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令和五年十一月九日提出
質問第三〇号

ロシアのウクライナに対する軍事攻撃に関する質問主意書

提出者  原口一博




ロシアのウクライナに対する軍事攻撃に関する質問主意書


 ロシアがウクライナに対して行っている軍事攻撃が続いている。ゼレンスキー大統領は各国を訪れて武器を求め、プーチン大統領も北朝鮮から武器を調達しようとしている。ウクライナの青(空)と黄(小麦畑)から成る豊かな大地に暮らす人々に、一日でも早く平和が訪れるようにとの願いの下、以下、質問する。

一 二〇二二年二月二十四日にロシアがウクライナに対して軍事攻撃を開始してから一年半以上が経過した。その間、我が国はウクライナに対して様々な支援を実施しており、政府は復興のための支援も約束している。実施した支援には二国間でのものと国際機関を通じてのものがあり、人道的な支援からドローンや防弾チョッキ等の軍事装備品、百台規模のトラック等の自衛隊車両等の提供を行っていると承知しているが、我が国がこれまでに実施した支援の総額はいくらになるのか、また、復興のための支援の約束をした理由は何か。
二 他方で、ウクライナは中国と「中国・ウクライナ友好協力条約」を二〇一三年に締結しており、その内容には「ウクライナが核の脅威に直面した際、中国が相応の安全保障をウクライナに提供する」というものが含まれているとのことであるが、政府はその内容を承知しているか。
 中国について「台湾の有事は日本の有事」と、さも中国が仮想敵国であるかのような言い方をする元閣僚もいたが、そのように認識している中国と友好協力条約を締結しているウクライナを、我が国はどのような見地から支援するのか。
三 政府はロシアの軍事攻撃を「侵略」と呼んでいるが、ロシアのクリミア「併合」の後、二〇一四年九月のウクライナ東部紛争をめぐる和平合意であるミンスク合意以来起きたことを考えると、「侵略」の定義を考える必要があるのではないか。例えば、過去に起きたベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン紛争、リビア内戦又はコソボ紛争についても同様で、Aが行った軍事攻撃は「侵略」で、Bが行った軍事攻撃は「侵略ではない」というのはダブルスタンダードではないかと思える。政府はどのように「侵略」を定義しているか見解を示されたい。
四 二〇〇三年のイラク戦争に際して、米国のパウエル国務長官が国連安全保障理事会でイラクのフセイン政権が大量破壊兵器の開発を続けているなどと非難する演説を行った。それに対して当時、それは間違いであるとの質問を予算委員会やテロ特委員会などで行ったが、政府からはそうではないとばかりの強弁をされた。しかし、残念ながら指摘されたとおり、その後の調査で大量破壊兵器は発見されなかった。結局、誤った情報で主権国家の元首であるフセイン大統領を処刑したことになる。ある国が国際法を自分たちがいかようにも解釈できるとばかりに、一方的に判断できるのか政府の見解を示されたい。
五 ウクライナでは同国への支援に絡んで汚職や不祥事が横行し、それにより政府高官が相次いで解任されるという事態が起こっている。汚職問題については米国が拠出する巨額資金が不正の温床になっているとみられ、米国は九月に同問題を監視する検証チームを現地に派遣したとの報道もされた。また、米国ではウクライナにこれ以上お金を出すべきではないとの声もあり、十月一日から始まった二〇二四年会計年度については、ウクライナ支援に係る拠出は盛り込まれていない十一月十七日等を期限とする「つなぎ予算」が成立するのみとの事態になっている。
 我が国とウクライナは軍事同盟関係にあるわけでもなく、我が国が北大西洋条約機構(NATO)に加盟しているわけでもない。それにもかかわらず、ウクライナを我が国が支援する根拠は何か。また、我が国がウクライナに提供した装備品、支援金等は本来受け取るはずの、然るべきところに届いているのか、支援金等の流れは検証されているか示されたい。
六 公安調査庁が毎年ホームページで公開している『国際テロリズム要覧』の二〇二一年版(『国際テロリズム要覧2021』)において、当初「ネオナチ組織がアゾフ大隊を結成した」等の記載があったが、ロシアのウクライナへの軍事攻撃と軌を一にして、二〇二二年四月に削除された。また、カナダでは本年九月にウクライナのゼレンスキー大統領が国会で演説をした際に、カナダ下院議長が誤った認識でナチス・ドイツ指揮下の部隊で戦った退役軍人を招待してその場で称讃したことが問題になっている。
 ファッショ、あるいはナチスとの関係はどんなことがあっても許されないと考えるが、右記の出来事に対するものを含めて政府の見解を示されたい。

 右質問する。

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