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平成二十二年十月十五日提出
質問第五七号

検察庁による報道機関への情報の漏洩等に関する再質問主意書

提出者  浅野貴博




検察庁による報道機関への情報の漏洩等に関する再質問主意書


 障害者団体等を対象とした低料金の第三種郵便物制度に係る文書を偽造し、実態のない自称障害者団体「凛の会」に同制度を悪用させたとして、厚生労働省の上村勉元担当係長が昨年逮捕された。右の事件に絡み、文書偽造を上村元係長に指示したとして、昨年六月に逮捕された村木厚子元同省雇用均等・児童家庭局長の公判が本年九月十日に行われ、無罪判決が下された。右に関し、村木元局長の取調べを担当していた大阪地方検察庁特別捜査部の前田恒彦主任検事が、証拠として押収したフロッピーディスクを改竄したとして、同月二十一日、最高検察庁に逮捕された。右と「前回答弁書」(内閣衆質一七六第一〇号)を踏まえ、再質問する。

一 検察庁による情報のリーク(以下、「リーク」という。)に関し、例えば逮捕された容疑者が自身にかけられた容疑についてどの様な供述をしているか、またその供述の結果、何らかの新たな容疑が見つかったか、更には別の人物が容疑者として浮上したか、ある人物に対して任意の事情聴取が行われる予定であるか等、ある刑事事件の捜査がどの様に推移しているかに関する情報を検察庁が新聞社等の各報道機関(以下、「マスコミ」という。)に流すことと定義する。「リーク」に関し、前回質問主意書で、菅直人内閣として、「リーク」の有無についてどの様な見解を有しているか、また本年九月二十一日、朝日新聞だけが朝刊で前田容疑者による改竄を報じていたが、前田容疑者による改竄に関し、大阪地検特捜部または検察庁より、「マスコミ」に対して「リーク」がなされた事実はあるか、またその様な事実がないか、柳田稔法務大臣として、同特捜部または同庁を調査する考えはあるか、更には、本年十月八日発売号の週刊朝日の二十四頁から二十五頁にかけて、「『冤罪救助請負人』緊急対談 『村木さんの事件は例外じゃない。鈴木宗男さんも本当なら無罪だ』」との見出しで、弁護士の弘中惇一郎氏、佐藤博史氏による対談記事(以下、「対談記事」という。)が掲載されており、その中に「弘中 メディアと特捜部は似ているんですよ。自分たちを正義だと思っていて、真相というものがあると信じ込んでいる。だから、被疑者は極悪であるというストーリーを描いてしまう。都合の良い部分は膨らませ、悪い部分は使わない、わかりやすい話にしてしまうのです。そうした性格が似ているものだから、検察からリークを受けると喜んで書いてしまう。」という記述があるが、右にあるように、検察側から「マスコミ」に対して「リーク」がなされることはあるのか、あるのなら、どのような場合に限り、「リーク」がなされるのか、またその際の法令上の根拠は何か等と問うたところ、「前回答弁書」では「御指摘の記事については承知しているが、一般論として申し上げれば、検察当局においては、従来から、捜査上の秘密の保持について格別の配慮を払ってきたものであり、捜査情報や捜査方針を外部に漏らすことはないものと承知しており、御指摘の調査を行うことは考えていない。」との答弁がなされている。しかし当方は、「一般論」について問うているのではない。当方は前田容疑者に係る朝日新聞単独の報道という特定の事案について問うているところ、それぞれについて再度答弁を求める。
二 一で触れたように、九月二十一日、朝日新聞だけが朝刊で前田容疑者による改竄を報道することが出来たのはなぜか、その理由について柳田大臣はどのような見解を有しているか明らかにされたい。
三 前回質問主意書で、柳田大臣として、「対談記事」が虚偽の内容を掲載しているならば、検察庁、ひいては柳田大臣として、週刊朝日または弘中氏に対して抗議をする考えはあるか、抗議する考えがないのなら、それはなぜか等と問うたところ、「前回答弁書」では「一般論として申し上げれば、検察当局においては、事件報道の重要性を理解し、報道機関の報道の自由を十分に尊重しながら、例えば、検察当局が特定の事件について関係箇所を捜索する予定であることを報道するなど、捜査・公判の遂行に支障を生じさせるおそれがある取材や報道等がなされた場合には、必要に応じて抗議するなどの対処をしているものと承知している。」との答弁がなされている。しかし当方は、「一般論」について問うているのではない。当方は「対談記事」という特定の事案について問うているところ、再度答弁を求める。
四 三で触れたように、過去に「検察当局が特定の事件について関係箇所を捜索する予定であることを報道するなど、捜査・公判の遂行に支障を生じさせるおそれがある取材や報道等がなされた場合」はあったか。あったのなら、その具体的事例を挙げられたい。
五 検察庁として、四の事例に対し、「必要に応じて抗議するなどの対処」をしているか。しているのなら、その具体的な対処の内容を説明されたい。

 右質問する。



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