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令和二年二月二十一日提出
質問第七六号

ダイヤモンド・プリンセス号の船内感染等に関する質問主意書

提出者  江田憲司




ダイヤモンド・プリンセス号の船内感染等に関する質問主意書


 政府は、ダイヤモンド・プリンセス号の船内に残っていた乗客全員に新型コロナウイルス検査(PCR検査)を実施し、結果が陰性で症状が見られない人を十四日間の健康観察期間が終了した二月十九日から二十一日にかけて下船させた。
 その判断根拠を、政府はチャーター機による中国からの帰国者の検査結果に求め、それを「精緻な疫学的エビデンス」とし、二月五日以降はチャーター機の帰国者が過ごした施設と同様の感染防止策が船内でとられたからとしている。そこで以下、質問する。

一 そもそもチャーター機による中国からの帰国者がホテル等で隔離された状況と、クルーズ船内での隔離状況とは多くの点で相違(共用部分の有無、検査や診察の実態、食事の配膳方法等)があるのに、なぜ「精緻な疫学的エビデンス」として同一視できるのか。
二 二月二十日、内閣官房と厚生労働省の職員二人が新たに感染していることが確認された。この二人の職員は、それぞれ二月十一日、十二日に船内で業務を開始し、しかも「濃厚接触」ではなく「事務的業務」に従事していたという。これは、隔離対策をとった二月五日以降も船内感染が広がっていたことの証左ではないか。
三 二月二十一日、オーストラリア保健省は、同国政府が派遣したチャーター機で二十日に帰国した約百六十人のうち二人の感染を確認したと発表した。同保健省は声明で「この数日間のクルーズ船での感染拡大を考慮すると、出発前に検査を受けたにもかかわらず、帰国後に陽性反応が出ることは予想外ではない」としている。これも二月五日以降も船内感染が広がっていたことの証左ではないか。また、この二人からの検体採取はいつ行ったのか。
四 政府は、乗客全員にPCR検査を実施し、結果が陰性で症状が見られない人は下船としたが、その検査のための検体はいつ採取したのか。下船した乗客によれば、下船一週間前とか、数日前とかまちまちである。二月十九日から二十一日にかけて下船した乗客(各国派遣のチャーター機で外国に移送された人を除く)について、検体を採取した「日毎」にその「人数」を答えられたい。
五 下船直前での検査(検体採取)で陰性であるならまだしも、検体採取後も数日間船内にとどまった上で症状のない人を下船させたのであれば、その後の船内感染の可能性は否定できない。にもかかわらず、下船客に「公共交通機関を使って帰宅し、その後の行動も自由」とした判断は、さらなる感染拡大防止という観点から、適切であったと考えるか。
 また、下船客からも再検査の要望の声が上がっているが、再検査をする考えはあるか。
六 米国、オーストラリア、カナダ等他の国々は、乗客の帰国後、さらに十四日間の隔離が必要としている。この判断と日本政府の判断が異なる理由は何か。
七 クルーズ船ばかりに焦点が当てられているが、「死角」となっているのが一日に数十隻も横浜港に寄港する貨物船だ。この貨物船の乗組員への「検疫」はどう行われているか。「通常の検疫」か、今回の事態を受け、何らかの特別の措置を講じているのか。特に、中国からの貨物船についてはどうか。

 右質問する。

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