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平成二十二年十月十九日提出
質問第七〇号

リニア中央新幹線計画に関する質問主意書

提出者  中島隆利




リニア中央新幹線計画に関する質問主意書


 リニア中央新幹線計画については、現在、交通政策審議会において、事業者としてJR東海が計画を報告し、議論がなされているものと承知する。この計画は建設・運営上の財政的な問題、国のエネルギー政策あるいは利用者の安全、沿線の環境に与える影響等について、広く国民、沿線住民、利用者に対し、オープンにして検討されるべきものと考える。しかし審議会での報告は、沿線住民等が十分に納得できる内容には至っていないとの指摘が存在する。
 例えばエネルギーの問題では、リニア新幹線は電力消費量が現行の新幹線の数倍必要になるとの指摘が有識者からなされている。新たな発電所の建設が必要になるほどの電力となるのかどうか、エネルギー供給の検討の基礎となる資料が公開されていない。そのほかの環境問題、電磁波問題、経営上の財政問題などにおいても事業者側は情報をオープンにし、広範な議論に付すべき義務があると考える。事業者はそれらについてもこの事業を始める前に国土交通省に報告せねばならないはずであり、また、国土交通省は国民の前にこれらを明らかにし、検証を受けつつ理解を求める必要があると考える。
 これらを踏まえ、リニア中央新幹線計画について以下質問する。

一 事業者の計画・情報について
 (1) 現在走行実験しているリニア山梨実験線の電力使用量に基づいた計算値ならびに一編成の場合、東京−大阪間の路線で全編成が一日走行した場合の電力使用総量について明らかにされたい。また、ピーク電力、平均電力の総量等、想定される電力使用量の詳細を明らかにしていただきたい。
 (2) JR東海は自社で発電所、送電線、電力設備を所有しているものと承知するが、リニア中央新幹線についてその電力はJR東海で調達するのか、あるいは電力会社から供給を受けるのか。その割合と詳細について実用線に即した計画を明らかにしていただきたい。
 (3) リニア山梨実験線において運転中のリニア車両の電磁界について、座席、通路など乗客の利用箇所での計測値を、強度と周波数の両方について、また、走行中の磁場の周波数の変動について、それぞれの速度に応じた数値を示していただきたい。実用線において変化が想定される場合は、その数値も明らかにされたい。また、リニアの駅のホームにおいて、線路際から近い位置の車両がある場合とない場合の電磁界の数値を明らかにしていただきたい。さらに、実験線の乗務員の健康調査は行ったのかどうか。行っている場合には、その結果を明らかにしていただきたい。
 (4) 国からの依頼、または独自で事業者は環境に与える影響について調査を実施しているか。実施している場合には、その結果を明らかにしていただきたい。また、今後、調査の予定があれば、その内容を明らかにしていただきたい。
 (5) JR東海の発表では南アルプスを貫通するルートが有力となっているようであるが、ここにトンネルを掘った場合、以下の点について概要を明らかにされたい。
  @ トンネル掘削の工法と工期について
  A 自然生態系への影響について(廃土処理の問題を含む)
  B 地下水や河川への影響について
  C トンネル掘削や工事用道路建設などの工事に伴う廃土の総量。またその処理計画について
 (6) 中央構造線のV字谷において、リニアのルート付近(明かり部分)に存在する崩落地(長野県大鹿村の一帯)の危険性についてどのようにとらえているか。その対策にかかる費用をどのように見積もっているか。その費用は公表された建設費に含まれているか。
 (7) 大深度地下で万一事故が起きた際、それに備えた救出路を含む対策はどのように計画されているか。また、想定される東海大地震をはじめとして大地震が起こった場合、以下の点についてどのような対策を講じるのかを明らかにされたい。同時に、現行の新幹線と比較してどれだけの違いがあると想定しているのかを、具体的に数値で示していただきたい。
  @ ガイドウエイの破壊などによって起こされる事故のリスク
  A 制動距離、制動時間が事故に及ぼす影響
  B 事故が起きた場合の人命への危険性
  C ガイドウエイなどの補修に要する時間
 (8) 南アルプス貫通ルートでは建設費が五兆一千億円と見込まれるが、ガイドウエイ費、電力システム費、用地費、軌道構造物工事費、大深度地下工事費、南アルプストンネル工事費など、その他、細目別の内訳を開示していただきたい。全体の建設費が増額された場合、最大でどの程度の額が見込まれているか。また、その場合、採算の可能性はどうなるかを明らかにされたい。
 (9) 前項に関連し、建設費が増額となる可能性がある場合、その要因は何か。また、その対策費として、予備費はどれくらいを見込んでいるか。JR東海が現状で抱えることのできる債務限度としての五兆円の中には、建設中の金利が含まれていないのではないか。
 (10) 建設費が増額となった場合、それはすべて事業者が負担するのか。
二 国土交通省のリニア中央新幹線に対する見解について
 (1) 事業者が建設費用を負担不能の場合、あるいは開業後に赤字経営に陥った場合に国からの財政負担・支援はあり得るのか。
 (2) リニア中央新幹線がもたらす地方への経済効果をどのように考えているか。ストロー効果によってむしろ地方が衰退する可能性はないのか。
 (3) 事業者の報告とは別に、国土交通省が市場調査等によって独自の需要予測を行うのか。
 (4) 事業者の現時点における国民に対しての情報公開のレベルをどう捉えているのか。十分なものだと考えているか。
 (5) 事業者は「中間駅はつくりたくない、負担はNO」という考え方に立つものと見受けられるが、この考え方を国土交通省はどう評価するか。
 (6) リニア鉄道を海外に売り込む計画がある旨の報道に接したが、関心を示している国、または業界はあるか。あれば具体的に例示していただきたい。また、ないのであれば、その理由を例えばJR東日本やJR西日本に尋ねたことがあるか。
 (7) 将来、リニアを新たな高速鉄道として全国に伸ばしていく計画、またはビジョンはあるか。
 (8) リニアが中央新幹線だけとなった場合、新幹線ネットワークと分断されたリニアをこの区間だけに導入する意義はどのようなものか。
 (9) ドイツではリニア実用線を断念したが、その理由とそれを克服できる日本での計画の違いについてどのように考えているか。
 (10) 国土交通省としては、リニア方式であるかは別として、中央新幹線が新たに必要であると判断したのか。その際、人口の減少や経済成長の鈍化などはどのように勘案したのか。
 (11) 中間駅の建設費について、国または地方で負担する制度を今後定着させる考えはあるか。
 (12) 環境影響評価は、事業者によるものだけで十分と考えるか。国として実施する考えはあるか。
 (13) これまでの質問事項も含め、沿線住民や有識者等から、事業者の情報やデータについて不十分との指摘があった場合、国土交通省が事業者に詳細な情報、データの公開を促すことはあり得るか。

 右質問する。



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