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平成十七年十一月四日受領
答弁第二九号

  内閣衆質一六三第二九号
  平成十七年十一月四日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員保坂展人君提出テロ対策特措法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員保坂展人君提出テロ対策特措法に関する質問に対する答弁書



1について

 国際連合安全保障理事会決議第千三百六十八号の主文第一項においては、平成十三年九月十一日にアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)において発生したテロリストによる攻撃(以下「テロ攻撃」という。)を国際の平和及び安全に対する脅威と認めている。また、同決議の主文第四項等、同理事会決議第千二百六十七号の前文並びに主文第三項及び第四項等、同理事会決議第千二百六十九号の前文及び主文第四項等並びに同理事会決議第千三百三十三号の前文並びに主文第五項、第八項、第十項及び第十一項等においては、国際的なテロリズムの行為を非難し、国際連合のすべての加盟国に対しその防止等のために適切な措置をとることを求めている。これらの決議のほか、同理事会決議第千百八十九号の前文及び主文第五項等においても、国際的なテロリズムの行為を非難し、国際連合のすべての加盟国に対しその防止等のために適切な措置をとることを求めている。
 以上の点を踏まえ、我が国は、国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主体的に寄与するため、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号。以下「テロ対策特措法」という。)を制定し、テロ対策特措法に基づく対応措置を実施することとしたものである。

2について

 テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する合衆国その他の外国の軍隊その他これに類する組織(以下「諸外国の軍隊等」という。)は、アフガニスタン・イスラム共和国(以下「アフガニスタン」という。)及びその周辺において、テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去のための活動を実施しており、当該活動の一環として、インド洋上においては、テロリストや武器等の海上移動を防止するため、不審な船舶に対する検査等を行う海上阻止活動を実施している。海上阻止活動により、テロリストや武器等の海上移動を抑止する効果が発揮されていると認められ、また、テロリストとのかかわりが疑われる乗組員を拘束した事例や、武器、麻薬等を押収した事例もある。海上阻止活動に参加する諸外国の軍隊等に対して我が国が行うテロ対策特措法に基づく協力支援活動としての補給は、艦船の寄港回数を減らすこと等を可能にし、当該諸外国の軍隊等の活動の効率性を向上させることを通じて、国際的なテロリズムの防止及び根絶に寄与し、我が国及びアフガニスタンを含む国際社会の平和及び安全の確保に資するものである。

3について

 我が国は、テロ対策特措法に基づく協力支援活動として、「テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画」(平成十三年十一月十六日閣議決定)に基づき、艦船による艦船用燃料等の補給及び輸送、航空機による人員及び物品の輸送並びに港湾業務を実施している。

4について

 テロ対策特措法に基づく捜索救助活動として、捜索又は救助を行った例はない。

5について

 テロ対策特措法に基づく被災民救援活動を実施した例は、アフガニスタン難民に供与する援助物資の輸送の要請を国際連合難民高等弁務官事務所から受け、平成十三年十一月二十五日に横須賀を出港した掃海母艦「うらが」及び同日呉を出港した護衛艦「さわぎり」が、テント千二十五張、毛布一万八千六百枚、ビニールシート七千九百二十五枚、スリーピングマット一万九千九百八十枚、給水容器一万九千六百個の合計約二百トンの救援物資を、同年十二月十二日に到着したパキスタン・イスラム共和国(以下「パキスタン」という。)のカラチまで輸送したもののみである。
 なお、当該要請に係る被災民の国籍及び人数については、政府としては把握していない。

6について

 平成十三年十二月二日から平成十七年十月十八日までの間に、テロ対策特措法第十条の規定に基づき譲与を行った物品の種類及び数量については、艦船用燃料約四十一万キロリットル、航空機用燃料約三百七十キロリットル及び水約千八百八十トンである。物品の無償貸付を行ったことはない。

7について

 お尋ねの「編成」の意味が必ずしも明らかではないが、テロ対策特措法に基づく対応措置を実施するために派遣された海上自衛隊の艦船は、その所属する護衛隊群の係留港から出港して、同所に帰港しており、その艦名及び日付等については、平成十六年版防衛白書及び平成十七年版防衛白書に掲載しているとおりである。
 また、その乗員数については、しらね型護衛艦にあっては約二百九十人、むらさめ型護衛艦にあっては約百七十人、あさぎり型護衛艦にあっては約二百十人、はるな型護衛艦にあっては約二百九十人、たちかぜ型護衛艦にあっては約二百五十人、こんごう型護衛艦にあっては約二百九十人、たかなみ型護衛艦にあっては約百七十人、はたかぜ型護衛艦にあっては約二百六十人、補給艦にあっては約百四十人、掃海母艦にあっては約百二十人、輸送艦にあっては約百五十人である。

