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平成十九年十二月二十七日提出
質問第三六六号

外務省における白紙領収書作成についての起訴休職外務事務官の発言に対する外務省の対応に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




外務省における白紙領収書作成についての起訴休職外務事務官の発言に対する外務省の対応に関する質問主意書


 「政府答弁書」(内閣衆質一六八第三二五号)を踏まえ、以下質問する。

一 かつて外務省において、有印公文書を偽造する等により白紙の領収書を作成するといった仕組みにより、裏金をつくるという行為が行われていたという事実はあるか。
二 起訴休職外務事務官の佐藤優氏が、株式会社アスコムより発行された鈴木宗男衆議院議員との共著「反省 私たちはなぜ失敗したのか?」の六十九頁と、講談社より発行されている「現代」二〇〇六年九月号に掲載されている「最強の『情報分析官』による懺悔の告白 外務省『犯罪白書』四 私が手を染めた『白紙領収書』作り」との見出しの論文で、かつて外務省で佐藤優氏自身が当時の直属の上司である原田親仁現欧州局長より、マスコミ関係者に対して白紙の領収書を渡していたことを明らかにする旨の記述(以下、「記述」という。)をしていることについて、外務省は「政府答弁書」で「『白紙領収書』作成の事実の有無についてのお尋ねであれば、先の答弁書(平成十九年十二月十一日内閣衆質一六八第二九一号)の一について等で繰り返し述べているとおり、外務省において確認した範囲では、外務省において御指摘の『白紙領収書』が作成された事実は確認されていない。」と、これまでの答弁書と同様の答弁が繰り返されている。重ねて問うが、右の答弁にある「確認されていない」とは、外務省としては「記述」にある「白紙領収書」の作成の事実はなかったとは言い切れず、かつて外務省にその様な行為が行われていた可能性を完全には否定できないということか。
三 二の答弁でいう「外務省において確認した」とは、どの様な確認作業を指すのか。@確認作業が行われた日にち、A行った人物の官職氏名、B確認作業の対象となった人物の官職氏名、CBの人物の回答内容等、詳細に説明されたい。
四 外務省は「記述」にある白紙領収書の作成について「確認されていない」と、その存在を否定も肯定もしていないが、佐藤優氏は「記述」において詳細にそのメカニズム、関わった人物等を記しており、「佐藤論文」を読んだ読者に対しては、外務省においてかつて裏金をつくる仕組みが存在したという印象を与えかねないものであると考えるが、それでも外務省が「政府答弁書」で「本件について、特定の職員に対して処分を行う必要があるとは考えておらず、処分を行っていない。」と、現職の外務事務官でありながら外務省にあらぬ誤解を招きかねない発言をした佐藤優氏に対して処分を行う必要はないと考えるのはなぜか。
五 「政府答弁書」では、「記述」の中で触れられている、かつて佐藤優氏に対して具体的に白紙領収書作成の指示を出したとされている原田局長に対して行われた、「記述」の内容が真実か否かについての確認(以下、「確認」という。)について、「確認」を記録した文書が作成されていないことは承知した上で、@「確認」を行った日にち、A大臣官房にて「確認」を行った職員の官職氏名、B「確認」に対する原田局長の回答内容の三点を問うたところ、「お尋ねのあった事項については、記録を作成しておらずお答えすることはできない旨、先の答弁書(平成十九年十二月十一日内閣衆質一六八第二九一号)の六についてで述べたとおりである。」との答弁がなされているが、右答弁は、外務省において@とBだけでなく、Aの原田局長に「確認」を行った人物が誰かについての記憶すら既に失われているということか。明確な答弁を求める。
六 外務省において、原田局長に対する「確認」は本当に行われたのか。実際のところ、外務省は「確認」を行わずに答弁をしているのではないか。
七 六で、あくまで外務省が実際に「確認」を行ったと主張するのならば、@とBはともかくAについてまで答弁を行わない理由を明らかにされたい。右は、外務省職員の記憶力が著しく低下しているか、または外務省において実際には「確認」は行われておらず、答弁のしようがないのどちらかであると考えるが、真実はどちらか。
八 「確認」についての記録は作成していないと外務省は累次答弁しているが、そもそも国民の代表たる衆議院議員からの質問に対する答弁を作成する上で必要な作業について何ら記録する文書を作成せずに、正確な答弁が行えるものなのか。右の外務省の対応は、そもそも質問主意書に対する答弁を行う姿勢として不適切ではないのか。
九 質問主意書に対する答弁書の内容は、閣議に諮られた上で正式に決定されるものと承知するが、「政府答弁書」の内容を福田康夫内閣総理大臣はじめ全閣僚はきちんと読んでいるのか。正確な答弁を行う上での記録も作成しておらず、質問の趣旨から外れた答弁内容を、内閣はいかなる考えから閣議決定したのか。
十 「記述」の中で佐藤優氏は原田局長から白紙領収書の作成を指示された経緯につき、「当初、一等書記官だった原田氏はプレスアタッシェ(報道担当官)をつとめ、日本から外務大臣が訪問する際の同行記者団のアテンドを担当した。同行記者団には幹事がいるが、原田氏から、『大使館の管理班(日本からの来客に対する便宜供与や現地人スタッフの労務管理を担当する班)に行って、大使館の用箋の左上にEmbassy of Japan, Moscow と書かれているレターヘッドの右下に、他人に見られないようにスタンプを押して書類を作ってこい』と命じられた。筆者が『口上書(外交上の公式文書)に用いる文書班が保管する公印でなくていいのですか』と質すと原田氏は『口上書用のスタンプではなく会計班のスタンプにするんだ』と明示的に指示した。
 筆者が指示された通りの書類を作り、封筒に入れて原田氏に渡すと、原田氏はこの封筒の中身を確認し、『これでいいよ。サンキュー』と筆者に告げた後、幹事社の記者に封筒を渡していた。」(講談社「現代」二〇〇六年九月号百八十一頁)と、極めて詳細に原田局長とのやり取りを記している。起訴休職中ではあるが佐藤優氏が現職の外務事務官であり、それなりの覚悟を持って自身が所属している組織の負の部分を公表していると考える時、右の記述の信ぴょう性は高いと考える。原田局長は、本当に右記述にあるような指示を佐藤優氏に下し、白紙領収書の作成を命じたことはないのか、原田局長に対する確認を再度行い、確認に対する文書をきちんと作成した上での正確な答弁を求める。

 右質問する。



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