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令和五年十一月九日提出
質問第二九号

岸田外交の基本姿勢に関する質問主意書

提出者  原口一博




岸田外交の基本姿勢に関する質問主意書


 岸田総理大臣は第二百十二回国会における所信表明演説において、安全保障環境は戦後最も厳しいものになっていると述べているが、その厳しい安全保障環境を招いているのは岸田総理大臣自身であると認識している。岸田総理大臣は外務大臣を長く務められ、外交が得意との自負があるとの報道もされているが、岸田外交の基本姿勢について、以下に挙げる問題を含めて、政府の見解を示されたい。

一 所信表明演説では、「ロシアのウクライナ侵略」、また、中国を念頭にしたと思われる「一方的な現状変更の試み」などを挙げて、安全保障環境は戦後最も厳しいものになっていると述べたが、現在、我が国はロシアと敵対する理由はなく、中国とも敵対する理由はない。実際に、安倍政権時には、二〇一四年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合したが、その際、特定個人の入国査証発給禁止等の措置をとったものの、二〇一六年からは産業振興やエネルギー開発協力などの八項目の「協力プラン」を提案し事業を進めてきた。一方、現在は、同事業は当面見合わせることとしている。当時と現在とで、ロシアがウクライナに軍事攻撃した際の政府の北方領土問題を含めた対ロシア政策に整合性がないのではないか。
二 岸田総理大臣は、本年七月に中東を歴訪しサウジアラビアを訪問したが、その際の報道で、同国が最近は中国への傾斜が目立っているとした上で「首相は戦略的パートナーシップと位置付けるサウジとエネルギー分野での協力などを通じて関係を強化し、中国との間にくさびを打ち込みたい考え」と論じているものがあった。仮にそのような考えで訪問したとすればとんでもないことで、他国が協力し合おうとする関係に我が国が「くさびを打ち込む」とする理由はあるのか。
三 ウクライナ危機における対ロシア制裁によりロシアからの輸入禁止措置がとられたことで、我が国の原油の中東地域への依存度は、二〇二三年五月、六月には九十七%に達している。我が国企業が参加するロシアの石油・天然ガスプロジェクトであるサハリン1・2の権益も奪われかねない事態にも陥った。エネルギー安全保障の観点からしても、岸田外交は我が国の国益に即さない間違った方策をとっているのではないか。
四 北朝鮮に対して、第二百十一回国会の施政方針演説では「私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意であります。」と述べていた。しかし、第二百十二回国会の所信表明演説では「金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めてまいります。」となり、「条件を付けずに」との文言が外されているのはなぜなのか。
五 同施政方針演説で、ロシアとウクライナについては「強力なウクライナ支援、対ロシア外交の大転換を進め」と述べているが、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との和解を仲介する考えはないのか。
六 イスラエルとパレスチナ武装勢力との間の衝突においても、我が国はこれまでパレスチナに対する人道的支援、パレスチナ経済自立のための平和と繁栄の回廊構想といった我が国独自の取組を実施してきたにもかかわらず、イスラエル・パレスチナ情勢について我が国独自の外交姿勢をはっきり示せていないのはなぜか。

 右質問する。

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