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平成十八年四月二十八日提出
質問第二四四号

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の見直しに関する質問主意書

提出者  菅野哲雄




容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の見直しに関する質問主意書


 政府は、容器包装廃棄物に係る効果的な3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進等を目的に、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(以下、改正案)を三月十日に閣議決定した。容器包装リサイクルの推進を望む多くの国民の声が法改正を後押しし、改正作業にあたっては、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の後に制定された循環型社会形成推進基本法に基づき、拡大生産者責任を確立すること等が期待されていたものと承知する。
 しかるに改正案においては、中央環境審議会及び産業構造審議会等で、いったんは「対応の方向」で検討されていた拡大生産者責任の確立・強化が、必ずしも重視されていない等の問題が散見される。地球環境の保護、政府の推進する3R及び循環型社会形成推進基本法の趣旨を踏まえれば、実効性を伴った法改正こそ必要と考える。
 従って、以下の事項について質問する。

1 排出の抑制
 (1) 改正案では、第一条の「目的」において新たに、容器包装廃棄物の「排出の抑制」が盛り込まれたほか、第四章でも「排出の抑制」に係る条文を新設することとなった。政府が強調する3Rのうち「リデュース」については、通常「発生の抑制」と理解され、「排出の抑制」は、その重要な一部を構成するものと考えるが、改正案全体を通じて「発生の抑制」ではなく「排出の抑制」とした理由を示されたい。
 (2) 中央環境審議会「今後の容器包装リサイクル制度の在り方について(意見具申)」(平成十八年二月二十二日)では、「3 容器包装リサイクル法の見直しの基本的方向」の(1)において、「循環型社会形成推進基本法に規定された基本原則に基づき、リサイクルより優先されるべき発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)を更に推進する」というようにリデュースを「発生の抑制」と明確に位置づけ、その重要性を指摘している。これら経過を踏まえるならば改正案における表現は「排出の抑制」ではなく、「発生の抑制」とすべきではなかったか。
2 再使用
 循環型社会形成推進基本法第七条は、循環資源の全部又は一部のうち、再使用ができるものは再使用し、再使用がされないものは再生利用をする、さらに再使用及び再生利用ができないものは熱回収するといったように、資源の循環利用の優先順位を明らかにし、再使用を最も重視していることは明白である。前項で引用した中央環境審議会の意見具申も同様の指摘を行っている。しかるに、改正案では第一条の「目的」あるいは第三条の「基本方針」等において「分別収集及び分別基準適合物の再商品化」の促進はうたっているものの、再使用すなわちリユースについての言及がない。再生利用(リサイクル)より優先順位が高い再使用の促進を改正案から欠落させることは、循環型社会形成推進基本法並びに政府が強調する3Rの趣旨に照らした際、極めて後退した印象を与えるが、政府の認識を明らかにされたい。
3 事業者
 改正案では、第七条の四から同七に至るまで、事業者が「排出の抑制」を自主的に促進するための規定が設けられることとなったが、ここで対象となる事業者は主に「包装容器を用いる事業者」と認識する。しかるに、発生抑制(リデュース)を促すためには、包装容器の利用事業者に限らず、製造事業者も対象にすべきと考える。中央環境審議会の意見具申並びに産業構造審議会の「容器包装リサイクル法の評価検討に関する報告書」(平成十八年二月)においても、事業者を利用事業者に特定しているとは推察できない。製造事業者を対象事業者としない理由を説明されたい。
4 拡大生産者責任
 (1) 循環型社会形成推進基本法は、「事業者の責務」として拡大生産者責任に言及したものと承知する。さらに改正作業にあたった中央環境審議会の第三十三回廃棄物・リサイクル部会において資料提出された「容器包装リサイクル制度見直しに係るこれまでの議論の整理」の十六頁では、事業者の過重な負担に留意しつつ、「事業者が拡大生産者責任の考え方に基づき、これらの費用の一部を負担することにより、一定の責任を果たすという役割分担が適切ではないか」とした「対応の方向」が示されている。しかるに、改正案では「排出の抑制」に向けた事業者の自主的な取組にとどまり、拡大生産者責任の確立・強化が見送られた理由を示されたい。
 (2) 包装容器に係るリサイクル八団体が示した「事業活動における容器包装の3R推進に係る自主行動計画」では、目標年次とする二〇一〇年度までに、例えばペットボトルの排出抑制では〇四年度実績比で一本あたり三%の軽量化を目指すとしている。関係者の自主努力は尊重しなければならないが、目標数値が利用者の期待するものと必ずしも合致しているとは言えないと考える。事業者の自主的取組の効果が顕著に現れなかった場合には、将来的に拡大生産者責任の強化を明確に位置づけた再改正を検討すべきと考えるが、政府の認識を示されたい。
5 レジ袋
 (1) 今回の改正によって、多くの利用者がレジ袋の有料化を想定していたものと考えるが、改正案の条文に盛り込まなかった理由を示されたい。
 (2) 事業者の自主的取組によるレジ袋の有料化について、政府はどの程度にまで定着するものと想定しているのか。数値目標等を示されたい。
 (3) レジ袋の有料化の自主的取組が期待する目標値に達しなかった場合、レジ袋税の導入を図るべきとの意見もある以上、何らかの新たな措置が必要と考えるが、政府の認識を示されたい。
6 リサイクル費用
 循環型社会形成推進基本法の制定以後、家電製品、家庭用パソコン、自動車等、収集リサイクル費用を商品価格に含める潮流が定着しつつある。容器包装についても同様の措置を検討すべきと考えるが、政府の認識を示されたい。

 右質問する。



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