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平成二十二年十一月二日提出
質問第一二二号

利根川の洪水流量計算に関する質問主意書

提出者  中島隆利




利根川の洪水流量計算に関する質問主意書


 利根川の基本高水流量の科学的な根拠が大きく揺らいでいる。その計算資料が不明で、算出過程が定かではないこと、現在の森林の保水力を反映しない過小の飽和雨量を使って過大な洪水流量が算出されていることなどが明らかになってきている。国土交通省はその関係資料をすべて公開して、第三者が基本高水流量を検証できるようにすべきであるにもかかわらず、その検証に必要な流域分割図と流出モデル図の公開を頑なに拒否している。さらに、国土交通省による利根川の洪水流量の計算は、基本高水流量の算出以外で幾度も行われてきているが、計算結果が異なることがあり、利根川の洪水流量の計算は不明な点が多々ある。国土交通省による利根川洪水流量の計算の真相を明らかにするため、以下の質問を行うので、真摯に答えられたい。

一 国土交通大臣は今年十月十五日の会見で、利根川の流出計算で使用された「流域分割図」や「流出モデル図」は構想段階の洪水調節施設の建設予定地点を推定できるもので、反社会的な勢力によって土地の買い占め等、不当に国民の間に混乱を生じさせるような状況が起きうる可能性があることから公表できないと述べている。しかし、利根川上流においては八ッ場ダムよりあとのダム計画が存在しない。かつてあった川古ダム、戸倉ダム、平川ダム、栗原川ダムの計画は中止されており、新政権のもとにダム事業の見直しが進められている状況において、利根川上流では今後とも新たなダム計画が策定されることはない。流域分割図に示されているダム予定地はかつての古い計画によるもので、現在は「幻のダム」になっているのであるから、流域分割図を公表しても、国民の間で混乱が起きるはずがない。国民の間に混乱を生じるというのは、流域分割図を開示しないための口実ではないかとの指摘すら存在する。以上の事実を踏まえ、流域分割図と流出モデル図を公開すべきであると考えられるが、これについて政府の見解を明らかにされたい。
二 関連し、旧建設省の河川局が監修した「二訂 建設省河川砂防技術基準(案)調査編」(昭和六十一年八月一日発行)の百二十二ページには、貯留関数法の計算例題として、利根川上流の流域分割図と流出モデル図が示されている。これは二十三分割流域図であって、基本高水流量の計算に使用された五十四分割流域図ではないが、その中に、かつてダム計画があった山口ダム、跡倉ダムの位置が記されている。これらの二ダムは「幻のダム」になっており、この「基準(案)」が昭和六十一年に発行されたけれども、その予定地で何の混乱も起きていない。この事実を踏まえれば、基本高水流量の計算に使用した流域分割図を公開することは何も問題がないと考えられるが、このことについて政府の見解を示されたい。
三 昭和五十五年の利根川水系工事実施基本計画の策定の際に作成された基本高水流量の計算資料が存在しないとのことであるが、一方では、平成十七年十二月六日の河川整備基本方針検討小委員会の資料では、利根川の基本高水流量を求めた貯留関数法モデルで昭和三十三年洪水、昭和五十七年洪水、平成十年洪水について再現計算を行ったグラフが示されている。この三洪水の計算を行ったのはそれぞれ何年度のことかを明らかにされたい。また、昭和五十七年洪水、平成十年洪水の再現計算は近年のことであるが、その計算に使った貯留関数法モデルの資料はどのような形で保存されていたのかを明らかにされたい。昭和五十五年の基本高水流量計算資料が存在しないにもかかわらず、一方で、その時に使った同じモデルで再現計算が行われている。併せて、昭和五十五年の基本高水流量計算資料の記載事項のうち、何が保存され、何が行方不明になっているのかを明らかにされたい。
四 関東地方整備局が、平成十七年三月発表の「利根川水系利根川浸水想定区域図」の作成に使用したカスリーン台風洪水再来計算における八斗島地点の流量計算と、基本高水流量を求めたときのカスリーン台風洪水再来計算とはどこが違うのか、計算条件の相違点を具体的に述べられたい。また、貯留関数法の流域分割数、流域定数(K、P、遅滞時間、一次流出率、飽和雨量)と河道定数(K、P、遅滞時間)において前者と後者の違いがあれば、前者の数字を示されたい。さらに、前者の八斗島地点のピーク流量の計算結果を示されたい。
五 関東地方整備局が平成十八年七月にも「利根川水系利根川浸水想定区域図」を発表している。その浸水想定区域図の作成に使用したカスリーン台風洪水再来における八斗島地点の流量計算と、基本高水流量を求めたときのカスリーン台風洪水再来計算とはどこが違うのか、計算条件の相違点を具体的に述べられたい。また、貯留関数法の流域分割数、流域定数(K、P、遅滞時間、一次流出率、飽和雨量)と河道定数(K、P、遅滞時間)において前者と後者の違いがあれば、前者の数字を示されたい。さらに、前者の八斗島地点のピーク流量の計算結果を示されたい。
六 平成二十一年二月二十四日の関東地方整備局事業評価監視委員会に提出された八ッ場ダム事業再評価資料において八ッ場ダムの洪水調節便益を求めるため、利根川の洪水流量計算がされている。その中で、八ッ場ダムありとなしの両ケースを想定し、代表十洪水の一つとして昭和二十二年九月十三日洪水(カスリーン台風)を取り上げ、二百分の一規模の場合の利根川八斗島地点の洪水流量についても計算が行われている。この計算と、基本高水流量を求めたときのカスリーン台風洪水再来計算とはどこが違うのか、計算条件の相違点を具体的に述べられたい。また、貯留関数法の流域分割数、流域定数(K、P、遅滞時間、一次流出率、飽和雨量)と河道定数(K、P、遅滞時間)において前者と後者の違いがあれば、前者の数字を示されたい。さらに、前者の八斗島地点のピーク流量の計算結果を示されたい。
七 平成二十二年四月二日の中央防災会議「大規模水害対策に関する専門調査会」に提出された資料では、二百分の一規模洪水としてカスリーン台風洪水が再来した場合の利根川の氾濫計算も行われている。この計算における八斗島地点の流量計算と、基本高水流量を求めたときのカスリーン台風洪水再来計算とはどこが違うのか、計算条件の相違点を具体的に述べられたい。また、貯留関数法の流域分割数、流域定数(K、P、遅滞時間、一次流出率、飽和雨量)と河道定数(K、P、遅滞時間)において前者と後者の違いがあれば、前者の数字を示されたい。さらに、前者の八斗島地点のピーク流量の計算結果を示されたい。

 右質問する。



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