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令和元年五月二十八日提出
質問第一九五号

首都高速道路の千円値上げに関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




首都高速道路の千円値上げに関する質問主意書


 二〇一九年五月二十二日の「朝日新聞」によれば、東京オリンピック・パラリンピック大会期間中の渋滞対策として首都高速道路の通行料金に千円上乗せし、大幅な値上げをすることを検討しているとのことであるが、たとえ限定された期間であったとしても、首都高速道路の通行料金を変更することは国民生活に大きな影響を及ぼすことから、以下質問する。

一 大会期間中の渋滞対策としては、ナンバープレート規制や通行車両規制など様々な方策が想定されるにもかかわらず、国民の財布を直撃する通行料金引き上げを検討するに至った経緯と理由をあきらかにされたい。
二 二〇一九年五月十八日の「日本経済新聞」によれば、政府は千円くらいならば利用者の負担を抑えつつ交通量を抑制できるとみているようだが、千円の負担感は世帯によりさまざまであり、国民に経済的な負担を強いる政策であることに間違いはない。千円という金額が妥当であるという根拠はどこにあるのか、首都高速道路株式会社による通行料金の値上げに伴う交通量のシミュレーション結果なども示しながら具体的な理由をあきらかにされたい。
三 そもそも首都高速道路株式会社は、通行料金値上げの利害関係者である。そのような立場にある者によるシミュレーションなどの調査研究だけで、値上げの妥当性を判断することは不適切ではないか。料金値上げと利害関係のない、第三者性、中立性を有する者に対してもシミュレーションを依頼すべきではないのか。
四 首都高速道路の通行料金は、道路整備特別措置法による許可申請に基づき国土交通大臣が許可することになっているが、この許可審査においては、償還主義と公正妥当主義に基づき通行料金の妥当性が判断されると承知している。渋滞対策として検討される通行料金は、少なくとも償還主義の観点からは妥当性は認められないのではないか。また公正妥当主義からみても、その目的がスポーツ大会関係者の通行優遇のための渋滞対策であるということを考えれば、スポーツ大会の円滑な運営のために通行料金を値上げすることは道路整備特別措置法の立法事実や理念に適合するとはいえないのではないか。高速道路事業者がスポーツ大会の円滑な運営のために通行料金を値上げする旨の申請があった場合、「公正妥当主義」の観点から国土交通大臣は果たしてその値上げを許可できるのか、その理由も含めてあきらかにされたい。
五 大会期間中の首都高速道路料金の値上げについての議論は、二月に東京都の組織委員会より提起されて以来四か月間、行政内部での検討しか行っていない。このような意思決定過程のブラックボックス化は、安倍政権の常とう手段ではあるが、以上で述べたように国民生活を直撃する政策なのであるから、その決定過程の透明性を高める観点から、公開の場で議論し、複数案を示すなどして、広く国民の意見を聞くべきではないか。政府の見解をあきらかにされたい。
六 首都高速道路は、首都高速道路株式会社が運営する道路事業である。民間道路事業者の価格設定は、法律の定める範囲で民間事業者が自主的に決めるべきものと理解するが、国や東京都がその値上げを要請することがそもそも可能なのか、あきらかにされたい。
七 大会期間中の大会関係者の首都高速道路の利用に際しても、当然に通行料金は徴収するものと考えるが、大会関係者の通行においても渋滞対策の上乗せ部分を支払わせるという理解でよろしいのか、政府の見解をあきらかにされたい。
八 大会期間中に、通行料金の値上げを行った場合、この上乗せ分の通行料金は何に使われるのかあきらかにされたい。また、この値上げ措置により通行量が激減したとすると、首都高速道路株式会社において減収が生じることが予想されるが、それによる減収分は補てんされる必要があると考えているか。また、その必要がないというのであれば、この時の減収を理由とした通行料の値上げは後年も認めないと、国として約束できるのか、あきらかにされたい。

 右質問する。



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