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答弁本文情報

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令和五年六月二十七日受領
答弁第一一三号

  内閣衆質二一一第一一三号
  令和五年六月二十七日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員青山大人君提出所得税法第五十六条の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員青山大人君提出所得税法第五十六条の見直しに関する質問に対する答弁書


 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第五十六条においては、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族(以下「配偶者等」という。)が、当該居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得(以下「所得」という。)を生ずべき事業(以下「事業」という。)に従事したこと等により給与の支払を受ける場合には、当該居住者の所得の金額の計算上、その支払をした給与に相当する金額は必要経費に算入しないものとされている。これは、親族間の恣意的な所得の分割による租税回避を防止する観点から設けられた制度であるところ、同法第二条第四十号に規定する青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者(以下「青色申告者」という。)については、帳簿等により、その給与の支払の実態等を確認できることから、同法第五十七条第一項の規定により、同法第五十六条の規定にかかわらず、その配偶者等で専ら当該青色申告者の営む事業に従事するものが当該事業から同法第五十七条第二項の書類に記載されている金額の範囲内において支払を受けた給与の金額でその労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度、当該事業の種類及び規模等の状況に照らしその労務の対価として相当であると認められるものについて、当該青色申告者の所得の金額の計算上、実額で必要経費に算入することが認められているところである。他方、事業を営む居住者で青色申告者以外のもの(以下「白色申告者」という。)については、帳簿等において資産の状況まで記録することが義務付けられておらず、その給与の支払の実態等の十分な確認が困難であることを踏まえ、青色申告者と異なり、その配偶者等で専ら当該白色申告者の営む事業に従事するものに支払をした給与を当該白色申告者の所得の金額の計算上、実額で必要経費に算入することは認められていないが、同条第三項の規定により、実際の給与の支払の有無にかかわらず、定額の控除が認められているところである。
 このように、現行の制度は、親族間の恣意的な所得の分割による租税回避を防止することを目的として、青色申告者と白色申告者の記帳の水準の違いを勘案した制度設計となっていることから、「所得税法第五十六条の見直しや廃止を検討すべき」とのお尋ねについては、白色申告者による記帳や帳簿等の保存の状況等も踏まえて、引き続き、丁寧に検討する必要があると考えている。

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