衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十九年七月三日提出
質問第四六七号

「消えた年金」問題の安倍総理の不作為責任等に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




「消えた年金」問題の安倍総理の不作為責任等に関する質問主意書



 1
  @ 安倍総理は、未統合の記録の件を含め年金記録の問題について、昨年の暮れから今年初めに認識したとされる。具体的には昨年の暮れの何月何日か。誰のどのような報告によって知ったか。またその時の資料はどのようなものだったか。
  A その時に、重大性を認識したか。
  B この問題の重大性を認識したのはいつか、また何がきっかけか。
  C 総理はこの問題について、指示をはじめて出したのは何月何日か。どのような指示を誰にしたか。
  D その後、指示をしたとすれば時系列に指示の概要をお示し願いたい。
 2
  @ 平成一九年二月一四日衆議院予算委員会で、私が、安倍総理に「緊急事態宣言をして、社会保険庁は、被保険者と受給権者の皆様全員に納付記録を郵送して、抜けがあるかどうか緊急に点検してください」と質したところ、「ただいま御提案がありました緊急事態宣言をすべての被保険者に出す、これは年金そのものに対する不安をあおる結果になる危険性があるのではないか、私はこのように思うわけでありまして」と答弁された。この時点で、事の重大性を認識していたのに、このような発言をされたのか。あるいは、事の重大性を認識していなかったのか。
  A その後、政府は、被保険者と受給者の全員に納付記録を送付することを決定したと聞く。それは事実か。
  B この被保険者と受給者の全員に郵送するという政府の決定があるとすれば、いつから、いつまでに全員に郵送を終えるのか。
  C また、安倍総理は、この二月に答弁で述べた方針を転換したのはなぜか。なにがきっかけとなったのか。
 3
  @ 平成一九年五月八日衆議院本会議で、私が、安倍総理に「この際、緊急に、全被保険者、受給者約一億人に、年金加入履歴を送付して、漏れがないかチェックしていただくことを強く要請します」と質したところ、「すべての被保険者、年金受給者に対して納付記録を送付し点検をお願いすることは、大部分の方の記録が真正なものであることを考えれば、非効率な面が大きいのではないかと考えます」と答弁があった。
  事の重大性を認識していたのに、このような発言をされたのか。あるいは、事の重大性を認識していなかったのか。
  A この時点で、「大部分の方の記録が真正なものである」との発言は、誰の報告に基づく発言か。総理はその時、何割程度の記録に問題があるとの認識だったのか。当時の認識は現時点では変わったのか。
 4 平成一九年五月二三日衆議院予算委員会で、私が「五〇〇〇万件のうち、受給者三〇〇〇万人とダブっている記録は何件あるのか、総理にお伺いします」と質したところ、「今、長妻議員からもいろいろお話がございました。やはり、国民の皆様に不安を与えてはならない、私はこのように思うわけでありまして」と答弁があった。
  私のどの部分の発言が、国民の皆様に不安を与えたのか。この時点で事の重大性を認識していたのに、このような発言をされたのか。あるいは、事の重大性を認識していなかったのか。
二 昭和六〇年九月三日付けで社会保険庁年金保険部業務第一,二課長連名で「新しい事務処理方式の実施に伴う国民年金被保険者台帳の取扱いについて(通知)」という文書が出された。これは、特殊台帳以外(普通台帳と呼ぶ)の、国民年金手書き台帳は、コンピューターに入力した後、マイクロフィルム化せず、廃棄せよという内容だった。特殊台帳と呼ばれる一部の台帳もマイクロフィルム化した後に現物は廃棄せよとの内容もあった。
 1 現在、廃棄命令が出されたが、幸い、現存する普通台帳は、廃棄されたものも含む普通台帳全体の何割か。また現存するものは、現物かマイクロフィルムかそれぞれ枚数をお示し願いたい。
 2 普通台帳の廃棄命令は、間違いだったのか、内閣の見解を問う。この命令通知は大臣や社会保険庁長官の決裁まで上がったのか。最高は誰の決裁だったか。本通知を出した責任はあると考えるか。
 3 特殊台帳もマイクロフィルム化したものの現物は廃棄命令が出された。マイクロフィルムだけではかすれて文字が見えないこともあり、現物も保存することは重要と考えるがいかがか。特殊台帳の現物廃棄の命令も問題があったと考えるか。また、その責任は誰にあるのか。
 4 国家公務員共済年金、地方公務員共済年金の保険料納付記録が記された手書き台帳は、これまでのものすべての現物は保管されているか。また、マイクロフィルム化されたものもあるのか。マイクロフィルム化した後、現物を廃棄した事例はあるのか。また、両共済年金に関して、紙台帳の保存及び廃棄に関して規定や通知があれば、その概要を時系列で年月日順にお示し願いたい。共済は紙台帳を廃棄していないとすれば、なぜ、国民年金と扱いに差があるのか。官尊民卑の発想があるのではないか、内閣の見解を問う。
三 厚生年金に関しては、納付記録が記された紙資料に関する、保管指示や廃棄指示の通知や規定が出されたか。出されたとすれば、その年月日と概要をお示し願いたい。

