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令和元年十月四日提出
質問第一三号

竹本直一科学技術・IT担当大臣の「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」という意味合いの発言に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




竹本直一科学技術・IT担当大臣の「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」という意味合いの発言に関する質問主意書


 世界銀行が行った約百九十ケ国の二〇一九年ビジネス環境に関する調査によれば、日本は「起業のしやすさ」についての総合評点が九十三位という大変低い水準にある。
 現在、日本で会社を登記しようとすると、非常に面倒な手間が多くかかる上に、各種手続きが完了するまでに一週間から十日の時間がかかるのが一般的である。
 一方で、起業において世界最先端の処理スピードを誇るエストニアでは、最短十八分で会社が設立できるということである。
 こういった日本の現状を改善するには、公証人の面前確認を含めて、対面原則・書面交付原則・押印原則のあり方を見直した上で、より良い方向に再構築するなど、作業工程をしっかりと見直し、ユーザー目線での行政事業を目指す必要がある。これができなければ、日本政府が掲げる「世界で最もビジネスのしやすい国」にするという目標は、残念ながら空虚なものになる。
 そうした中、この度、竹本直一科学技術・IT担当大臣の「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」、「自分の責任を果たすために考えたのは、両者を対立軸で見るのではなくて、同じ壺の中の同族というか、そういう中で、共に栄えるためにはどうすればいいかということを、知恵を絞っていきたいと思っている次第です」という趣旨の発言が飛び出したことを受けて、本件について政府の見解を確認したく、以下質問する。

一 「行政手続きの『デジタル化』と書面に押印する日本古来の『はんこ文化』の両立を目指す」という意味合いの発言について、決裁のデジタル化が進めば印鑑が必要なくなるとの指摘がある中、具体的にどういった施策を講じようとしているのか、政府の見解を詳しくご説明頂きたい。
二 「自分の責任を果たすために考えたのは、両者を対立軸で見るのではなくて、同じ壺の中の同族というか、そういう中で、共に栄えるためにはどうすればいいかということを、知恵を絞っていきたいと思っている次第です」という発言における両者とはデジタル化と印鑑を指すと考えられるが、政府は行政手続きのデジタル化を進めつつも、印鑑を主としたアナログな行政事業を今後も継続して栄えさせることを目指すという意思表示と捉えてよいか、政府の見解を伺いたい。
三 公益社団法人全日本印章業協会、全国印判用品商工連合会、全国印章業経営者協会というはんこ関連の業界団体から、「行政手続きにおける本人確認での押印の見直し」、「法人設立における印鑑届出の義務の廃止」、「民−民手続きにおけるオンライン化の推進」について、政府に対して再考や白紙撤回を求める要望書が提出されている。これらの要望は、本人確認には引き続き印鑑のみを用いるべきであり、一般的な取引をデジタル化し、手続きのオンライン化を推進することには反対であるという主張だが、この主張に対して、インターネット上などでは、「あまりにも時代錯誤」などと、業界団体の意見に反発する声が圧倒的となっているという報道がある。
 その一方で、二〇一九年五月三十一日に、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(デジタル行政推進法)が公布されたが、その基本原則には、「デジタルファースト:個々の手続・サービスが一貫してデジタルで完結する」と「ワンスオンリー:一度提出した情報は、二度提出することを不要とする」と「コネクテッド・ワンストップ:民間サービスを含め、複数の手続・サービスをワンストップで実現する」と示されている。
 こうした観点から法人設立を含む行政手続きにおける各種手続きに関して、デジタル行政推進法の基本原則を鑑みても、物理的な押印ではなく電子署名を活用したシステムを主とした改革を前に進めていく必要があると考えるが、如何か。政府のご所見を伺いたい。
四 公益社団法人全日本印章業協会、全国印判用品商工連合会、全国印章業経営者協会の三団体から、「法人設立における印鑑届出の義務の廃止」の再考や「民−民手続きにおけるオンライン化の推進」の白紙撤回などが実施されなかった際、「印章業界が被る被害に対する国の売上補償」の要望が政府に提出されている。この要望について、政府はどのように考えているのか、政府のご見解を伺いたい。

 右質問する。

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