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令和五年十一月一日提出
質問第一八号

岸田内閣の税制等にかかる政策の方向性に関する質問主意書

提出者  山井和則




岸田内閣の税制等にかかる政策の方向性に関する質問主意書


 本年十月二十七日、三十日の衆議院予算委員会での質疑等を踏まえ、岸田内閣の税制等にかかる政策の方向性について確認させて頂きたいと考えています。
 そこで以下のとおり、質問します。

一 「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」(令和五年六月十六日閣議決定)、「わが国税制の現状と課題」(税制調査会答申、令和五年六月三十日)で、退職金への課税の見直しについて言及されています。これを踏まえ、二〇二四年度税制改正では退職金課税の見直しを行いますか、それとも行いませんか。また、二〇二五年度税制改正では見直しを行いますか。さらに、退職金課税の見直しはいつから行いますか。加えて、もし、未定あるいは検討中、という回答であれば、退職金課税が実施される可能性があると理解してよろしいですか。
二 十月二十七日の衆議院予算委員会で防衛増税について問われた際、岸田総理は、「防衛力強化の租税措置についてでありますが、この部分については、(中略)令和六年度から実施するという環境にはなく、定額減税と同時にこれを実施するということにはならないと考えております。」と答弁しました。この答弁によれば、令和七年度から防衛力強化の租税措置、防衛増税を実施する可能性はありますか。また、定額減税が令和七年度にも実施される場合、防衛増税も令和七年度に実施される可能性はありますか。さらに、将来的に、定額減税と防衛増税が同一の年度に同時に実施される可能性はありますか。
三 十月三十日の衆議院予算委員会での早稲田委員から高校生までの児童手当拡充と扶養控除の廃止について問われた際、岸田総理は、「高校生の扶養控除の排除等を前提として議論している、こういった事実は全くありません」と答弁しました。高校生までの児童手当の拡充に合わせて、高校生の扶養控除を廃止することはあり得ませんか。あるいは、高校生の扶養控除を減額することはあり得ませんか。
四 財政制度等審議会財政制度分科会の答申「歴史的転機における財政」(令和五年五月二十九日)の中で、「昨年十月には一定所得以上の後期高齢者に二割負担が導入されたが、これを更に進め、原則二割負担とすることも今後の課題であり、前向きに検討される必要がある。」とされています。この「原則二割負担」とすることを令和五年末までに決定する可能性はありますか。また、令和六年末までに決定する可能性はありますか。
五 社会保障審議会介護保険部会では、「給付と負担について」が議事とされ、利用者負担割合について医療保険の患者負担割合との比較が行われており、令和五年九月四日の読売新聞朝刊では、制度改正の主なテーマとして「自己負担二割の対象拡大」が示され、その内容について詳しく報じています。そこで、介護保険の利用者負担が二割となる利用者を拡大することを、令和五年末までに政府として決定する可能性について政府の見解を示してください。
六 令和五年十月十八日の朝日新聞朝刊では、「政府・与党は月内に取りまとめる経済対策で、介護職らの賃上げを盛り込む方針を決めた。政府内には月六千円引き上げる案があり、最終調整している。来年二月の実施を目指す。」と報じられています。一方、日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、十月十八日に厚生労働省に「二〇二四年度介護報酬改定に向けた署名活動」に寄せられた六十二万二千三百六十五筆の署名を提出した際、「介護業界の喫緊の課題は人材不足。今年の春の賃上げでは一般企業の賃上げ率は三・五八%。一方NCCUの賃上げ率は有額回答で一・六%、しかも半数以上の組合員は賃上げがゼロで、定期昇給もない。国が処遇改善を行っても、まったく追いついていない。」と訴えました。また、十月二十日の毎日新聞朝刊では、「介護職らの処遇改善策として月六〇〇〇円の賃上げをする案について、介護サービスの事業者などで構成する十二団体は十九日、岸田文雄首相と面会し「それでは足りない」と訴えた。」とされています。介護職員の処遇改善は、月六千円では全く不十分と考えますが、政府の見解を示して下さい。
七 こども家庭庁が公表している「令和六年度 放課後児童対策・こども・子育て支援関連予算 概算要求の概要」の「放課後児童クラブの受け皿整備の推進」中で、放課後児童支援員等処遇改善等事業等の処遇改善メニューが掲げられていますが、こうしたメニューにより、放課後児童クラブの支援員の給与は、月額いくら程度上昇しますか。また、支援員の人手不足を解消するためには、さらなる大幅な処遇改善が必要と考えますが、政府の見解を示して下さい。
八 「こども未来戦略方針」(令和五年六月十三日閣議決定)の中で、「一歳児及び四・五歳児の職員配置基準について一歳児は六対一から五対一へ、四・五歳児は三十対一から二十五対一へと改善する」とされているが、この保育士等の人員配置基準引上げは、来年度のいつから実施しますか。また、それはいつまでに決めますか。
九 マイナ保険証について岸田総理は、十月二十四日の衆議院本会議で、「現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提との方針にのっとり、ひもづけの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断された場合には、必要な対応、これを行ってまいります。」と答弁しました。このうち「更なる期間が必要と判断」、すなわち健康保険証廃止を延期する判断には、令和五年九月時点でオンライン資格確認システムの利用状況におけるマイナ保険証の利用率がわずか四・五%でしたが、この利用率の低さも考慮要件の一つになりますか。また、この利用率四・五%という数値は、マイナ保険証に対する国民の不安の表れと考えますが、見解を示して下さい。
十 十月三十日の衆議院予算委員会で、岸田総理は、「この表でいきますと、資格情報のお知らせも携帯とありますが、これは携帯しなくてもよいということだと思います」と答弁しました。一方、第百六十六回社会保障審議会医療保険部会(令和五年八月二十四日開催)で厚生労働省が提出した資料には、「○オンライン資格確認の義務化対象外の医療機関等を受診する際などに、・マイナ保険証と合わせてスマートフォンを携行し、受診時に、マイナポータルの被保険者資格情報を提示することで、受診可能とする。・マイナ保険証と、「資格情報のお知らせ」やこのお知らせを容易に携帯して利用しやすくする工夫をしたものを一緒に提示することで、受診可能とする。」との記述があります。また、令和五年八月八日に示された「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会 最終とりまとめ」(以下、「最終とりまとめ」という。)では、「資格情報のお知らせを交付する。なお、当該お知らせについては、容易に携帯して利用ができるような工夫をし、マイナ保険証と一体で携帯することで、オンライン資格確認の義務化対象外の医療機関等も受診しやすくなると考えられる。」とあります。予算委員会での岸田総理の答弁は、医療保険部会や「最終とりまとめ」の方針と異なりませんか。また、資格情報のお知らせを携帯しなくてもよいという方針は、いつ、どこで決定されましたか。

 右質問する。

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