 1 自民党がホームページでも掲示しているビラ「第2弾ご安心ください!!あなたの年金は大丈夫です!!」の中に、五〇〇〇万口に関して「政府・与党は今後一年間で全ての統合を完了させます」とある。さらにその下の図表では、五〇〇〇万口に関して、「オンライン化されていない、マイクロフィルムや市町村にある記録についても手作業で付き合わせいたします」とあり、図表からはこれを一年後に完了することが示されている。この記述の主語は「政府・与党」とあるが、政府としてこの記述を本当に約束したのか。この記述と政府の約束が異なるのであれば、どのような記述であれば政府は正しいとするのか。また、そのためにはどの程度の人・モノ・カネが必要か。
 2
  @ また、五〇〇〇万口に関して「政府・与党は今後一年間で全ての統合を完了させます」とある。一年後には、五〇〇〇万口が、一件残らず基礎年金番号に統合されているという意味か。基礎年金番号付番前にお亡くなりになった方等の記録は、統合できないが、これらの統合できない記録を除く、統合すべき記録をすべて一年以内に統合するということか。また、統合するためには本人の確認が欠かせないと政府はしている。一年以内に本人に確認も済ませるということか。
  A 死亡者でも遺族年金等に影響が出る場合がある。死亡者の場合は誰に確認を取って統合するのか。それも一年以内に実施するということか。
 3
  @ また同じビラの裏面には、「政府・与党案」として、「今後一年で問題解決・全額支払い」とある。その下には「今後一年で未確認の年金記録五〇〇〇万口の名寄せを全て完了」とある。今後一年で全額支払いとは、五〇〇〇万口の持ち主に対して、全額を支払うと理解してよろしいか。
  A そうでない場合は、今後一年で、どのような被害者に対して、どのくらいの金額を、いかなる方法で支払うという意味なのか。お示し願いたい。政府案となっているので、政府にお尋ねをするものである。
 4
  @ 平成一九年六月二八日の参議院厚生労働委員会で、柳澤厚生労働大臣は、民主党の福山議員に、この自民党のビラについて「これは、片方には名寄せと書いてあったかと思います。片方には統合と書いてあって、いずれにせよ、これが一致してないといけないわけでありまして、その意味では、私からも広報本部長に早速、この本日の審議が終わり次第、伝えなければならないと、このように思います」と答弁している。政府は、このビラのどこが問題と考えているのか。
  A 柳澤大臣は審議が終わり次第、どのようなことを誰に伝えたのか。お示し願いたい。
五 遺族年金や障害年金の場合、抜けている納付記録が統合されることによって、年金受給額が減額となるようなケースは存在する可能性があるのかどうか、お尋ねする。その場合はどのようなケースか。また、本ケースに関しては、現実にはどのような対応をするおつもりか。
六 複数の厚生年金番号を統合する時に、双方の番号が消滅し、本人の被保険者記録が無くなり厚生年金被保険者期間が0となる事例はあるのか。異なる社会保険事務所において、それぞれの他方の番号が取り消されて、このような事態になった事例があれば、お示し願いたい。そのような事例があるとすれば、構造的問題なのか特殊事例なのかお尋ねする。
七 厚生年金においてオンライン上の記録で、氏名が無い(空欄)ケースはあるのか。氏名が無いケースで、生年月日を頼りに、奇跡的に統合できたケースがあるという話を聞くが本当か。五〇〇〇万件の記録の中で氏名が無いものは何件あるか。調査するおつもりはあるか。
八 「年金記録問題検証委員会」「年金記録確認第三者委員会」についてお尋ねする。
 1 双方とも非公開で議事録も非公開か。
 2 それぞれの委員会について、非公開にした理由を詳細にお示し願いたい。
 3 それぞれの委員会において、非公開を決定した最終決定者の代表者のお名前をお示し願いたい。
 4 双方の委員会について非公開について異議を唱えた委員がおられればお名前をお示し願いたい。
 5 これだけの重大問題を審議する場が非公開とは、国益に反すると考えるがいかがか。被害者のプライバシーに関わるところは黒塗りにするなどの配慮をすれば問題ないと考えるがいかがか。
 6 双方の委員会で、公開されるものは、どのようなものか。誰がその公開非公開の判断をするのか。
 7 これまで双方の委員会で非公開とされたものの書類名や審議の概要を日付ごとにお示し願いたい。
 8 双方の委員会に関して、国会議員の傍聴も認められないのか。
 9 双方の委員会で黒塗りでも詳細な議事録は非公開ということだが、どのような法的根拠なのか。仮に情報公開請求をすれば、黒塗りでも開示はなされるのか。
 質問番号を束ねて粗く不誠実な回答をするのではなく、質問番号ごとに誠実に回答を頂くことをお願いする。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.