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平成十九年十二月三日提出
質問第二九二号

千三百六十五万件の年金記録の真相解明に関する再質問主意書

提出者  保坂展人




千三百六十五万件の年金記録の真相解明に関する再質問主意書


 厚生年金保険法二十八条には、「社会保険庁長官は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬(標準報酬月額及び標準賞与額をいう。以下同じ。)その他厚生労働省令で定める事項を記録しなければならない」と明示されている。この厚生年金保険法二十八条で記録保存義務を負う社会保険庁長官が、株式会社ワンビシアーカイブズ(以下、ワンビシ・アーカイブズという。)に預け入れた「厚生年金被保険者記録」(旧台帳)が重要な記録であることは舛添大臣も認めているように、異論をはさむ余地がない。既に提出した質問主意書に対して内閣から答弁書を受領したが、重大な疑義があるので再質問をする。一問ごとに、ていねいに答えられたい。

一 契約書を廃棄したにもかかわらず、ワンビシ・アーカイブズに預け入れたのは「平成九年度」からと答弁しているが根拠は関係者の記憶なのか。いつ契約したのかを裏付ける文書は社会保険業務センター及びワンビシ・アーカイブズ双方に存在しないのか。
二 東京都三鷹市の倉庫に保管されていた旧台帳をワンビシ・アーカイブズに預け入れた日、契約金額、保管内容も確認のしようがないのか。唯一無二の大切な記録が移動した日も不明であれば、そもそも旧台帳の全てが移動したかどうか、誤って廃棄分に仕分けられたなどの事故が起きていたとしても、現在から再確認する手がかりはないということか。
三 平成十四年度の随意契約の仕様書を見ると、「社会保険業務センター専用区画(八十坪)」として、「旧台帳・計算書・マイクロカートリッジ」とある。この「マイクロカートリッジ」とは何を指すものか。また、現在も存在しているのか。数量は把握しているのか。
四 同年の仕様書には「関西倉庫」との記載もある。現在も、平成十四年当時の契約書にある「関西倉庫」に社会保険業務センターが預けた記録はあるのか。また、関西倉庫から関東倉庫に移動し、集中したのか。経緯を述べられたい。その事実を確認する文書はやはり存在しないのか。
五 旧台帳三千百十九万件の中で「磁気テープ化もしたし、マイクロフィルム化もしている」と社会保険庁が説明している三百二十四万件について内外に明らかにされた記録、ないし内部記録にこの経緯について記述した文書は存在するか。これまでの議論を踏まえると、この数字も「推計値」となる。何ら文書も記述も存在しないとすれば、古い記録の処理について、このような説明をすることになった理由は何か。
六 舛添大臣の答弁について「被保険者記録等事務処理要領」にある「廃棄五十一万件」について確認したい。「廃棄五十一万件」は「昭和三十二年十月一日当時、七十歳以上だった人」という認識はどこから生れたのか。当時、制度発足から十五年、四十五歳以上の年齢で年金加入したが、加入期間が短く裁定にいたる可能性がないという七十歳以上の人たちの年金記録(旧台帳)をまとめて廃棄したという事実を舛添大臣は告白したのか。そうでないのなら、いかなる意味なのか。
七 社会保険業務センターから報告のあった一年半の間に策出された記録千三百七十三件のうち、「記録確認」「事業所確認」「脱退手当」「その他」の分類は、カードのチェックを集計するだけで算出できる。なぜ、一カ月以上もこの数を明らかにせずに「膨大な作業」としているのか。まずは、昨年分だけでも提出出来ないのか。
八 十一月二十八日の厚生労働委員会で、「今年の十月から概ね三十位の社会保険事務局から順次そういう確認作業に来てもらっている」と社会保険庁長官は述べている。ワンビシ・アーカイブズに社会保険事務局から人員を派遣して、直接に旧台帳を年金手帳番号を手がかりに照合していくという業務の必要性・切迫性はいつ、どのような理由で生れたのか。同作業の業務指示系統を示されたい。
九 すでに照合を終えた都道府県、またこれから予定している都道府県はどこか。また、「照合作業」を不要とする都道府県があれば、その理由とともに示されたい。
十 社会保険業務センターとワンビシ・アーカイブズとの契約では、社会保険事務局職員が直接倉庫内で作業することは「想定外」「契約事項外」のはずだ。ワンビシ・アーカイブズとの間で、この作業のために倉庫側の協力や場所提供を受けているとなれば、追加契約(契約変更)などの手続きはとっているのか。
十一 通常の契約では「検索料」が計上されているが、今回の臨時作業によって検出された旧台帳をコピーするにあたって、料金は発生しているのか。
十二 戦時中の「徴用」「勤労動員」などの「厚生年金被保険者記録」は現存しているか。旧台帳千三百六十五万件と千四百三十万件にすべて存在しているのか。

 右質問する。



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