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平成十九年六月五日提出
質問第三三一号

北朝鮮による日本人拉致問題及び全被害者救出に関する質問主意書

提出者  西村真悟




北朝鮮による日本人拉致問題及び全被害者救出に関する質問主意書


 北朝鮮による日本人拉致問題の本質は、単に箇々の被害者に対する犯罪及び人権侵害にとどまらず我が日本の国家主権の侵害であるので、拉致被害者全員が解放されて祖国日本に帰り原状回復されるまでは、この犯罪と国家主権の侵害も日々止まることなく進行し続けている。従って、この現在も進行中の国家的な重大事態に関しての対策は、緊急を要すると考える。
 従って、次の事項について質問する。

一 (時効)、北朝鮮による日本人拉致事件における国外移送目的略取及び誘拐罪(刑法二百二十六条)の時効の起算点はいつか。
二 (逮捕状)、捜査機関は今まで、外国にいる複数の者を拉致実行犯人として逮捕状を取得しているが現在も日本に在住している者に対する逮捕状は取得していない、つまり、外国にいて逮捕不能の被疑者に対する逮捕状はあるが、不可解なことに、国内にいて逮捕可能な被疑者に対する逮捕状はないのである。
 そこで、例えば共に拉致被害者と認定されている@有本恵子(敬称略、以下同文)を拉致したと自ら認めた者、A原敕晁の勤務していた家宅捜索を受けた中華料理店の店主、B田中実の勤務していた中華料理店の店主とその仲間及びC久米裕拉致の実行犯らは、我が国内にいて「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある」と思料されるのであるが、捜査機関は何故これらの者に対する逮捕をはじめとする強制捜査を行わないのか、回答されたい。
三 (実況見分)、関係者を立ち合せての犯罪現場及び犯人の逃走経路などの実況見分は、真相究明の為の極めて重要な捜査つまり情報収集であるところ、帰国して五年近くも経過している拉致被害者五名が、今までにそれぞれ拉致された現場において立会ったうえで捜査機関が実況見分を実施したとは聞いていない。
 捜査機関は、このような現場における被害者立会いの実況見分を実施しているのか否か、仮に現在まで実況見分を実施していないとすれば、その実施していない理由を回答されたい。
四 (松本京子の拉致被害者認定の経緯)、政府は、金子善次郎衆議院議員の松本京子拉致疑惑を質した質問主意書に対して、平成十二年十二月五日付けで答弁書を送付して、松本京子に関して、「所要の調査を実施したが、北朝鮮に拉致されたと疑わせる状況等はなかったものと承知している」と回答したのであるが、平成十八年十一月に、一転して同女を北朝鮮による拉致被害者と認定している。そこで、次の事項について回答されたい。
 1 松本京子に関して、平成十二年以降に新たな状況が判明したから新たに拉致認定に至ったのか、それとも、平成十二年十二月時点で愚かにも判断を誤っていたからその当時拉致認定できなかったのか、回答されたい。
  さらに、新たな状況の判明によって認定したとするならば、その状況とは何か。
 2 新たな状況の判明か政府の判断の誤りか、いずれにしても、政府が過去に「拉致されたと疑わせる状況等はなかったと承知」していた失踪者松本京子に関して拉致被害者であるとの判断に至ったのであるから、他に同女と同様のケースがあることは当然予想されるところであるので、政府は同女の拉致認定以後、類似の失踪者ケースについて再調査しているのか否か回答されたい。
 3 政府は拉致の認定に当たって、「もし認定した失踪者が拉致で無かった場合、北朝鮮から反撃を受ける」として認定に極めて慎重であるが、同女の場合拉致から認定まで二十九年余の歳月が経過し、前記の金子議員の質問主意書提出からでも認定までに六年余が経過しているのであって、もちろん本人の帰国は果たされていない。
  また、曽我ひとみの場合には、北朝鮮がその存在を明らかにするまでの二十四年間、政府は全く拉致とは認識していなかったのである。
