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令和三年二月二十五日提出
質問第五七号

旧ソ連における抑留死亡者の遺骨収集に関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




旧ソ連における抑留死亡者の遺骨収集に関する質問主意書


 戦後七十五年を数え、いわゆるシベリア抑留者特措法制定から十年が過ぎた。戦後に六十万人以上が拉致・抑留され、その一割の六万人もが死亡したシベリア抑留問題は今も全国に被害当事者、遺族がおられ、私の地元でも未解決の問題を注視しておられる方々がいる。
 旧ソ連で行われた遺骨収集事業で、誤って多くの日本人ではないとみられる遺骨を日本に持ちかえり、十四年前から間違いを指摘されていたにもかかわらず放置してきた問題が明らかになり、厚生労働省は「日本人でない遺骨が収容された可能性が指摘された後の対応に関する調査チーム」を立ち上げ、一昨年その報告書と対応策が発表された。問題解決に向けたその後の進捗について質問する。

一 日本人でないとみられる遺骨をロシアに返還するという新たな問題について、これまでロシア側に対してどのような内容の説明を行い、先方の反応はどのようなものであったか。謝罪なり遺憾の意を示したのであれば、その具体的文言を明らかにされたい。
二 日本人でないとみられる遺骨が収容された問題で、厚生労働省の職員が処分されたと聞いているが、何人か。それぞれどのような理由で、どのような処分がなされたのか。個人情報に配慮した上で、公益上の必要性のある情報として明らかにされたい。
三 報告書を読む限り、厚生労働省はこの事案において、「隠ぺい」が行われたわけではないと認識しているようだが、政府として、「隠ぺい」があったのか、なかったのか、見解を明らかにされたい。なお、「隠ぺい」とは、大辞泉によれば、「事の真相などを故意に覆い隠すこと」をいい、「賃金構造基本統計」不正の内部調査結果に関し、厚生労働省の山田官房審議官が二〇一九年二月一日の記者会見で述べた「隠ぺいの意図は否定できない」とした「隠ぺい」と同じ意味で聞いている。「隠ぺい」の意味が明らかではないとはぐらかすのでなく、昨年五月十四日に発表された戦没者の遺骨収集に関する有識者会議の意見書において「2.厚生労働省への要望」として、「組織にとって不都合な問題であっても、それを正確に記録して引き継ぎ、問題解決を見定めて、できるだけ早い公表に努力すること。」とあるように、「不都合な問題を公表しなかったこと」は率直に認めるべきではないか。
四 昨年五月十四日の有識者会議の意見書において、「2.厚生労働省への要望」として、多数の再発防止・改善策が示されているが、コロナ禍において、現在までにすでに実施された再発防止・改善策は具体的にどれか、意見書上の要望の番号を示した上で、それぞれどこまで行われているのか、明らかにされたい。
五 シベリア抑留中に仲間の遺体を埋葬した体験を持つ吉田欽哉さんの話を超党派の国会議員で複数回伺った。今年九十五歳のご高齢にもかかわらず、一昨年には厚生労働省の遺骨調査班に同行されてハバロフスク州ヴァニノ地区ウシカオロチンスカヤを訪問され、ご自身で森に入って日本人埋葬地を探された体験から、探索のための機材の投入と事前調査の充実を強く訴えておられる。吉田さんのこのような具体的な指摘・提案に対して、厚生労働省はどのように研究・検討を重ね、吉田さんにその内容をお伝えしてきたのか。研究・検討を行ってこなかったとすればなぜか、その理由を明らかにされたい。

 右質問する。

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