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令和元年六月二十一日提出
質問第三〇三号

「百年安心」の年金制度及び「老後に年金では二〇〇〇万円足りない」という金融審議会報告書に関する質問主意書

提出者  柚木道義




「百年安心」の年金制度及び「老後に年金では二〇〇〇万円足りない」という金融審議会報告書に関する質問主意書


一 二〇〇四年(平成十六年)の年金制度改革では「百年安心プラン」として(一)上限を固定した上での保険料の引き上げ、(二)基礎年金国庫負担の二分の一への引き上げ、(三)積立金の活用、(四)財源の範囲内で給付水準を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)の導入が定められた。
 1 本年六月十日の参議院決算委員会にて安倍総理は年金の「百年安心」について「マクロ経済スライドによって『百年安心』という、そういう年金制度ができたということなんです。」「マクロ経済スライドも発動されましたから、いわば『百年安心』ということはですね、確保された」と述べている。「百年安心」とは年金制度が百年間持続可能だということであって、「年金の保険料を支払ってきたお年寄りが百歳になっても年金で経済的に安心して生活できる」という意味ではない、という理解で良いか。
 2 安倍首相が六月十日の決算委員会で重ねて述べたように年金制度が今でも「百年安心」であるのならば、五年ごとに行う財政検証の結果を六月中に公開して「安心の年金」ということを示すべきだが、政府の見解如何。
二 「低所得者の家計に過重な負担をかけない」観点から、各社会保障ごとの制度単位ではなく家計全体をトータルに捉えて、医療・介護・保育・障害に関する自己負担の合計額に上限を設定する「総合合算制度」を導入することで、現在と将来の生活不安の解消につながると考えるが、総合合算制度が現在と将来の生活不安解消につながるという認識は正しいか。また、総合合算制度の導入をぜひ検討すべきと考えるが、検討しない理由があるか。
三 二〇〇四年(平成十六年)の「年金百年安心プラン」の約束では、その年に新規裁定となる厚生年金受給者のモデル年金受給額は現役世代の平均収入の五十%を超えるように設定されることになっている。
 1 本年度に新規裁定となる方の厚生年金は、四十年間厚生年金を納めてきたモデル世帯(夫が働き、妻が専業主婦の世帯)の受給額(受給者六十七歳以下)で毎月二二万一五〇四円、年間合計で二六五万八〇四八円となる。これは今年の現役世代の平均収入の五十%を超えているか。
 2 二〇〇四年(平成十六年)の「年金百年安心プラン」の約束通りに、新規裁定者のモデル受給額は二一〇四年(令和八十六年)になっても現役世代の平均収入の五十%を超える額になるか。
 3 金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が六月三日に発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」(以下、「報告書」という。)には「公的年金の水準については、今後調整されていくことが見込まれているとともに、税・保険料の負担も年々増加しており、少子高齢化を踏まえると、今後もこの傾向は一層強まることが見込まれる。」と述べられている。政府としては、人口の高齢化と少子化にともなってマクロ経済スライド等により年金受給額の伸びが抑えられて、モデル年金受給額(新規裁定者)も現役世代の平均年収の五十%を割り込むことがあると想定しているのか。
 4 報告書では年金受給世帯の「毎月の赤字が五万円」と述べているが、マクロ経済スライド発動による年金減額対象から、少なくともまずは基礎年金のみ受給する低年金受給者を外すべきではないか。また、その他の対象者も、総合合算制度などの生活不安解消策の実施など行われない限り、マクロ経済スライドによる年金減額を行わないようにすべきだと考えるが、政府の見解如何。
四 六月三日発表の金融審議会市場ワーキンググループ報告書及び六月十九日発表の財政制度等審議会の「令和時代の財政の在り方に関する建議」(以下、「財政審建議」という)の内容について質問する。
 1 報告書の発表に先立って本年四月十二日の金融審議会「市場ワーキンググループ」では「老後は年金の他に一五〇〇万円から三〇〇〇万円の生活費が必要」とする金融庁の独自の試算結果が明らかにされたにもかかわらず、六月三日発表の報告書ではこの試算に触れられていない。政府として「老後に年金では三〇〇〇万円不足する人もいる」と試算しているという理解で良いか。
 2 財政制度等審議会にて六月六日に示された財政審建議の原案にあった、「将来世代の年金給付水準が想定より低くなることが見込まれる」「自助努力を促していく観点も重要」などの表現が削除された上で六月十九日に財政審建議が麻生財務大臣に手渡されている。この文言削除は誰の指示によるのか。麻生財務相は報告書発表前にこの文言削除を了解していたのか。麻生財務相は財政審建議を受け取ったが、文言を削除させた報告書を受け取るのなら、金融庁報告書受け取り拒否と事実上変わらないと考えるが政府の見解如何。
五 六月十日の参議院決算委員会の質疑の中で取り上げられたように、年金支給が始まる六十五歳の三カ月前に年金請求書が受給予定者に届くが、今年四月から文面が変更されていた。この年金請求書を見ると、「年金額を増額させますか?」などの設問があり、「老齢基礎年金・老齢厚生年金両方の繰り下げ(六十六歳以降に増額した額を受け取ること)を希望される場合には、この請求書を提出する必要はありません」と書かれてある。要するに年金額を増やしたい人は、請求書を送らなくてよい、ということだ。これを読むと誰でも増額させたいと思うのがふつうだ。しかも提出不要と書かれている。それなら多くの人が「提出不要」を選ぶが、提出しないと自動的に年金支給開始が七十歳からになる。これでは、六十五歳から受領したいと思っている年金受給者も自動的に七十歳受給開始になってしまう。問題が生じるので早急に年金請求書の書きぶりを改める必要があると考えるが見解如何。
六 本年六月十四日の衆議院財務金融委員会にて、麻生金融担当大臣は自身がいくら年金を受給しているか把握していないと述べた。自分自身の年金受給額を把握していない麻生大臣には、自分自身や国民の老後の収支や資産形成、資産管理を本気で考えているとは思えないが、政府の見解如何。

 右質問する。



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