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平成十七年七月二十日提出
質問第一〇一号

保護観察制度の見直しに関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




保護観察制度の見直しに関する質問主意書


 保護観察付きの執行猶予判決を受けた男が、十八歳の少女を東京都内で三カ月も監禁したとして逮捕された事件を契機に、保護観察制度の見直しを求める世論が高まっている。法務省にあっても保護観察制度の見直しに向け、保護観察制度や運用の在り方を検証し、制度の根本的な見直しに着手をしていると理解をする。保護観察制度の見直しは必要であり、喫緊の課題だと思慮する。
 保護観察制度は社会内処遇であり、我が国独特の制度である。地域社会が犯罪者の社会復帰を担うという理念・目的は崇高であり、尊いものと理解をする。昨年三月、当時の野沢法務大臣は「保護司制度は宝のような存在」と国会答弁をしている。現実の保護観察に当たるのは国家公務員の身分を有する約六三〇人の保護観察官と非常勤の国家公務員である保護司約四万八千人が担っている。このような態勢の中で、はたして犯罪者や非行少年らの更生を図ることを目的とした保護観察制度は有効に機能しているだろうか、疑問無しとしない。問題は、日本独特の保護司制度が保護司の善意のみに頼っている現状である。現状では処遇対象者に合った指導や事件の内容に合った処遇の確保は十分でないと考える。保護司の定員確保や高齢化問題、保護観察官の増員、保護司の専門化など緊急に取り組まなければならない課題は重大である。
 よって、以下質問する。

一 去る六月十三日放映のNHK「クローズアップ現代」によると、分類処遇により、処遇困難者としてA分類されたとのケースについては保護観察官が直接担当していると報じている。また、去る六月五日付日本経済新聞によると「処遇が特に難しい人は保護観察官が直接担当する」、との内容の記事が掲載されている。かかる報道や新聞記事に見られるように処遇困難者としてのA分類もしくは処遇が難しい人について保護観察官が直接担当しているとの事実は正しいのか、政府の見解を明らかにされたい。
二 保護観察官が保護観察対象者を直接担当している例は、東京保護観察所と大阪保護観察所に置かれている直接処遇班に所属する保護観察官のみであり、そこに配置されているのは経験の浅い若手の保護観察官が中心であり、従って担当事件も少年事件が中心であり、処遇困難ケースという訳ではない、と聞いているが政府の見解を示されたい。尚、保護観察官が直接事件を担当したケースがあれば、保護観察所ごとに事件内容を含めて政府の見解を示されたい。
三 性犯罪者など再犯性が高く指導の難しいケースについては保護観察官が直接担当すべきだ、と考えるが政府の見解を明らかにされたい。
四 犯罪者の改善、再犯防止という仕事は保護司の善意のみに頼ることは無理だと思う。政府は、保護司定足数の充足率の現状をどのように受け止めているか、保護司の高齢化対策についてはいかなる具体的な方策を考えているのか、専門の保護観察官の増員に向けての具体的方策について政府の見解を示されたい。
五 保護司の仕事は普通のボランティアと違って犯罪者が相手である。しかもそれを自らの家庭に招き入れなければならない。時には夜中に家庭訪問しなければならない場合もある。保護司は保護観察の第一線で働いている。それだけに保護観察官よりも危険に遭遇する機会も多くなる。保護司に対して保護観察官同様に危険手当を新設して保障すべきだと考えるが政府の見解を明らかにされたい。
六 保護司の身分については「非常勤の国家公務員」とされているが、給与は支給されず、交通費等処遇活動にかかった費用について実費弁償金という形で支給されているのみである。保護司の仕事は年中無休である。保護司についても家庭裁判所の調停員同様に給与を支給すべきである、また、それが無理であれば実費弁償金を増額すべきだと考えるが政府の見解を明らかにされたい。
七 法務省は、前記の少女監禁事件を契機に、住居の移動について届出制を許可制に変更すると聞いているが、土曜日・日曜日・祝祭日等は保護観察所が休みであり、休みの日に転居許可の申し出をしてきても実情では意味がない。有給の保護観察官には勤務時間が五時までと定められており、五時以降は無給の保護司に一切任せるという現状は無責任であり、理屈に合わないと考える。緊急時に保護司が相談できるように保護観察官にも当直制を検討すべきである。また、緊急時に備えて管理職の連絡先を予め保護司に開示をする等、対策を講ずるべきだと考えるが政府の見解を明らかにされたい。
八 本年二月に愛知県安城市で仮出獄後間もなくして所在をくらましていた者が乳幼児ら三名を殺傷するという痛ましい事件が発生した。昨年度全国の仮出獄者数と仮出獄後の所在不明者数を明らかにしたうえで、その原因についての政府の見解及び仮出獄後の所在不明者の所在調査はどのようになされているか、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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