  そこで、これら長期間にわたって拉致と認識されなかった事態を踏まえ、政府には「拉致と明らかにできなかった責任」があると思われるが、政府はどのようにその責任を負うのか回答されたい。
五 (渡辺秀子親子殺害拉致事件について)、渡辺秀子親子が殺害され拉致された事件について、ユニバース・トレイディング社の関係者が、三十人ほどの日本人と在日朝鮮人を拉致した旨証言したとの報道があったが、政府は、この報道に関する事実関係についてどこまで捜査して実態を把握しているのか、明らかにされたい。
六 (政府の情報収集の意思と体制)、拉致事件の全容の解明と拉致被害者総数の把握のためには情報の収集が死活的に重要であるが、二及び三の質問にある国内にいる拉致実行犯と疑うに足りる者達への強制捜査や犯行現場の実況見分も極めて重要な情報収集であるのに未だ実施されず、さらに、政府の作成するパンフレットやテレビコマーシャル等においても、政府が情報を求めていることを広く訴えるどころか、情報提供の為の連絡の窓口すら示されていないので、政府の情報収集の意欲を疑わざるをえず、次の質問をする。
 1 警察等の捜査機関や公安調査庁の調査以外に、政府の対策本部としてどの様な情報収集体制をとり情報を収集しているのか。
 2 政府の対策本部においては、右の各機関に集積された情報、さらに、自衛隊や在日米軍に集積された情報を統合し分析する機能を果たしているのか。
 3 情報は、対価を支払うか交換するかもしくは盗む、の三つのうちの何れかの手段によって収集できるのであるが、政府は情報提供者に対する対価の支払いや司法取引等を実施して情報を集める用意があるのか。
 4 特に、警察庁においては、平成十九年四月一日から、広く国民から重要凶悪犯罪等の被疑者検挙に資する情報の提供を受けるため、捜査特別奨励金による懸賞広告制度を導入しているが、拉致事件について特別報奨金の対象とする用意はあるのか。
 5 政府は、情報収集のための新たな国家機構の整備及び新法の制定等の措置を考えているか。
 6 さらに渡辺秀子親子殺害拉致事件に関して情報の開示を要請したところであるが、政府には、拉致問題の重要性と真相の解明の観点から、「捜査上の秘密」によって非公開とすることなく、進んで明らかになった事実関係を広く開示し国民の関心を喚起して新しい多くの情報の提供を求めるという姿勢が必要と考えるが、拉致問題に関する事実関係の積極的な開示について、政府は如何に考えるか回答されたい。
七 (政府の表明書について)、去る四月二十六日、古川了子の拉致認定訴訟で和解が成立したが、和解に当たって、内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長及び内閣府大臣官房拉致被害者等支援担当室長河内隆の同日付け表明書(以下、表明書という)が発表されているので、以下質問する。
 1 表明書において表明された見解については、対策本部長である内閣総理大臣及び担当大臣である内閣官房長官も同様の考えであると理解してよいのか確認したい。
 2 表明書第一項に、「本件訴訟での証拠調べをも踏まえて・・・被害者と認定することとする」とあるが、これは、本件訴訟の証人の一人であった安明進の証拠調べも踏まえると理解してよいのか確認したい。
 3 表明書第二項に、「拉致被害者支援法に定める被害者と認定された人以外にも、北朝鮮当局による拉致の可能性を排除できない人が存在しているとの認識に基づき、引き続き拉致容疑事案の真相究明に努め・・・解決に向け、全力で取り組んでいくこととする」とあるが、これは、現在の拉致認定者以外に、警察が所有する拉致の可能性のある失踪者のリスト、特定失踪者問題調査会の所有する失踪者のリスト及び家族から届け出のあった失踪者のリストの中に拉致の被害者が存在するという認識を表明したものなのか。
  さらに、家族や知人がいない人達が拉致されれば、彼等が拉致されたことを知る人がいないので右の各リストに掲載されること自体困難であるが、政府は、このような未だ何処のリストにも現れてこない拉致被害者が存在している可能性を排除できないと認識しているのか。
