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令和五年十月二十四日提出質問第一三号
原子力災害住民避難計画に係る段階的避難に関する質問主意書
提出者 吉田はるみ
原子力災害住民避難計画に係る段階的避難に関する質問主意書
原子力災害に係る住民避難計画は、「原子力災害対策指針」により、全面緊急事態に際しては、PAZ(原発から概ね半径五キロメートル圏内)の住民は、放射性物質の放出前に即時避難すること、UPZ(原発から概ね半径五〜三十キロメートル圏内)の住民は、まず屋内退避をし、次いで放射性物質の放出後、緊急時モニタリングの結果に基づき、空間放射線量率が一定値以上となる区域の住民が避難または一時退避すること(要配慮者は別扱い)とされており、段階的避難の手法を採用している。これでは、UPZの住民は、少なくとも低線量の被ばくを受忍することになる。
一斉避難ではなく段階的避難とすべき正当な理由がなければ対象住民の理解は得られないと考えるところ、「原子力災害対策指針」には、段階的避難の理由の記載がない。
他方で、内閣府のホームページ「原子力防災」の「よくある御質問」には、問い「UPZの住民は屋内退避することになっていますが、被ばくが心配です」の回答として「放出された放射性物質が通過する時に車中内を含めて屋外にいることで、かえって被ばくすることを回避するためです」とある。しかし、避難中の被ばくのおそれは、即時避難をするPAZの住民にも当てはまることであり、説得力に乏しい。
また、内閣府の広報リーフレット「原子力発電所からおおむね五〜三十キロメートル圏内にお住まいのみなさまが行う屋内退避について」には、問い「なぜすぐに避難しないの?」の回答として「慌てて避難すると、避難渋滞に巻き込まれ渋滞中に被ばくしたり、体調が悪化するなど、様々な危険が伴います」とある。
一 これらを合わせると、避難渋滞を引き起こさないように、段階的避難を採用したと考えられるが、その理解で良いか。段階的避難を採用した別の理由があるのであれば、その理由は何か。
右質問する。