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平成二十二年八月二日提出
質問第一三号

薬物依存症者の治療・社会復帰の支援の充実強化に関する質問主意書

提出者  塩川鉄也




薬物依存症者の治療・社会復帰の支援の充実強化に関する質問主意書


 近年、大学生の大麻事件や有名人による薬物乱用がマスコミをにぎわせ、いまや薬物汚染は広く地域に拡大をつづけ、深刻な社会問題となっている。とりわけ薬物事犯の再犯率は五〜六割と高く、薬物依存症を一人では回復の困難な「病気」と認め、回復・治療プログラムや精神科的対応など薬物依存症者への本腰を入れる支援が必要である。
 そのような中政府は、一昨年「第三次薬物乱用防止五か年戦略」をとりまとめ、さらに今年七月、「薬物乱用防止戦略加速化プラン」(以下、「加速化プラン」とする)を具体化した。そこで「目標2 薬物依存・中毒者の治療・社会復帰の支援及び家族への支援の充実強化による再乱用防止の推進」に関わって、以下のとおり質問する。

一 「薬物依存者の再犯防止を図るため、:(略):『刑の一部の執行猶予制度』の導入に努める。」(「加速化プラン」)としていることは、“刑事罰を与えるだけの現在のやり方ではなく、回復への手立てをとること”を求めてきた薬物依存症者やその家族の要望に一定程度応える法改定とも言える。しかし、広がった執行猶予期間の受け皿が不十分なままで実施されれば、より再犯率が増加することになりかねない。一部執行猶予の対象となる薬物使用者に対しては特に薬物依存症からの回復のための手立てを図る必要があると考えるが、政府の見解は如何か。
二 法務省は、法制審議会第百六十二回会議(平成二十二年二月二十四日開催)にあげられた要綱(骨子)案の中で、「刑の一部の執行猶予制度」及び「社会貢献活動を特別遵守事項とする制度」をあげているが、社会貢献活動の具体的な内容はどのようなものを考えているのか。また、薬物依存症者が再犯に陥らないためには、社会貢献活動を行わせる一方で地域での継続された治療回復プログラムの実施が必要であると考えるが、政府の見解は如何か。
三 「薬物事犯で検挙された者に対して、再乱用防止につながる対策を強化することとし、そのための民間団体の活動支援や関係機関間の連携に努める。」(「加速化プラン」)としているが、対象として想定している民間団体とは何か。また、具体的活動支援としてどのようなことを予定しているのか。
四 「薬物事犯容疑の未決拘禁者に対して、:(略):、貸与する書籍等の中に薬物乱用防止に関する資料等を含める等、」(「加速化プラン」)とあるが、資料の提供にとどまらず、薬物依存症の治療・回復に関するプログラムにつなげるような情報の提供や、回復者等のメッセージを取り入れる等、より積極的な介入が必要であると考えるが、この点について政府の見解を示されよ。
五 「薬物依存離脱指導を:(略):、それ以外の者についても、同指導の実施率を向上させる」(「加速化プラン」)としているが、薬物依存離脱指導の対象を、薬物事犯者のみではなく、窃盗や傷害などで逮捕された者でも薬物使用が背景にある場合は薬物依存離脱指導の対象とする必要があると考えるが如何か。
六 「保護観察所において、:(略):引受人会を積極的に開催し、」(「加速化プラン」)としているが、全国五十保護観察所の内、引受人会を実施している保護観察所は平成二十年度には十四保護観察所にすぎない。現在、各保護観察所に引受人会の設置は義務付けているのか。また、開催回数や開催内容についての国の指導はどのようになっているか。今後「積極的に開催」としているが、どのような取り組みを具体的に考えているのか。
七 「公共職業安定所等の関係機関と連携し、」(「加速化プラン」)とあるが、公共職業安定所以外どのような機関との連携を考えているのか。また、平成二十一年度厚生労働省社会福祉推進事業として取り組まれた「都道府県地域生活定着支援センター」は薬物事犯者の受け皿としても大変有効なセンターと考える。同センターの拡充とともに、薬物事犯者の積極的な受け入れを求めたいが如何か。
八 「地域における薬物等依存症対策を推進するため、:(略):『地域依存症対策推進モデル事業』を積極的に進める。」(「加速化プラン」)としているが、現在行われているモデル事業は平成二十三年で終結される予定であり、今後新たなモデル事業の実施にあたっては、民間も実施主体とするなど幅広い活動も採用できるよう柔軟な対応を求めたいが如何か。また、モデル事業実施後有効なものは都道府県等を対象とした恒常的な事業として実施できるよう予算措置等を講じていくことが必要だと思うが、その点についてはどう取り組もうとしているのか。
九 国立精神・神経医療研究センターが中心に行っているSMARPP等のプログラムについて、国はその普及をどう考えているのか。
十 平成二十二年度新規事業として依存症回復施設職員研修事業に五百万円の予算が計上されているが、その実施状況は如何か。
十一 就労支援、社会貢献活動の支援に関し、薬物問題に起因する犯罪者が執行猶予を受けて、社会の中で更生しようとする場合、第一に依存症の治療回復を図ることが持続的な就労や有効な社会貢献の前提となる。そのためには受け皿となる治療回復施設の創設、拡充が必須条件になると思うが、その目標と具体的手段についてどのように考えているか。
十二 「薬物依存の理解を深める資料・教材の配布、薬物乱用対策推進会議のホームページの拡充等」(「加速化プラン」)を行うとあるが、配布部数や配布場所、ホームページのアクセス数などの状況、効果についての評価は如何か。また、薬物依存の理解を深めるための情報提供の推進として、例えば広く市民が参加できるようなシンポジウムの開催など、より積極的な取り組みが必要と考えるが、政府の見解は如何か。
十三 厚生労働科学研究費補助金障害者総合対策研究事業「薬物依存者・アルコール依存者の自殺の実態解明と自殺予防に関する研究」によると、海外では薬物依存症者の自殺リスクが非常に高いことが指摘されており、わが国にも薬物依存症者では、自殺企図歴を持つ者が非常に高率に認められることが明らかにされている。民間回復施設の中でも自殺問題は深刻である。また最近では、処方された向精神薬の乱用・依存が自殺行動に無視できない影響を与えていることを示唆する調査結果も出ている。これらの実態をどのようにとらえ評価しているのか。また、その具体的対応は如何か。

 右質問する。



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