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平成三十年五月二十四日提出
質問第三一七号

特定複合観光施設区域整備法案に関する質問主意書

提出者  柿沢未途




特定複合観光施設区域整備法案に関する質問主意書


 カジノを含めたいわゆる統合型リゾート(IR)施設を日本国内において実現するための具体的要件を規定した実施法案として、特定複合観光施設区域整備法案(以下、単に法案と呼ぶ)が本年四月二十七日に国会に提出された。その内容について、以下、質問する。

一 カジノの粗収益(GGR:Gross Gaming Revenue)に対する公租公課の実効負担率について
 法案では、カジノ事業者から納められる国および認定都道府県等に対する納付金について、カジノの粗収益(GGR:Gross Gaming Revenue、以下、単にGGRと呼ぶ)のそれぞれ十五%と定められており、カジノ事業者が納めなくてはならないトータルの納付金率はGGRの三十%となる。
 加えて、カジノ管理委員会の経費に相当する額の定額納付金を国に納める事が定められている。
 1 定額納付金の額はどのような規模になると想定されているか。カジノ管理委員会の経費の見積りとあわせて示されたい。
 2 これらの納付金に加えて、法人税、消費税(ゲーミング収入以外は課税対象)、そして固定資産税等の地方税が賦課される。カジノ事業者にかかる公租公課は、総じて、GGRに対する実効負担率で四十%を超えるものと見られており、シンガポールの三十・一%(内閣官房資料を参照)を大きく上回る。高率な公租公課がIR施設の収益性を圧迫するため、収益で回収すべきイニシャルの開発投資の規模にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。GGRに対する実効負担率の適正水準をどのように見ているか。
二 入場者の本人確認手段について
 1 世界最高水準のカジノ規制とギャンブル依存症等の弊害防止策を実施するため、カジノへの入場にあたっては、日本人の入場者には月単位および週単位の入場回数の制限を課し、マイナンバーカードによる本人確認を通じて入場回数を確認するものとされている。しかしながら、マイナンバーカードは人口に対する普及率が九・六%に過ぎず(平成二十九年八月末時点)、一般的には本人確認の際の公的な身分証明書としては運転免許証やパスポートが使われるのが、いぜん大多数である。運転免許証やパスポートは日本人のカジノ入場にあたっての本人確認等の手段として使用できるのか。
 2 仮に日本人のカジノ入場の際の本人確認等の手段をマイナンバーカードに限定すると(運転免許証やパスポートを除外すると)、現状の普及率を踏まえれば、日本人の大半はマイナンバーカードを持っていないのだから、日本人のカジノ入場者数には相当なブレーキがかかる事が予想される。それによりIR施設の収益性にも相当な影響を及ぼす事が予想されるが、本人確認の手段の多様性如何によってこのような影響をもたらす事の妥当性をどのように考えているか。
 3 日本人のカジノ入場の際の本人確認等の手段をマイナンバーカードに限定した場合と運転免許証やパスポートでも可とした場合とで、日本人の入場者数にどのような違いが生じるか、試算した事はあるか。ないとすれば、今後、試算をするつもりはあるか。
三 カジノ事業免許の期限について
 IR施設区域内でのカジノ事業の実施にあたっては、カジノ管理委員会への申請と審査を経て、カジノ事業の免許の交付を受ける事が定められている。免許の有効期間は当該免許の日から起算して三年とされている。しかしながら、三年という免許期間では、免許を受けてIR施設の整備を進めている間に三年の期間が満了し、開業前に免許の更新の審査を受けなければならないという不合理な事態が生じかねない。免許の更新は自動的に保証されるものではないため、IR施設の長期事業継続の予見性が低下し、長期の投資回収を見込んだ大規模な投融資を金融機関から受けられなくなる可能性が高くなる。それは取りも直さずイニシャルの開発投資の規模に大きな影響を及ぼす。
 1 カジノ事業の免許期間を三年としている理由は何か。
 2 国土交通大臣によるIR施設整備区域の認定にあたっては、有効期間は認定の日から起算して十年とされている。これに合わせて、IR施設スタート時のカジノ事業に対する免許の交付にあたっては、なるべく大規模な民間投融資を誘発する上でも、長期事業継続の予見性が担保されるよう、三年とは異なる免許期間の設定をすべきではないか。
四 IR施設の開業時期の見通しについて
 法案では、施行時期について、「公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること」とされている。そこから計算した場合、平成三十年度中に法案が成立したと仮定すると、法律の公布は平成三十一(二〇一九)年度、法律の施行及び国土交通大臣における基本方針の策定が平成三十四(二〇二二)年度、都道府県等における実施方針の策定と民間事業者の選定が平成三十五(二〇二三)年度、都道府県等と民間事業者が共同で提出するIR区域整備計画の認定申請に基づき、国土交通大臣が認定審査を行い、認定が下りるのが平成三十六(二〇二四)年、ここでIR施設の整備が確定する。そこから基本設計・実施設計、区画整理や都市基盤整備に二年、IR施設全体の建設工事に三年を要するとすると、実際にIR施設の開業に至るのは、平成四十一(二〇二九)年となってしまう。
 以上のようなタイムラインが想定され得るが、法案成立後、法律で定められたプロセスで進めていくと、実際のIR施設の開業時期については、最短で何年後にできる見通しだと政府は考えているのか。
五 ギャンブル依存症対策について
 カジノを含むギャンブルへの依存症に陥ってしまった人達への対策を十全に講じる事が不可欠の前提であるのは言うまでもない。カジノが事業として可能になる以前より競馬・競輪等の公営競技やパチンコ等の遊技、その他のギャンブルによる依存症患者は日本においても多数発生しており、公的な財源の裏付けが乏しい中でも、民間NPOらの有志による依存症患者や家族への支援活動が展開されてきた。こうしたギャンブル依存症対策については、原因者負担の原則に基づき、カジノを含めた前述のギャンブル主催事業者から、それぞれ応分の財源負担を求めるのが適切である。
 1 ギャンブル依存症の患者数に関し、政府が公式の推計を行った上で、必要な対策予算額を試算する必要があると考えるが、政府としてそれを行う予定はあるか。
 2 ギャンブル依存症対策予算の確保にあたっては、原因者負担の原則に基づき、ギャンブルの業態別の売上高に応じた負担を課す等の法制度の整備を行う事によって、ギャンブル主催事業者に財源を求めるべきと考えるが、政府の見解如何。
 3 これまでのギャンブル依存症対策は民間NPOらの有志が主体的に担ってきたため、対策のノウハウ等の知見はそこに蓄積されている。これからのギャンブル依存症対策の実施にあたっても、民間機関に財源を委ね、施策の実施、効果分析、国への報告を求める、という民間主導の仕組みをつくるのが有効であるものと考える。文化振興政策としてのアーツカウンシルの手法も参考になるとの指摘もなされているところであるが、この点に関する政府の見解如何。

 右質問する。



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