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令和五年十一月二十四日提出
質問第七二号

生涯現役を推進するための後期高齢者への傷病手当金支給に関する質問主意書

提出者  早稲田ゆき




生涯現役を推進するための後期高齢者への傷病手当金支給に関する質問主意書


 七十五歳を超えてなお活き活きと現業で働く高齢者が増えている。内閣府発行の令和五年版高齢社会白書によれば、令和四年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)を見ると、六十五〜六十九歳では五十二・〇%、七十〜七十四歳では三十三・九%となっており、いずれも平成十七年以降上昇傾向であって、七十五歳以上では十一・〇%と平成二十七年以降上昇傾向となっている。また内閣府の「高齢者の経済生活に関する調査」(令和二年一月実施)によれば、七十五歳を超えても働き続けたいと願っている人が、六十歳以上の約二十五%に達している。
 他方、医療保険制度上、七十五歳になると、どのような就業や生活スタイルの方であろうと全員、都道府県毎に全市区町村が加入する広域連合が保険者である後期高齢者医療保険制度に強制加入することとなっているところ、この後期高齢者医療保険制度において、傷病手当金の支給は任意となっている。
 被保険者が病気やケガのために仕事を休まざるを得なくなり、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給される傷病手当金制度は、誰にとっても働き続けるために必要な制度であり、とりわけ加齢とともに病気やケガのリスクが高まる意味では、働く高齢者にはきわめて重要な制度であると考える。
 なお、国民健康保険制度においても、傷病手当金が支給されていないところ、私は令和三年六月十日にフリーランスなど個人事業主に対する傷病手当金の支給に関する質問主意書を提出し、「国保に加入している個人事業主、非正規雇用の被用者に対しても傷病手当金を支給することを法定化」することを訴えるとともに、「全国でどれくらいの自治体が単独予算で個人事業主に傷病手当金や傷病見舞金を出しているか」の実態把握を求めたところ、「傷病手当金等の支給を行うこととしている市町村について調査を実施し」「今後、当該市町村における当該傷病手当金等の支給額の算出方法等について公表する」との答弁を受けとっている。
 後期高齢者医療保険制度においても国民健康保険制度においても、傷病手当金を支給しない理由として収入の把握が困難であると言われてきたが、コロナ禍においては、どちらも被用者のみを対象に、公衆衛生上の感染拡大防止を目的として、特例的に新型コロナウイルス感染症に限っての傷病手当金を、国からの一定の補助を受け、全ての自治体で制度を用意したこともある。
 以上に示した事実と私の観点を踏まえて以下、質問するので政府としての見解をあきらかにされたい。

一 全国の後期高齢者医療保険制度においても、傷病手当金制度の有無について調査を実施し、実態把握を国として行うべきではないか。
二 七十五歳以降も働き続ける被保険者が希望すれば、後期高齢者医療保険制度へ強制的に移行させられることなく、協会けんぽ、健康保険組合、共済組合など従前の医療保険制度に残ることができるよう、選択制を導入すべきではないか。
三 後期高齢者医療保険制度においても、傷病手当金の支給を保険者に義務付けるべきではないか。
四 定年退職後、いったん国民健康保険制度に加入してから後期高齢者医療保険制度に移行する方が多いことも踏まえれば、給与等の支払いを受けていない自営業者・事業主・フリーランス等の方も対象とし、国民健康保険制度においても傷病手当金の支給を保険者に義務付けるべきではないか。
五 以上に述べた取組について、そのような要望が国に届いていないから、まだニーズに厚みがないからなどという理由で検討にさえ着手しないのは、先見の明なし、行政府の不作為とのそしりを免れないのではないか。少子高齢化、労働力不足の時代にあって、生涯現役、高齢者の就業継続を積極的に政策誘導すべきなのではないか。そのために今から二〜四のような制度改正を行うべきではないか。

 右質問する。

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