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平成二十八年五月二十七日提出
質問第三〇八号

辺野古海上警備請負業務に関する再質問主意書

提出者  仲里利信




辺野古海上警備請負業務に関する再質問主意書


 辺野古海上警備請負業務に関しては、平成二十八年五月十七日付け質問主意書第二七七号で質問を行い、五月二十七日付けで答弁を得たところである。
 その際の質問では、政府がライジングサンセキュリティーサービスに発注し、同社がマリンセキュリティーに下請け発注した契約金額や、雇用の実態、不当労働行為に対する対処策、業務契約のあり方、表現の自由に対する侵害の状況等について、質問と指摘をそれぞれ行ったところであるが、いずれの質問に対しても個別の企業に関わるとか、今後の警備に支障を及ぼす恐れがあるとかの理由を述べて質問に全く答えようとしていない。また質問の趣旨を意図的にはぐらかして一般論を述べるに留めるなど、到底誠意が感ぜられる答弁内容とはなっていない。
 そこで再度以下お尋ねする。

一 政府が発注し、請負契約に基づいて下請け承認を行った下請け企業の受注状況が把握できる資料は、公の契約に基づく資料であることから、国民へ開示する義務があるはずである。国民の知る権利を損なってまで、個人企業の公の契約状況を明らかにしない理由は何か。
二 そもそも今回の事件の発端は、マリンセキュリティーの不当労働行為である。その実態と問題点等を把握するための資料は、公の契約に基づく資料であることから、国民へ開示する義務があるはずである。国民の知る権利を損なってまで、個人企業の公の契約状況を明らかにしない理由は何か。
三 本職の質問に対して、政府は「防衛省が受注者に対し、契約関係書類において、労働基準法を含む関係法令の遵守を定めている」との一般論を述べるにとどめている。しかし、受注者が防衛省の承認を受けて下請けさせたマリンセキュリティーが明らかに労働基準法を含む関係法令に違反し、労働基準監督署から是正の勧告を受けていることから、政府として同社に対してどのような処分を行う考えなのか、政府として調査を行う考えはないか、それぞれ明らかにされたいとの質問を行っているところである。改めて、政府の考えを明らかにするよう求める。
四 本職の質問に対して、政府は「厚生労働省としては、これまでもその遵守徹底を図ってきた」と答弁する。それならば、同省が実施してきた「労働基準法の遵守徹底」及び「事業場に対する監督指導等」の具体的内容等について政府の承知するところを明らかにした上で、同省が実施してきたのにもかかわらず労働基準法等関係法令に違反する事案が発生した原因について政府の見解を答えられたい。
五 本職の質問に対して、政府は「労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の不足分や追徴金を徴収する」と答弁する。それならば、マリンセキュリティーに対して「労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険及び厚生年金保険の不足分や追徴金」が生じているか否かについて政府の承知するところを明らかにした上で、生じている場合に政府が行うべき対処策について答えられたい。
六 本職の質問に対して、政府は「警備内容を明らかにすることは、今後の警備に支障を及ぼす恐れがあることから、答えを差し控えたい」と答弁する。そうであるならば、明らかにされることにより今後の警備に支障が生じる警備内容とは一体何なのか、支障とはどのようなものかについて政府の承知するところを明らかにした上で、国民の知る権利を損なってまで秘密にすべき内容なのか否かについて政府の見解を答えられたい。
七 沖縄防衛局は、シュワブ(H27)海上警備業務((その2)においても同様)の発注に際して作成した「業務特記仕様書」において、「6.一般指示事項」中、「(11)警備員は、過去一か年間に個人情報保護法の研修又は教育を受講しているものとする」との条件を付している。この条件は本来警備とは無縁の内容である。一体なぜこのような条件をあえて付したのか、その真意が極めて不可解であるし、そして、これにより何を達成しようとしたのか、理解が困難である。これらのことについて政府の承知するところを明らかにした上で、警備業務に個人情報保護法の研修を義務付けることに対する政府の見解を答えられたい。
八 会計検査院は、国家予算の適正な執行等についての調査等をその職責としているが、その調査等に当たっては、契約内容を厳密に規定し、権利義務等を明らかにすべき契約書や設計図書(業務特記仕様書を含む)等において、請負業務内容を始めとする各規定が会計法等関係する諸法令に照らして適正に表現、位置付けられているか否かを検査・点検し、記載漏れや内容の不備があれば契約要件を満たしていないものとして、是正を求めたり、不適切な執行として国会に報告したりするものと承知しているが、政府の認識はどうか。