 4 政府は、右の通り表明書第二項において、今まで被害者と認定された人以外にも拉致の可能性を排除できない人が存在していると認識して解決に向け全力で取り組んでいくこととすると表明しているのであるが、では、今までの被害者救出のための対応は十分であったと認識しているのか回答されたい。
  さらに、情報収集を含む取り組みの体制について改善すべき点があると考えているならば、その点について回答されたい。
 5 政府は、北朝鮮向け短波ラジオ放送による広報を準備していると聞くが、その概要を示されたい。
  また、表明書の趣旨からすれば、この放送の中で、拉致の可能性を排除できない人については、政府認定者と分離するにしても、その氏名や年齢及び失踪時期などの読み上げを行うのは当然と思われるが、その用意はあるのか回答されたい。
八 (自衛隊の運用について)、政府の現在までの拉致問題への対処は、個々の犯罪捜査とその真相究明の為の対処であり、これらは畢竟、単なる個人的法益に関する捜査であって北朝鮮による我が国の国家主権の侵犯という拉致問題の重要な本質に即した対処とはなりがたいのである。このことは、北朝鮮当局の指令に基づいて拉致を実行して現在北朝鮮にいる拉致実行犯人に対していくら逮捕状を取って北朝鮮当局に引渡しを請求しても無駄なことをみても明らかであり、これが、犯罪の捜査という次元を超えて国家主権の回復という観点からの対処の発想が必要な所以である。そこで、次の質問に回答されたい。
 1 政府は、北朝鮮による日本人拉致は、北朝鮮による我が国の国家主権の侵犯であると認識しているのか否か、回答されたい。
 2 北朝鮮による日本人拉致が我が国の国家主権の侵犯ならば、被害者の解放を北朝鮮当局に求めることは、犯人に被害者解放を求めることに他ならず、これは結局、被害者が解放されるか否かは北朝鮮当局の意向次第ということになる。
  そこで、我が国は被害者解放の為に制裁を始めとして何らかの強制力を行使しなければならないと思料されるが、政府はこの強制力行使は必要と考えているのか不要と考えているのか、その見解を回答されたい。
 3 政府は平成十八年三月八日の参議院予算委員会における山根隆治議員の質問および同五月十日の衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会における稲田朋美議員の質問に対し、北朝鮮の体制崩壊等の緊急事態に当たって、邦人保護の観点から外務大臣の要請があれば、自衛隊の派遣が可能であると答弁しているが、自衛隊でこの任務に対応する部隊は先般編成を完結した中央即応集団(CRF)であると理解してよいか。または他にそのような部隊があるのか。
  さらに、その訓練装備等の充実度など、その準備はどのように行われているか。
 4 かつてアルバニアの治安崩壊という事態に際して、銃撃戦のうえ邦人を救出してくれたのはドイツ軍部隊であったが、政府は、中央即応集団等の部隊を、このような他国の治安崩壊等の事態に際して自力で国民を救出するための部隊として運用させる所存か、回答されたい。
 5 また、そもそも北朝鮮の体制が崩壊するしないにかかわらず、北朝鮮にいる拉致被害者を一刻も速く救出することは国家としての重大な責務であるが、救出について他国の協力も得られず、また、このまま放置すればこの重大な国家の責務を放棄することとなる事態において、政府の自衛隊運用の決断による拉致被害者救出作戦実施は、政府の想定内なのか、それとも、全くの想定外なのか、回答されたい。
  そこで、政府が拉致被害者救出に自衛隊の運用が必要な事態があると想定しているとして、それを実施するために何か障害があると考えているのか、障害があると考えているならば、それは何か、回答されたい。
  さらに、政府が、自衛隊運用による拉致被害者救出に障害があると考えているとして、その障害を除去する措置を実施する考えがあるのかないのか、回答されたい。

 右質問する。



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