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令和五年十一月九日提出
質問第一九号

ALPS処理水の海洋放出に関する質問主意書

提出者  原口一博




ALPS処理水の海洋放出に関する質問主意書


一 東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)において、ALPS処理水及び処理途上水(以下「ALPS処理水等」という。)を敷地内のタンクに貯蔵しており、そのうちおよそ七割は放射能濃度が国の定める放出基準値以上とされているが、全てのタンクの水を測定したわけではなく、一部のタンク群のみのデータから推定している。
 1 放射線影響評価でソースタームとして示されている三タンク群(K−4、J1−C、J1−G)については、いつの時点の汚染水を処理したものか。また、タンク底に放射性物質が沈殿するなどタンク内で放射能濃度に偏りがあるのではとの指摘があるところ、タンク群内の六十四核種のデータ分析の対象となったALPS処理水等について、タンク内の上部、中部、底部など、具体的な採取場所に関し、政府として把握しているところを示されたい。
 2 ALPS処理水等のうち、六十四核種の詳細な測定を行っているのは福島第一原発敷地内に保管しているタンクの水全体のうちどの程度か、政府として把握しているところを示されたい。また、海洋放出の実施前に、それらのタンク内のALPS処理水等に含まれる放射性物質の全容を把握すべきだったと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 政府は福島第一原発の廃炉作業を安全に進めるためとしてALPS処理水の海洋放出を実施しているが、それよりも優先されるのが防潮堤の整備である。福島第一原発の原子炉建屋等は損壊しており、津波被害を防止する必要性は、東日本大震災の発生時よりも高い。現在の福島第一原発の防潮堤の整備状況について、政府として把握しているところを示されたい。
三 ALPS処理水に含まれている放射性物質が生物濃縮するのかどうかについて、また人間が海産物を食べた場合の内部被曝についての事前の調査・検討状況について示されたい。
四 令和三年八月九日のNHKの報道では、原爆投下による残留放射線について米国が隠蔽していた事実が明らかとなったと報じられている。また、平成三十年八月十九日に共同通信が報道するまで、政府及び東京電力は、ALPS処理水の中には、処理が十分でないために、トリチウム以外の放射性物質が除去しきれず基準値を超えるものが存在しているという事実を公表していなかった。政府は今般のALPS処理水の海洋放出について科学的根拠に基づいたものとしているが、不都合な事実も含めてあらゆる情報を公開した上でなければ、科学的根拠に基づいた判断とは言えないと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 中国に加えロシアも日本産の海産物の禁輸の開始を発表したが、政府はこうした状況をALPS処理水の海洋放出前に想定していたのか、その検討状況を示されたい。また、風評被害対策として当初は三百億円としていた基金が二度積み増されているが、場当たり的な対応になっていないか、海洋放出前に十分にその影響を検討・精査していたのか、放出前に風評が生じないよう十分な対策がとられていたのかについても示されたい。

 右質問する。

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