九 質問八に関連して、沖縄防衛局が平成二十七年度に発注した「シュワブ(H27)海上警備業務」及び「シュワブ(H27)海上警備業務(その2)」の二件の請負業務に対して、会計検査院の検査は行われたのか、その検査結果はどうであったのか、行われていないのであれば、行う考えはあるか、などについて政府の承知しているところを明らかにした上で、当該二件に対する検査結果若しくは検査を今後実施することについて政府の見解を答えられたい。
十 沖縄防衛局長は、五月十六日の面談において、「丸投げではないか」との指摘を受けた海上警備請負業務について、「業務を一部再委託している」との答弁をおうむ返しに繰り返した。そのため、本職は、再委託の内容等が把握できる資料として契約書や業務特記仕様書、設計図書、見積書等関係書類の提供を求めた。しかし、政府から提出された業務委託契約書では、「1業務の名称」と第一条の総則で「契約書及び設計図書を内容とする業務」、「契約書記載の業務」とあるだけで、業務の内容については全く記載されていない。また提出された業務特記仕様書においては、同様に、単に「6.海上警備業務」で「必要な警備」とのみ記載されているだけで、内容には全く触れられていない。これでは再委託に関する義務や権利関係を規定すべき契約書及び特記仕様書の体を成しておらず、不備と言わざるを得ないが、政府の承知するところを明らかにした上で、当該契約における再委託の適正性について政府の見解を答えられたい。
十一 質問八〜同十に関連して、前述の二件の請負業務の契約書や設計図書(業務特記仕様書を含む)においては、海上警備業務の業務内容が単に「必要な警備を実施する」とのみ記載されているだけである。また、海上警備業務に必要な警備及び装具、警備用船艇に搭載する使用機材についても全く記述されていない。このような内容では契約書や設計図書の体を成しておらず、不適切な契約・執行として指摘や是正を行うべきであると思われるが、政府の承知するところを明らかにした上で、当該契約の適正性について政府の見解を答えられたい。
十二 業務委託契約書第五条において、再委託の禁止と例外となる承諾について規定されている。そのため、本職は再委託の手続きの有無と承諾の理由、内容等について照会したところ、未だに明確な説明が行われていない。なぜ原則禁止の再委託を承認した際の理由とその内容を開示、説明できないのか、その理由について政府の承知するところを明らかにした上で、国民の知る権利保護の観点から契約書上の諸手続きを公表すべきか否かについて政府の見解を答えられたい。
十三 シュワブ(H27)海上警備業務の予定価格に対する落札率が九十九.五%、シュワブ(H27)海上警備業務(その2)の予定価格に対する落札率が九十九.九%と極めて異常な落札率となっている。しかし、一社からの見積もりに基づく予定価格の設定と、見積もりを徴した一社のみの入札参加及び応札からすればさもありなん、官製談合の典型だと言われても仕方がないところである。しかし、政府は「会計法規にのっとって適正である」とし、また一社のみの見積もりでもって予定価格を設定した根拠として「予算決算及び会計令第八十条第二項に基づく」ものであるとしている。ところが同条項は予定価格の決定方法として、単に「予定価格は、契約の目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない」としているだけであり、一社のみの見積もりでもって予定価格を設定することの根拠規定とはなり得ないものである。このような事実関係について政府の承知するところを明らかにした上で、当該落札の適正性と一社のみの見積もりでもって予定価格の設定根拠としたことの是非について政府の見解を答えられたい。
十四 辺野古海上警備請負業務は、その契約書や設計図書(業務特記仕様書を含む)を点検したところ、何ら特別な内容が含まれていない。よって特定の業者のみが行うことができる特殊な業務ではないことは明らかである。なぜ政府がライジングサンセキュリティーサービスやマリンセキュリティーに固執、執着するのかその真意が不明である。政府の釈明と見解を伺う。
十五 本職は、政府関係機関に辺野古海上警備請負業務に関する資料の提供と説明を求めたところ、散々待たされた挙句にようやく提供された資料は、いずれも大部分がマジックで黒塗りされて判読が不可能なものであった。また、説明も極めて不十分であり、担当職員が十分な知識と意欲に欠けているのではないかと言わざるを得ないものである。これは議員の質問権を損なうものであり、誠に遺憾である。政府の認識を伺う。

 右質問する。



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