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令和元年六月二十日提出
質問第二七二号

水道の老朽化対策に関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




水道の老朽化対策に関する質問主意書


 横浜市の水道管の総延長約九千二百キロメートルのうち、更新時期を迎えた水道管が約二千四百キロメートルに達している。ところが現在の市水道局の予算では、年間に更新できるのは市内全体で百十キロメートルにすぎないと聞いている。水道管の法定耐用年数は四十年とされるが、単純に計算すれば、市の水道管すべてを更新するためには八十〜九十年もかかってしまうことになる。全国的にも水道の老朽化は大きな課題になっており、広域連携など基盤強化に向け水道法が昨冬に改正され、水道料金の値上げや民営化もあちこちで議論されているが、民営化は世界を見渡せば一周遅れの手法であるし、改正水道法が促進するコンセッション方式も浜松市で延期されるなど、諸課題の解決策とはなっていない。非公共を含む水道関係予算は昨年度の第二次補正と合わせると、昨夏の概算要求額を上回る九百二十億円となったものの、他方で相変わらず不要不急の公共事業が国土強靭化の名の下に行われている。そこで以下質問する。

一 老朽化した水道を更新する原資を、人口減少により二〇六〇年には水需要が約四割減少するとの推計もある厳しい経営環境において、水道料金に求めるのは限界があるのではないか。大幅な料金値上げは、支払い困難な事態を生み、水道事業の持続可能性を棄損することにつながるのではないか。
二 更新にかかる年数が水道菅の法定耐用年数を超えないよう、水道施設整備費補助金における国の補助率を引き上げて、これからの一定年数、時限的に集中的に国費を投入するべきではないか。
三 毎年、全国の自治体から国の財政支援のかさ上げを求める要望が挙がっているはずだが、来年度の概算要求に向け、いくつの自治体からかさ上げの要望が挙がっているか。そしてこれまでも多数の自治体要望があったにもかかわらず、国の負担割合を引き上げてこなかった理由をあきらかにされたい。
四 公共事業関係費全体を俯瞰すれば、水道施設整備費補助金の占める割合は、私が計算したところ、二〇一八年度予算でみればわずかに〇・二九%、二〇一九年度予算でも〇・三六%程度しかない。平時や災害時に、人々の命や生活を直接的に支えるという意味で極めて公共性が高い水道事業の割合が、このように低いことについて、政府はどのような見解をお持ちか。この点、OECD加盟国の中で比較すると、日本はどのような順位にあるのか。政府の承知しているところをあきらかにされたい。
五 近年、公共事業関係費の予算の確保が厳しくなる中で、耐震化・広域化のための水道施設整備に充てる予算を「非公共」(生活基盤施設耐震化等交付金)として別に設け、「公共」と「非公共」とで全体として水道事業の予算を確保していると承知しているが、人々の生活に欠かせない重要なライフラインであることに鑑み、公共事業関係費における水道予算の優先順位、比率を引き上げることを政府全体として検討するべきではないか。
六 今年は「施行後五年を目途として総合的な検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられる」という水循環基本法附則にある施行後五年目に当たり、内閣に置かれた水循環政策本部において水循環基本計画の見直しが議論されているが、水道事業は水循環の中において重要な位置を占めている。水循環政策本部のリーダーシップの下、右に述べたような国際的な調査研究や、次世代に安心安全で持続可能な公営の水道事業が引き継げるよう自治体水道部局の人員の確保拡充、また国土強靭化、防災・減災の観点からの水道の老朽化、耐震化対策の加速化に対する国の予算の大幅増加の実現に、政府全体として取り組むべきではないか。

 右質問する。



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