乙は、甲を含めた被保険者の生活実態を把握することなく、漫然と甲が介護保険料を支払いながら介護保険サービスを利用することができないという状態を放置している。この場合において、甲は乙の不作為(被保険者の介護保険サービスの利用に係る意思決定を支援する作為義務の違反)により財産上の損害を受けていることから、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百九条に規定する不法行為による損害賠償責任に基づき、乙から支払った介護保険料の返還を受けることが可能であると考えるが、政府の見解如何。
十 独居の認知症高齢者の数について厚生労働省に資料要求をしたところ、「独居の認知症の数については、把握していない。」との回答であったが、これは事実か。厚生労働省として、認知症高齢者の生活実態及び保険者の介護保険サービスの利用に係る意思決定支援への取組状況を調査すべきと考えるが、見解如何。

 右質問する。



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