8について

 平成十三年十二月二日から平成十七年十月十八日までの間に、テロ対策特措法に基づく協力支援活動として、インド洋上において海上自衛隊の部隊が諸外国の軍隊等の艦船等に補給を行った対象国ごとの補給の回数、補給を行った艦船用燃料の量及び当該燃料の調達額については、合衆国にあっては、二百九十七回、約三十五万四千三百キロリットル、約百三十八億円、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国にあっては、二十三回、約八千九百キロリットル、約三億円、フランス共和国にあっては、五十五回、約一万三千二百キロリットル、約六億円、ニュージーランドにあっては、十五回、約二千五百キロリットル、約一億円、イタリア共和国にあっては、二十六回、約五千四百キロリットル、約二億円、オランダ王国にあっては、七回、約千五百キロリットル、約一億円、ギリシャ共和国にあっては、十回、約二千キロリットル、約一億円、カナダにあっては、四十一回、約九千六百キロリットル、約四億円、スペインにあっては、十回、約二千百キロリットル、約一億円、ドイツ連邦共和国にあっては、十二回、約二千百キロリットル、約一億円、パキスタンにあっては、五十七回、約八千六百キロリットル、約五億円である。
 なお、個別の補給の日時、補給対象となった艦船の種類及び名称並びに当該艦船への補給量を公にすることは、今後、協力支援活動等を実施する自衛隊の安全を害するおそれがあり、また、関係国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

9から11までについて

 我が国が諸外国の軍隊等に対して行うテロ対策特措法に基づく協力支援活動としての補給は、テロ対策特措法に基づくものであることを当該補給の対象国との間の交換公文に明記するとともに、当該対象国との協議の場においてテロ対策特措法の趣旨について説明した上で、当該対象国の艦船への補給の都度、当該艦船が諸外国の軍隊等の活動に従事していることを確認した後に行っているものであるが、お尋ねのような当該艦船(艦載機を含む。)が補給を受けた後に従事した活動の詳細については、政府としては承知していない。

12について

 平成十三年十一月二十九日から平成十七年十月十八日までの間に、テロ対策特措法に基づく協力支援活動としての補給のため海上自衛隊の部隊が調達した艦船用燃料の量については、約六十七万キロリットルである。
 なお、個別の燃料調達の場所、時期及び量を公表することは、今後、協力支援活動等を実施する自衛隊の安全を害するおそれがあり、また、関係国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

13について

 テロ対策特措法に基づく派遣中に死亡した自衛隊員は二名であり、このうち一名は、平成十四年五月八日、インド洋沿岸国に入港中の海上自衛隊の護衛艦「さわかぜ」の艦内において、突然、心停止となったものであり、他の一名は、同年六月八日、ドバイ市内において、交通事故に遭い死亡したものである。

14について

 テロ対策特措法に基づく協力支援活動等を実施している海上自衛隊の隊員に生じた疾病及び負傷として把握しているものの大半は、軽度の風邪、歯痛及び外傷等であり、これらについては、派遣部隊に所属する医官により、一日平均六名程度の隊員を診療し対応している。そのほか、精神疾患、尿路結石等の疾病又は外傷により、十三名の隊員を我が国に後送して治療した。隊員の健康管理については、高い気温や長期の艦上生活といった厳しい勤務環境を考慮しつつ、今後とも万全を期してまいりたい。

15について

 民間企業の技術者が、テロ対策特措法に基づく協力支援活動等のために派遣された自衛艦に乗艦した状況については、護衛艦にあっては、平成十四年七月九日から平成十七年四月二日の間、延べ六隻に対し延べ二十二名が、補給艦にあっては、平成十四年七月十八日から平成十七年四月九日の間、延べ九隻に対し延べ二十四名が、それぞれ部品交換、技術支援等のために乗艦し、乗艦の目的である作業を完了している。また、当該技術者の健康状態に特段の問題が生じたとは承知していない。

16について

 お尋ねの「臨検」が、船舶に乗船して当該船舶の書類等を検査する活動を指すのであれば、そのような活動は、テロ対策特措法に基づく対応措置には含まれていないので、これを実施したことはない。

17について

 テロ対策特措法に基づく協力支援活動としての輸送で、航空自衛隊の部隊が実施したものは、平成十三年十二月二十九日から平成十七年十月十八日までの間に在日米軍基地相互間の国内輸送が二百七十五回、平成十三年十二月三日から平成十七年十月十八日までの間に在日米軍基地とグアム方面等との間の国外輸送が十五回であるが、その具体的な発着地、個別の輸送の日時及び輸送した人員等の内訳については、これらを公にすることによって、今後、協力支援活動等を実施する自衛隊の安全を害するおそれがあり、また、関係国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、答弁を差し控えたい。



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