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平成二十九年十二月五日提出
質問第八一号

民法第七百七十四条の夫による子の嫡出否認の規定に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




民法第七百七十四条の夫による子の嫡出否認の規定に関する質問主意書


 民法第七百七十二条では「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」ものの、民法第七百七十四条で、「第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる」と示されている。
 平成二十九年十一月二十九日、生まれた子と夫の間に父子関係がないとする嫡出否認の訴えを夫しか起こせない民法の同規定は男女平等などを定めた日本国憲法第十四条第一項に違反すると主張する訴えに対して、神戸地方裁判所は、「憲法十四条一項に違反しない」との判断(平成二十八年(ワ)第一六五三号 損害賠償請求事件)を示した。
 もっとも神戸地方裁判所は、「妻がその子を懐胎すべき時期に、既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ」ていたことなどが「明らかであるなどの事情が存在する場合には、当該子は実質的には嫡出推定を受けず、親子関係不存在確認訴訟を提起して、父子関係を争うことができる等、嫡出推定には例外がある」、「このような例外の存在に鑑みると、妻に一定の制約の下で、嫡出否認の訴えの提起を認めることは選択肢の一つとなり得ると考えられる」と示し、「生物学上の父による認知が得られることを要件として妻に嫡出否認の訴えを提起することを認める等、要件設定次第では、子の利益の保護に欠けることがない制度を構築することは不可能とはいえない」と示した。さらに、「このような補完的な制度の設置により」「無戸籍となる事態を防止する余地がある」と指摘している。
 このような神戸地方裁判所の判断を踏まえて、政府の方針を確認したいので、以下質問する。

一 現在、「母において子が生物学上の父とは異なる夫の戸籍に入籍することを嫌忌して出生届の提出を控え、無戸籍となる事態」にある者はどの程度存在するのか。政府の把握するところを示されたい。
二 「生物学上の父による認知が得られることを要件として妻に嫡出否認の訴えを提起することを認める等、要件設定次第では、子の利益の保護に欠けることがない制度を構築することは不可能とはいえない」と示されたが、無戸籍状態の解消のために、政府は法改正に取り組むべきではないか。見解を示されたい。
三 二に関連して、法改正には時間を要するため、「生物学上の父による認知が得られることを要件として妻に嫡出否認の訴えを提起することを認める」ための省令などの措置を早急に行うべきではないか。見解を示されたい。
四 神戸地方裁判所の「生物学上の父による認知が得られることを要件として妻に嫡出否認の訴えを提起することを認める等、要件設定次第では、子の利益の保護に欠けることがない制度を構築することは不可能とはいえない」、「このような補完的な制度の設置により」「無戸籍となる事態を防止する余地がある」との見解について、政府はどのように受け止めるのか。今後、時間が経過するとともに、無戸籍の者の不利益は継続する。政府は、最高裁判所の判断が示されるまで当該事案への対応策を講じず、司法の判断をただ見守るのか。見解を示されたい。
五 神戸地方裁判所は、「妻が夫から暴力を受けるおそれがある場合には、配偶者の暴力からの保護を与える法整備が必要」とした上で、このような「配慮、支援、法制度の整備がなければ、仮に妻に嫡出否認の訴えの提訴権を認めても、実際上、行使困難なことがある」と指摘している。政府はこの判断をどのように受け止めるのか。「配偶者の暴力からの保護を与える」、「配慮、支援、法制度の整備」をさらに進めるべきではないか。政府の見解を示されたい。
六 神戸地方裁判所の「生物学上の父による認知が得られることを要件として妻に嫡出否認の訴えを提起することを認める等、要件設定次第では、子の利益の保護に欠けることがない制度を構築することは不可能とはいえない」との指摘については、既に平成十九年より最高裁判所がホームページで周知を図り、裁判官等への研修を行った「認知調停」で既に実効されているとも言える。平成二十七年十一月には、最高裁はさらに全国の家庭裁判所に文書を送り、戸籍を得るための調停を行う場合、前の夫の関与が必要ないものもあることを当事者に説明するよう求め、この実質の妻の「嫡出否認権」については前夫の関与がいらない旨まで示しているが、政府は承知しているのか。見解を示されたい。
七 六に関連して、現行の調停・裁判においては、「嫡出否認権」は、法に定めにない他の方法によって担保、実効化されているのであり、この齟齬を立法により一刻も早く解消すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 右質問する。



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