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令和五年六月十五日提出
質問第一一三号

所得税法第五十六条の見直しに関する質問主意書

提出者  青山大人




所得税法第五十六条の見直しに関する質問主意書


 所得税法第五十六条(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)は、家族従業者の働き分を必要経費として認めないことを規定している。
 白色申告の場合、事業主の所得から、配偶者である事業専従者は最大で年間八十六万円、その他の事業専従者は同五十万円を控除されるのみで、長時間の勤務を時給換算すれば最低賃金を下回る場合もあるため、自営業者の配偶者や家族は社会的にも経済的にも自立しにくく、事業の後継者育成の大きな妨げにもなっている。
 年間八十六万円や五十万円の給与では社会的経済的自立は難しく、これでは、家業の後継者となることを諦め、他の働き方を選択することを促すことにつながるといえる。言い換えれば、従業員が他人であれば相当な給与が支払われるところ、従業員が配偶者等であるか他人であるかで、同じ労働内容であっても対価に著しく差が生じているのである。
 また、青色申告の場合は労務の対価として相当と認められる範囲内において全額が必要経費として認められるが、働いている実態があり商売に応じた記帳を行っているにもかかわらず白色申告では一定の額までしか経費として認められないという取扱いは、不合理であるといえる。このような青色申告との取扱いの差異を申告方式の違いに起因するものにすぎないと捉えるのは、所得税法第五十六条が自営業者の配偶者等の経済的自立の妨げとなるという問題意識から目をそらすことになる。
 そもそも、同法第五十六条は家父長制に由来する世帯課税を背景にしているとも言われ、女性の社会進出が進み、兼業や副業の促進がなされ、男女間の賃金格差の解消に取り組む現代日本においては、既に時代遅れとなってきている。また、全国の自治体による意見書の他、国連女性差別撤廃委員会による勧告など、見直しを促す動きが高まってきている。立法の根拠となった社会背景の変化に応じ、適切な法改正を検討すべきである。
 そこで以下質問する。
 所得税法第五十六条の見直しや廃止を検討すべき段階にきていると考えるが、政府の見解、検討状況、今後の取組みについて伺う。

 右質問する。

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