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令和五年六月十三日提出
質問第九四号

紙の健康保険証の廃止に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




紙の健康保険証の廃止に関する質問主意書


 岸田政権は、二〇二四年秋に紙の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針だが、医療現場のみならず、国民生活の様々な面で不利益を強いる懸念が広がっている。
 市区町村でのマイナンバーカードの受け取りや住民票等の発行、郵便局での郵便物の受け取り、銀行での口座開設、各種契約など、国民生活の様々な場面で本人確認書類が求められる。パスポートやマイナンバーカード、運転免許証など公的機関が発行した顔写真つきの本人確認書類はいずれも任意での取得であり、どれも保持していない国民も少なくない。顔写真のない健康保険証などでは二点の本人確認書類を求めるケースが多い。そこで、以下の点について、政府の認識を示されたい。

一 紙の健康保険証廃止を決定するに当たって、社会の様々な場面で健康保険証が本人確認書類として利用できなくなることでどのような問題が起きうるか、それに対してどのような対策をとるのか、いかなる検討をおこなったか、全て明らかにされたい。
二 紙の健康保険証の廃止によって、取得が任意であるマイナンバーカードやパスポート、運転免許証を持たない人が、国民生活の様々な場で求められる本人確認書類を揃えられず、生活が不便になるということがあってはならないとの認識はあるか。
三 例えば、地方公共団体情報システム機構のホームページでは、マイナンバーカードの受け取りに必要な本人確認書類として、「@住民基本台帳カード(写真付きに限る。)・運転免許証・運転経歴証明書(交付年月日が平成二十四年四月一日以降のものに限る)・旅券・身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳・在留カード・特別永住者証明書・一時庇護許可書・仮滞在許可書のうち一点、Aこれらをお持ちでない方は、「氏名・生年月日」または「氏名・住所」が記載され、市区町村長が適当と認める二点(例)健康保険証、年金手帳、社員証、学生証、学校名が記載された各種書類、医療受給者証」と示している。
 このうちAを満たす書類として、国民皆保険制度と国民皆年金制度のもとで、原則として、二十歳以上の国民は、健康保険証と年金手帳等の年金関係書類という二種類の本人確認書類を持っている。また二十歳未満でも、健康保険証と子ども医療受給者証、学生証等を組み合わせて二種類以上の本人確認書類を持つケースが多いと考えられる。
 紙の健康保険証を廃止した場合、二種類の本人確認書類が求められる様々な場面で、マイナンバーカードを取得していないことにより、本人確認書類が揃えられない国民が新たに生まれることは絶対ないか。また、紙の健康保険証を廃止した場合、健康保険証に代わる同等の(原則すべての国民が保持する)本人確認書類として新たに示せるものはあるか。
四 紙の健康保険証を廃止した場合に、「資格確認書」を申請に基づき交付すると政府は説明しているが、申請の際に、マイナンバーカードやパスポート、運転免許証を持たない人に対しては、どのような本人確認書類を何点求めることを考えているのか。紙の健康保険証廃止によって、本人確認書類が揃えられず、資格確認書が申請できない人が生まれることはないか。
五 NTTドコモが健康保険証を本人確認書類として認めない運用をはじめた。NTTドコモの携帯電話利用者が名義変更しようとした際に、本人確認書類として、マイナンバーカードか、運転免許証等を求められ、いずれも保持していないために名義変更できなくなったとの相談が寄せられている。
 マイナンバーカードの取得は任意であり、この間の様々なトラブルにより、国民の不信も広がっている。政府は、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を掲げているが、マイナンバーカードの利用拡大を推進する中で、マイナンバーカードを取得しない国民にこれまでより不便な生活をもたらすことがあってはならないとの認識はあるか。
 また、社会の様々な場面での本人確認の際に、マイナンバーカードを所持しない国民に不利益が生じないように、政府として対策をとるべきではないか。

 右質問する。

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