質問本文情報
令和五年六月十五日提出質問第一一〇号
教育分野におけるマイナンバーカードの利用に関する質問主意書
提出者 宮本 徹
教育分野におけるマイナンバーカードの利用に関する質問主意書
岸田政権の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、「大学での出席・入退館管理や各種証明書発行等のマイナンバーカード活用の先進事例について周知し、キャンパスのデジタル化を推進する。国立大学法人においては、デジタルキャンパスの推進について第四期の中期目標・中期計画へ記載しており、二〇二六年度(令和八年度)から、設定された中期目標・中期計画に基づき、マイナンバーカードの活用を含めた業務の実績について、国立大学法人制度の中で評価を開始し、運営費交付金の配分に反映する」とある。
すでに、例えば、国立大学法人宇都宮大学では、図書館利用と授業時間外の建物の入室について、二〇二一年度入学生からは、学生証ではできず、マイナンバーカードで認める運用を開始している。
そこで以下、質問する。
一 憲法第二十三条は、「学問の自由は、これを保障する。」としている。また、「図書館の自由に関する宣言」では「すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する。この権利を社会的に保障することは、すなわち知る自由を保障することである。図書館は、まさにこのことに責任を負う機関である。」、「すべての国民は、図書館利用に公平な権利をもっており、人種、信条、性別、年齢やそのおかれている条件等によっていかなる差別もあってはならない。」としている。
マイナンバーカードの取得は任意でありながら、マイナンバーカードを持たない学生が、図書館利用と授業時間外の建物の入室を認められないのは、憲法第二十三条や「図書館の自由に関する宣言」に反するのではないのか。このことは、大学の自治をもってしても正当化できないのではないか。
二 本人確認書類をマイナンバーカードのみに限り、マイナンバーカードの取得を事実上強制することはあってはならないのではないか。
三 キャンパスのデジタル化の手法は様々あるもとで、マイナンバーカードの活用の実績について、国立大学法人制度の中で評価を開始し、運営費交付金の配分に反映することは、大学の自治の侵害になるのではないか。
右質問する。