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平成二十一年六月八日提出
質問第五〇九号

冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する質問主意書

提出者  鈴木宗男




冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する質問主意書


 一九九〇年、栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害されたいわゆる足利事件で容疑者とされ、無期懲役が確定し、服役中だった菅家利和さんが、女児の下着に付着していた体液のDNA型が菅家さんのものとは一致しないとの鑑定結果が出たことを受け、本年六月四日、千葉刑務所から釈放された。右につき麻生太郎内閣総理大臣は、同日夜の首相官邸における記者のぶら下がり取材(以下、「ぶら下がり」という。)において、「冤罪が起きない国にするためには可視化が必要ではないのか」との旨の記者の質問に対して「ぼくは基本的には一概に可視化すれば直ちに冤罪が減るという感じがありません」と答えている。右を踏まえ、質問する。

一 麻生総理は過去に検察による取り調べを受けたことはあるか。
二 冤罪という言葉について、二〇〇七年十月十九日の政府答弁書(内閣衆質一六八第一一一号)では「お尋ねの『冤罪』については、法令上の用語ではなく、様々な意味で用いられることがあるものと承知しており、お尋ねについて一概に答弁することは困難である。」と、それを定義付けるのは困難である旨の答弁がなされている。その一方で、例えば二〇〇七年五月十一日の衆議院法務委員会において当時の長勢甚遠法務大臣は、冤罪について「冤罪という言葉は、いろいろな意味で使われるのかもしれませんが、有罪になった方が実は無罪であったというケースが一般的に冤罪と言われているのではないかと思います。」と述べている。「ぶら下がり」において麻生総理が言う冤罪とは、具体的にどの様な意味を持つものであるのか説明されたい。
三 足利事件において菅家さんが逮捕され、無期懲役が確定したことは、二の冤罪に該当するか。麻生総理の見解如何。
四 現在警察庁、検察庁において、取り調べの一部可視化が実施されていると承知するが、麻生総理として、右の取り調べの可視化が現実にどの様な効果をもたらしているか把握しているか。
五 麻生総理として、取り調べの可視化が直ちに冤罪の減少にはつながらないと認識しているのはなぜか。右の認識は、どの様なデータ、客観的事実に基づいてのものなのか、その具体的根拠を示されたい。
六 菅家さんによると、栃木県警に逮捕された後、同県警の警察官により、髪の毛を引っ張られる、け飛ばされる等の暴行を受け、更には「白状しろ」「早くしゃべって楽になれ」などと言われ、脅しの様な形で自白を強要されたとのことであるが、少なくとも取り調べの全面可視化が実施され、取り調べに当たる警察官の行状が第三者の目にも晒される様になれば、菅家さんが受けた様な非人道的な取り調べを防止することができるのではないか。麻生総理の見解如何。
七 二〇〇二年六月十九日に逮捕され、四百三十七日間勾留された当方は、当方はじめ逮捕された関係者に対する検察官の取り調べの過酷さ、また当方の事件に関連して参考人、証人として呼ばれた人物が、東京地方検察庁特別捜査部より強圧的、誘導的な聴取を受け、検察側にとって都合の良い調書を無理矢理つくらされたことを、自身の経験として知っている。右の経験からも、取り調べの全面可視化は、警察、検察の暴走を抑止し、公正、公平な捜査を実現して冤罪をなくす上で絶対に必要であると考えるが、麻生総理の見解如何。

 右質問する。



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