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平成二十八年九月二十九日提出
質問第二四号

「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問主意書

提出者  奥野総一郎




「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」に関する質問主意書


 平成二十八年七月、天皇陛下が退位の御意向を示されているとの報道がなされ、同年八月には、陛下が「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」を述べられた。さらに九月には、政府において「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を開催することが決定された。
 そこで、以下質問する。

一 「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の「等」について
 1 具体的に何を示すのか。
 2 平成二十八年九月二十三日午前の記者会見において菅義偉内閣官房長官は同会議について、「退位の問題も含めて予断を持つことなく議論をしていただく」旨述べているが、「等」には「退位」が含まれるのか。
二 一の2の記者会見において官房長官が述べた「退位」の定義は何か。「譲位」とは異なるのか。
三 これまで退位を認めない理由として「天皇のそういう象徴たる地位から考えまして、御自分の発意でその地位を退かれるということは、やはりその地位と矛盾するのではないか」(林修三内閣法制局長官:昭和三十四年二月六日衆議院内閣委員会)との政府答弁があるが、日本国憲法第一条の解釈として「御自分の発意」による退位は認められるのか。
四 昭和四十六年三月十日の衆議院内閣委員会における高辻正巳内閣法制局長官(当時)の「憲法の第二条の、皇位は『国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。』という規定を受けまして皇室典範があって、これもご指摘のとおり第四条『天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する』ということで、退位の御自由がないというのが現行の憲法及び法律のたてまえであります。」との答弁に関して
 1 右答弁によれば、「退位」が現行制度上認められていない法的根拠は、皇室典範(昭和二十二年一月十六日法律第三号)第四条の解釈によるとされている。現在も、この解釈が維持されているのか。
 2 右答弁は、皇室典範第四条を改正することで「退位」は可能となるという理解でよいか。
五 退位に関して定める法的措置の在り方について
 1 「政府は将来の退位を強くにじませた天皇陛下のお気持ち表明を受けて、いまの天皇陛下に限って生前退位を可能とする特別措置法を整備する方向で検討に入った。」との報道(朝日新聞平成二十八年九月七日)は事実か。
 2 「退位」は憲法第二条の「継承」のきっかけとなるものである。したがって、「退位」は憲法第二条に定める「皇室典範」の定めによらなければならないと解釈されるのではないか。憲法第二条の解釈を伺いたい。
 3 憲法第二条に定める「皇室典範」の定義は何か。現行の「皇室典範」以外に、退位に関する事項を新規の特別措置法として立法した場合、当該特別措置法を憲法第二条に定める「皇室典範」と解することは可能か。
六 皇室典範第十一条第二項における皇籍離脱の規定について
 1 同条同項は、「親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。」と規定し、皇太子及び皇太孫の皇籍離脱を認めていない。この趣旨は何か。
 2 皇太子及び皇太孫が不在の場合、皇位継承順位第一位となる皇族は、同条同項の条文上は皇籍離脱でき得ることとなる。仮に同条同項の趣旨が「皇位継承順位第一位の者が皇籍離脱することを認めない」(同旨「皇室法概論」園部逸夫著)であるならば、規定の趣旨に合致しないこととなり、制度の不備ではないか。
七 「退位」が可能であるとして、「退位」された天皇の身分と呼び名、敬称はどこに定めを置くのか。現行の皇室典範をあわせて改正しておくべきではないのか。
八 「退位」については、五及び六のような規定の整備も含め、「皇室典範」(昭和二十二年一月十六日法律第三号)の改正によるべきではないのか。

 右質問する。



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