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平成十九年八月八日提出
質問第一一号

社会福祉士試験の「漏洩疑惑」に関する質問主意書

提出者  阿部知子




社会福祉士試験の「漏洩疑惑」に関する質問主意書


 「前国会における答弁書」(内閣衆質一六六第四七六号)(以下「答弁書」という)において、厚生労働省が「漏洩疑惑」について知ったのは、「漏洩疑惑」が指摘され、日本社会事業大学内外で大きな問題となっていた昨年十二月の時点ではなく、第十九回社会福祉士試験実施(本年一月二十八日)後であったとしていること、また、本件についての厚労省などによる事情聴取が電話等で済まされていたことが明らかになった。本件は、相談援助等を業務とする社会福祉専門職である社会福祉士の国家試験の権威と信頼を揺るがす大きな問題であり、疑惑については究明し、二度とそうした事件を起こさせないことが必要である。そうした点からすれば厚労省の対応は適切なものと言えない。そこで再度質問する。

1 第十九回社会福祉士試験に向けて、昨年十二月に日本社会事業大学の「D教授」が、心理学の出題者名と人数を「学内模擬試験解説講座」資料集(以下「資料集」という)に掲載したこと等が「漏洩疑惑」とされている。答弁書では、本件について厚労省が知ったのは、本年二月五日の匿名の電子メールによるものとされているが、本年七月十二日の日本社会事業大学における学生向けの学長説明会で、大橋謙策学長が本件について「大学は昨年十二月二十六日、試験センターに知らせた」と説明している。この情報はインターネットの「社会福祉士国家試験改善」でも明らかにされている。
 (1) 財団法人社会福祉振興・試験センター(以下「試験センター」という)は、本件について同大学から報告を受けていたのは間違いないか。
 (2) 報告を受けていたとすれば、いつどのような形で報告があったのか。
 (3) 厚労省は試験センターから本件について報告を受けたか。報告を受けたとすれば、いつどのような形で報告があったのか。
 (4) 本件のようなケースは、公益法人である試験センターには所管官庁の厚労省に報告する義務があると考えるが、いかがか。

 (1) 「D教授」は事情聴取に対して「推測した」と返答したとしているが、厚労省は「D教授」が出題者名と人数を「資料集」に掲載したこと自体について適切なことと考えているのか。適切でないとすれば理由を示されたい。
 (2) 第十五回から第十九回まで社会福祉士試験の心理学の出題者名と人数を記載したことについて、厚労省は「D教授」の「推測」という返答で了解しているのか。しているとすれば、その理由を示されたい。疑問があるから事情聴取したにもかかわらず『推測』の一言で了解するとすれば、それは事情聴取と言えないのではないか。
 (3) 第十五回及び第十六回社会福祉士試験は、「D教授」自身が心理学の出題者の一人であり、その「D教授」が自ら「資料集」に自分を含めて出題者三人の実名を公表したことは明らかに守秘義務違反でないのか。当人を含まない他人であれば「推測」という返答もあり得ようが、当人を含むのであれば、「推測」とは言えないと考えるがいかがか。「D教授」が第十五回及び第十六回の出題者であることを公表できないとしても守秘義務違反についての検証は可能なはずである。
 (4) 答弁書では「一般的に明らかな試験委員の学術的な専門領域から容易に担当分野を推測することが可能である」としている。試験委員は毎年ほぼ五十一人いるが、十三分野あるので単純に考えれば四人と考えるはずである。しかも、第十五回から第十九回まで五年間のそれぞれの人数と出題者を当てることは、「容易」なことではないと考えるがいかがか。
3 厚労省による「D教授」に対する直接的な事情聴取は、本年四月五日及び同月十四日に日本社会事業大学で行ったとされているが、厚労省は、両日、それぞれ「D教授」に日本社会事業大学のどの部屋でどのような形で事情聴取を行ったのか。その場に大学関係者はいたのか、明らかにされたい。四月五日は日本社会事業大学の入学式であり、当日は厚労省成田裕紀室長が出席している。このような状況の中で事情聴取は可能なのか、はなはだ疑問である。本件について六月十八日に阿部知子事務所が厚労省からヒヤリングを行った際に、「D教授」に対して質したのか聞いたところ、成田室長は「三月末に私が日本社会事業大学のある会合で会ったので立ち話で確認した」と語ったが、これは四月五日の入学式のことではないのか。
4 三月二十九日に、試験センターの理事長が国際電話で「C教授」に事情聴取を行ったとされているが、事情聴取の内容を明らかにされたい。また、「C教授」に事情聴取しながら、なぜ、「A教授」、「B教授」には事情聴取を行わなかったのか。
5 「D先生は『出題者はA、B、Cが五問ずつ持ち寄って、どれを出すかはリーダーのC先生が決める』ということも教えてくれました」という学生の証言を六月十二日発売の「サンデー毎日」が紹介しているが、この件について、答弁書では「D教授」に対して電話で事情聴取を行い、「学生の証言のような発言をしたか否かについては記憶が定かでない」との返答を得たとしている。
 (1) 「D教授」が「記憶が定かでない」と返答したのであれば、学生に事情聴取すべきと考える。学生に対する事情聴取を行ったとすればいつ、どこで、どのような形で行ったのか。また、学生はどのような証言をしたのか。行わなかったとすればなぜしなかったのか。今後、学生に対する事情聴取を行う考えはあるのか。
 (2) このような大きな問題について事情聴取を電話だけで済ませるのは事情聴取として不十分と考えるがいかがか。再度、「D教授」に対する事情聴取を行う考えはあるのか。
 (3) この件についてA、B、Cの三教授に対して事情聴取を行ったのか。行ったとすれば、いつ、どこで、どのような形で行ったのか。また、三教授はどのような返答をしたのか。その返答をどのように評価するのか。もし、事情聴取を行っていないとすればなぜ行わなかったのか。今後、三教授に対する事情聴取を行う考えはあるのか。
6 答弁書では、厚労省は、試験センターから第十九回社会福祉士試験の問題と解説講座の問題を比較して漏洩はないとの報告を受けているとしている。両問題を比較すると試験問題の心理学十問中二問がきわめて類似しているが、厚労省として「漏洩はない」と判断しているのか。判断しているとすればその根拠を示されたい。
7 「D教授」が、第十九回社会福祉士試験の心理学の出題者として記載したA、B、Cの三教授は、「D教授」と同じ日本社会事業大学に関係しているか、あるいは「D教授」と同じ九州大学大学院教育学研究科の同じ教授の門下生である。「C教授」についてはその両方の要素があてはまる。
 (1) こうした経歴等については調査をしたのか。したとすれば適切な選出と言えるか。
 (2) このような試験委員の選定は、漏洩防止と、出題の偏りの防止の観点からすると、きわめて問題が大きいと思うがいかがか。
8 「D教授」は介護福祉士試験委員の副委員長を務めている。社会福祉士国家試験で「漏洩疑惑」を起こす人が、別の試験とはいえ国家試験の副委員長を務めることは不適任と考えるがいかがか。
9 社会福祉士試験委員全員に対して類似行為の自己申告を求める考えはあるのか、また試験委員全員に対するヒヤリングを行う考えはあるのか。
10 社会福祉士の養成校は全国に二百六十四校あるが、試験委員を出している大学については、本件のような問題を起こしていないか調査する必要があると考えるがいかがか。

 右質問する。



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