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令和二年九月十六日提出
質問第二五号

核燃料サイクルの破たんと高レベル放射性廃棄物最終処分に関する質問主意書

提出者  阿部知子




核燃料サイクルの破たんと高レベル放射性廃棄物最終処分に関する質問主意書


 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律は、「使用済燃料の再処理等を行った後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分」(第一条)とし、核燃料サイクルを前提としている。
 エネルギー政策基本法に基づくエネルギー基本計画もまた、「使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針」(二〇一八年七月)としている。
 しかし、核燃料サイクルの重要な一角をなす高速増殖炉もんじゅは二〇一八年三月二十八日に廃止措置計画が認可され、フランスと共同研究を目指していた高速炉ASTRID計画も、フランスが放棄したと二〇一九年八月二十九日に「ル・モンド」紙で報じられている。
 すなわち、再処理を行ってもその燃料を使う高速増殖炉および高速炉の計画もない状態であり、多方面の見直しが行われるべき時期である。
 そこで以下、質問する。

一 二〇一九年八月三十日に、フランスの原子力・代替エネルギー庁は、公式に「高速炉の開発は、今世紀後半以前には見通しが立たなくなった」旨の声明を出したと報道されているが、日本政府にはどのように通知されたのか。
二 声明の一年前、二〇一八年十一月二十九日の日経新聞にも「仏政府が二〇二〇年以降、計画を凍結する方針を日本側に伝えたことがわかった。仏政府は二〇一九年で研究を中断、二〇二〇年以降は予算を付けない意向という」と報じられたが、中断などの方向性がフランス政府から日本政府に伝えられたのは二〇一八年か。
三 二〇一六年十月七日に設置された高速炉開発会議(議長 経産大臣)第一回で、会議設置の目的は「原子力発電所に関する新規制基準の策定、日仏間での高速炉開発協力の開始、電力システム改革等、様々な情勢変化があったところ、最新の情勢を踏まえて、今後の高速炉開発の進め方について検討するため」だと説明されていた。また、二〇一六年十二月十九日の第四回会議で提出された「高速炉開発の方針(案)」で、「当面は日仏ASTRID協力を推進するための戦略を立案」するとしていた。
 しかし、その後、「日仏間での高速炉開発協力」は終了したと考えられるがどうか。
四 高速炉開発会議は二〇一六年十二月十九日を最後に開かれていない。また、同会議の下で「今後十年程度の開発作業を特定する『戦略ロードマップ(仮称)』の策定」を目的に設置された高速炉開発会議戦略ワーキンググループ(WG)も、二〇一八年六月一日を最後に開かれていない。
 これはフランス政府から計画の凍結が伝えられたためか。
五 WGは「高速炉開発の方針」(二〇一六年十二月二十一日原子力関係閣僚会議決定)に基づき、二〇一八年を目途に「戦略ロードマップ」の策定を目指すとしていた。しかし、未だ策定できていない。
 WG第一回会議(二〇一七年三月三十日)で議題とされた「『戦略ロードマップ』の検討体制」から、第十回会議(二〇一八年六月一日)で議題とされた「日仏ASTRID協力の成果について」、「日仏ASTRID協力の実施内容」などを見ると、ASTRID開発は戦略ロードマップの重要な柱となるはずであったことがわかる。
 ASTRID開発の頓挫が、「戦略ロードマップ」が策定できなかったことの原因か。そうでないとすればなぜ未策定なのか。
六 フランス政府は二〇二〇年以降にASTRID開発予算を止めた。日本でも、このままでは、税金が原資である開発費が無駄になりかねない。
 財務省は、高速炉開発の経済性や見通しを経産省に求め、高速炉関連予算の凍結について判断すべき時期ではないか。
七 二〇二〇年七月に原子力規制委員会は、日本原燃株式会社の使用済み核燃料の再処理工場(以後、六ヶ所再処理工場)について新規制基準に適合したと判断した。これは政府が「核燃料サイクル政策の推進」をエネルギー基本計画で位置づけたことと軌を一にする。一方で、同計画でも位置づけた「高速炉開発の方針」で策定するとしていた「戦略ロードマップ」は未策定で、「核燃料サイクル政策の推進」は行き詰っている。本来、核燃料サイクル政策は「回収されるプルトニウム等を有効利用」するためにある。
 1 有効利用の中心である高速増殖炉も高速炉開発計画も存在しないなかで、六ヶ所再処理工場を前に進めることに経済合理性はないのではないかとの強い批判があるが、経済合理性については誰がいつどのように判断するのか。
 2 日本原燃は十月以降に六ヶ所再処理工場の設計・工事計画認可の申請をすると思われるが、政府として推進してきた核燃料サイクルについては、いったん立ち止まって、エネルギー基本計画から「核燃料サイクルの推進」を削除することも検討すべきではないか。
八 北海道の寿都町では、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律に基づく文献調査への応募の検討を行うための住民説明会を開始したが、同法は、核燃料サイクルを前提としている法律である。経産省から町や町民に対しては、核燃料サイクル政策が頓挫した場合についても、説明をしておくべきではないか。

 右質問する。

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