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平成十七年十月二十五日提出
質問第二九号

テロ対策特措法に関する質問主意書

提出者  保坂展人




テロ対策特措法に関する質問主意書


 日本政府は、二〇〇一年秋以降、いわゆるテロ対策特措法に基づき、陸・海・空三自衛隊を太平洋、南アジア・インド洋方面、ペルシャ湾、クウェートやイラクなど中東地域に派遣した。しかしこのような空前の規模の派遣について、政府はその実態をごくわずかしか明らかにしていない。現在も継続されている自衛隊のかかる海外展開は、アジア・太平洋諸国をはじめ世界から注目されるとともに莫大な国費を費消している。政府は派遣された三自衛隊の部隊が、現地でどのような活動を行なっているのか、活動がどのような成果を上げているのか、また活動の結果が特措法の目的にかなっているかについて、国民に対し、真摯かつ誠実に説明責任を果たすべきである。
 本質問主意書は、右の趣旨に基づき、政府が正確かつ詳細に特措法に基づく措置の全貌を明らかにすることを求め、質問する。

 テロ対策特措法の国際法上の根拠について
1 テロ対策特措法は第一条において、国際連合安全保障理事会の「決議第千三百六十八号」と「第千二百六十七号、第千二百六十九号、第千三百三十三号その他の決議」を列挙し、同法にいう「対応措置」の根拠としているが、挙げられた諸決議が「対応措置」の根拠であることを証明する論理的な説明はなされていない。挙げられた決議のそれぞれについて、どの部分がどのように根拠たり得るのか、明確に説明されたい。また、「その他の決議」を具体的に挙げ、どの部分がどのように根拠たり得るのか、同じく明確に説明されたい。
2 テロ対策特措法は第一条において、同法の目的を「我が国が国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するため」としている。しかしながら、海上自衛隊のインド洋方面における米国など外国艦船への燃料補給活動が、どのように「国際的なテロリズムの防止及び根絶」に貢献し、アフガニスタンの安定に寄与しているかについて、政府は具体的に説明していない。外国艦船への燃料提供には莫大な国費が費消されたとされる。洋上給油がどのようにテロの防止と根絶およびアフガニスタンの安定に貢献しているか、事実を挙げて明確に説明されたい。
3 同法による「協力支援活動」の内容を列挙されたい。
4 同法による「捜索救助活動」を、時間を追って明らかにされたい。その際、どの国の軍隊(同法にいう「諸外国の軍隊」)の戦闘参加者の捜索または救助(救助した者の輸送を含む)を、いつ、どこ(陸上、沿岸もしくは洋上の地点)で実施したか、被捜索者・被救助者の人数と国籍を添えて明らかにされたい。
5 同法による「被災民救援活動」について、いつ、どこでなされたかを、時間を追って、詳細に明らかにされたい。その際、活動の対象となった被災民の国籍と人数、救援のために提供された「食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資」の種類と数量および「医療その他の人道的精神に基づいて行われる活動」の内容を明らかにされたい。
6 同法第十条は「内閣総理大臣及び各省大臣又はそれらの委任を受けた者」が「諸外国の軍隊等又は国際連合等からその活動の用に供するため当該物品の無償貸付又は譲与を求める旨の申出があった場合」、それに対応できるとしている。これまでなされた無償貸付と譲与について、いつ、何がなされたか、当該物品の種類と数量を明らかにされたい。
7 同法による海上自衛隊艦船の派遣と帰国について質問する。インド洋方面に向けて、いつ、どの海上自衛隊の基地から、どのような編成で出港したか、またいつ帰国したかを、時間を追って、明らかにされたい。その際、派遣された艦船名、乗員数も明らかにされたい。
8 派遣先でなされた活動について質問する。洋上給油が、いつ、どの国の艦船に、どれくらいなされたかを、時間を追って、すべて明らかにされたい。給油した艦船については、艦の種類と艦船名も明らかにされたい。なお提供した燃料購入に要した費用も明らかにされたい。
9 海上自衛隊の艦船が給油した諸外国の艦船が、どこでどのような対テロ作戦を展開したか、時間を追って、具体的に明らかにされたい。
10 米英軍は二〇〇一年十月七日、アフガニスタンへの空爆を開始した。インド洋に派遣された海上自衛隊の補給艦が米軍艦船に洋上給油を始めたのは同年十二月二日である。その後、今日に至るまで洋上給油が続けられている。海上自衛隊より給油を受けた艦船の名(その艦載機がアフガニスタン空爆を行ったもの)、空爆を行った艦載機の名称および機数、空爆の地点と使用された武器を時間を追って明らかにされたい。同じことを英軍艦船についても明らかにされたい。
11 米英軍によるアフガニスタン攻撃は当初、旧タリバン政権の打倒を目的としていた。その後旧タリバン政権は崩壊したので、米英軍の戦略は大きく変更されたと思われる。海上自衛隊の補給艦に洋上給油を受けた外国艦船の作戦が、情勢の推移に応じて、どのように変わってきたかを具体的に明らかにされたい。
12 海上自衛隊の艦船はドバイで燃料を調達してきたとされるが、ドバイ寄港が、いつなされ、どれくらいの量の燃料を積み込んだか、時間を追って、明らかにされたい。ドバイ以外で燃料調達がなされたのなら、その場所、時期および調達量を明らかにされたい。
13 これまでの派遣において隊員二名が死亡したとされるが、死亡の時期と場所、死因を明らかにされたい。他に死者がいるなら、それら死者についても、死亡の時期と場所、死因を明らかにされたい。
14 洋上給油業務は炎熱の下で行われることが多いと思量される。派遣隊員にどのような健康障害が生じたか、それらへの対応を含め、明らかにされたい。
15 派遣艦船の修理などのため、民間企業の技術者が乗艦しているという報道がある。どの艦船に何人、いつ、どのような目的で乗り組んだのか、また彼らによってなされた作業の成果とそれら技術者の健康状態等を明らかにされたい。
16 海上自衛隊の艦船による派遣海域およびペルシャ湾における臨検について、その時期と臨検の対象、臨検の結果を、時間を追って、明らかにされたい。
17 航空自衛隊は、協力支援活動として、二〇〇一年十一月二十九日から「在日米軍基地間の国内輸送」を、同年十二月三日から「在日米軍基地とグアム方面などとの間の国外輸送」を行ったと二〇〇四年版『防衛白書』にある。これまでになされた「在日米軍基地間の国内輸送」について、いつ、どの基地からどの基地に、何が(物資と兵員それぞれについて)どれだけ輸送されたかを、時間を追って、明らかにされたい。また「在日米軍基地とグアム方面などとの間の国外輸送」については、「グアム方面など」の「など」を明らかにし、当該国外輸送が、いつ、どの基地からどの基地になされたかを明らかにされたい。

 右質問する。



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