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令和二年二月二十六日提出
質問第七八号

不動産取引時の水害ハザードマップ活用等災害リスクの説明義務に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




不動産取引時の水害ハザードマップ活用等災害リスクの説明義務に関する質問主意書


 令和元年秋の台風第十九号は各地に大規模水害を及ぼし、約九万棟の住宅が被災した。このような中、令和二年一月二十七日の衆議院予算委員会において、赤羽国土交通大臣は、不動産業者に対し、水害リスクに係る説明を不動産取引上の重要事項説明として義務付ける方向でしっかり進めていくと答弁し、対策は強化される方向で検討されている。
 これまでも不動産取引時の重要事項説明は大規模災害が発生するごとに追加されており、土砂災害警戒区域内、造成宅地防災区域内、津波災害警戒区域内が加わっている。
 しかし、水害リスクに関しては、平成二十七年水防法改正に伴い想定最大規模降雨による浸水リスクに対応して浸水想定区域が指定されることとなったものの、未だ未対応の都道府県がある。また、水防法に基づく浸水想定区域の指定対象が洪水予報河川及び水位周知河川とされていることから、中小河川においては水害リスクが明らかにされていないものがある。一方で、浸水想定区域の制度とは別に、都道府県独自の取組として洪水予報河川及び水位周知河川以外の浸水リスクが明らかにされている場合があるなど、地域によって入手可能な水害リスク情報に差異がある。加えて、地震についての災害リスクは重要事項説明に含まれていないなど、災害リスクの説明内容について、課題が残されている。
 以上を踏まえ、次の事項について質問する。

一 水害リスクに係る重要事項説明については、水防法に基づく想定最大規模降雨による浸水リスクに対応するとともに、都道府県独自の取組も含め可能な限り中小河川の浸水リスクに対応する必要があると考える。政府は「水害リスクに係る説明を不動産取引上の重要事項説明として義務づける」と述べているが、これは想定最大規模降雨に対応した浸水リスクを前提としたものか。水害リスクに係る重要事項説明はどのような内容を想定しているのか。重要事項説明に当たってはハザードマップが活用されるのか。
二 浸水想定区域及び水害ハザードマップについて、
 1 都道府県の管理する河川の浸水想定は、洪水浸水想定区域が指定された河川数のうち二割が法律で定める想定最大規模降雨による浸水リスクに対応していない。そのため、水害リスクに係る重要事項説明として浸水想定区域内であることの説明を義務付けたとしても、一部の区域では説明から漏れかねない。想定最大規模降雨による浸水想定区域の指定はいつまでに完了する見込みか。
  また、想定最大規模降雨による浸水想定区域が指定されているにもかかわらず、ハザードマップ作成や修正の遅れが原因となって、都道府県が作成する浸水想定区域図と市町村のハザードマップにおける浸水想定区域図が異なって表示されている事例もあるが、いつまでに解消する見込みか。
 2 ここ数年の水害では、水害ハザードマップにおいて浸水を予想した区域と実際に浸水した区域に差が見られた。想定最大規模降雨による浸水想定区域の指定にあたっては、こうした実際に浸水した区域のズレにより漏れていた区域を全て含むものとなるのか。
 3 都道府県が管理する中小河川には、水防法に基づく浸水想定区域の指定対象外河川が存在する。国土交通省は、都道府県に対し浸水想定区域の指定対象となる水位周知河川等の指定の拡大を要請するとともに、簡易的な手法によるリスク評価に関する手引きを令和二年五月に改訂し、浸水が想定される範囲の周知を促す予定と聞く。本年にも台風等による風水害があるかもしれず、改訂されたリスクの評価手法を用いた中小河川のリスク評価を急ぐべきと考えるが、簡易的な手法を用いることにより、ハザードマップの作成にかかる期間や費用等について、どれ程の効果が見込まれるのか。
 4 水害ハザードマップの作成対象外自治体が存在している中、内水氾濫が各地で生じていることを受けて、内水ハザードマップの作成を進めるよう全ての都道府県と全ての基礎自治体に通知したと報道されているが、内水ハザードマップの作成はいつまでに完了する見込みか。
 5 基礎自治体では水害ハザードマップの作成による財政負担が課題とされる。水位周知河川等の指定の拡大に伴い新たに作成義務が生じる自治体の増加や内水ハザードマップの作成促進等に対応し、更なる財政支援は行うのか。社会資本整備総合交付金の効果促進事業に位置付けることにより、自治体の一般財源の負担はどこまで補填されるか。
三 高潮浸水想定区域や津波浸水想定、内水浸水想定区域については、不動産取引時の水害リスクの説明義務に含む予定か。
四 不動産取引時の水害リスクの説明義務化について、不動産業者への周知が必要なため、導入時期は未定とされる。しかしながら、義務化前でも説明する不動産業者がいる一方で、説明をしない不動産業者も存在することとなる。義務化するまでのこうした業者間の格差についてどう対応するのか。
五 地震についての災害リスクは不動産取引時の重要事項説明に含まれていない。契約者が地震発生のリスクについても認識できるよう、例えば損害保険料率算出機構が定めている地震保険基準料率における建物所在地による区分について、説明すべき重要事項に加えるなどの対策を行うべきではないか。

 右質問する。

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