答弁本文情報
平成二十一年六月十六日受領答弁第五〇九号
内閣衆質一七一第五〇九号
平成二十一年六月十六日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員鈴木宗男君提出冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員鈴木宗男君提出冤罪並びに取り調べの全面可視化に対する麻生太郎内閣総理大臣の見解等に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねについては、内閣総理大臣の職務とは無関係のものであり、お答えは差し控えたい。
政府として、「冤罪」の定義について特定の見解を有しているものではないが、麻生内閣総理大臣は、御指摘の発言において、一般に「冤罪」について、無実の罪、ぬれぎぬ等という意義で用いられることがあるとの趣旨で発言したものと承知している。
政府としては、特定の事件が「冤罪」であるか否かについて特定の見解を有しているものではない。
検察当局においては、裁判員裁判において、自白の任意性に関し、裁判員にも分かりやすく、効果的・効率的な立証を遂げ立証責任を果たすため、裁判員裁判対象事件に関し、検察官の判断と責任において、取調べの機能を損なわない範囲内で、検察官による被疑者の取調べのうち相当と認められる部分の録音・録画を実施しているが、その効果については、自白の任意性を裁判員にも分かりやすく、かつ効果的・効率的に立証するために有用である一方、録音・録画が取調べの真相解明機能に影響を及ぼす場合があることから、録音・録画の実施に当たっては、真相解明の観点から十分な慎重さを要すると評価しているものと承知している。
一般に、検察当局においては、必要な捜査を尽くし、収集し得た証拠を総合的に検討して被告人を起訴し、裁判所においても、慎重な審理を尽くした上で有罪判決を言い渡しているものと承知しており、御指摘の点と取調べの全過程について録音・録画を義務付けることとの関連については、承知していない。
取調べの全過程について録音・録画を義務付けることについては、これまで累次の質問主意書に対する答弁書で述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えている。
なお、政府としては、御指摘のような事実は把握していない。
お尋ねは、個別の事件に関する事柄であり、また、裁判所において認定されていない事実を前提にした質問であるので、お答えを差し控えるが、一般に、取調べの全過程について録音・録画を義務付けることについては、これまで累次の質問主意書に対する答弁書で述べたとおり種々の問題があるので、慎重な検討が必要であると考えている。