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令和五年十二月六日提出
質問第九七号

デジタルプラットフォームを悪用した詐欺行為等に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




デジタルプラットフォームを悪用した詐欺行為等に関する質問主意書


 昨今、SNSを見ていると、実在する有名企業や著名人を広告塔として悪用し、投資を呼びかけているかのように見せかける巧妙な偽広告や偽サイト、偽アカウントが散見される。
 日本テレビ「news every.」の過去の放送が加工され、ユーチューブやフェイスブックにおいて、あたかも実際に放送されたかのように偽の広告動画が投稿されていた、といったSNS情報もあり、そこでは、岸田総理が詐欺の広告塔として悪用されている。また、単に著名人の顔写真等を悪用した偽広告に加えて、例えば、岸田文雄総理大臣や孫正義氏の偽広告は、リンク先が日本経済新聞を模倣したサイトの作りになっており、天皇皇后両陛下や三木谷浩史氏の偽広告は、リンク先が朝日新聞を模倣したサイトの作りになっているなど、騙される方もいるかもしれないというレベルの巧妙な作りとなっている。
 政府としても、早急に対応すべき重要な課題だと考える。
 そこで、以下質問する。

一 報道によると起業家の前澤友作氏は、肖像権を侵害した広告や詐欺目的の広告の配信停止を求め、これまでにおよそ二千の偽広告の削除要請をフェイスブックを運営するメタ社に行ったとのことである。しかしながら、メタ社の日本法人であるフェイスブックジャパンからは文書で「問い合わせに回答する主体ではないのでいかなる対応もできない。問い合わせはアメリカの本社にして下さい」という回答があり、前澤氏はアメリカのメタ社に直接文書を送ったとのことである。前澤氏は「ユーザーからしたら、管轄や責任の所在など知る由もない。本国とのやり取りで生じる時間的・費用的負担については、仕方ないが一定覚悟している」とコメントしている。
 海外に本社を持つ法人の日本法人が適切な対応をしていないことに対して、政府はどのように対応しようとしているか。
二 日本弁護士連合会の意見書によれば、詐欺行為等に関与した加害者がSNSのアカウントを削除することで、自らを特定する情報を抹消できてしまう可能性があることが報告されており、実際に弁護士会照会(弁護士法第二十三条の二)に対する大手SNS事業者からの回答書の中には、「対象アカウントが退会しているので調査できない。」旨の回答も複数存在していたとのことであった。
 詐欺行為などに関与した者たちが、アカウントを削除することで、自らを特定する情報を抹消することができるのであれば、証拠隠滅を行うことが容易になるという懸念がある。
 政府は大手SNS事業者による適切な本人確認・記録の保管の必要性やその在り方と必要な施策についてどのように考えているか。
三 二〇二三年十一月八日の衆議院内閣委員会において、松野内閣官房長官より、「SNSなどのデジタルプラットフォームで配信されている広告の中に、本人や組織の許可を得ずに、本人であるかのように加工、編集された偽広告が流通していることは承知しており、重要な課題だと認識をしています。」と回答いただいている。そのため、政府としても適切に対応をしていくものと考えているが、捜査に関して障害になっていることや難しさなどがあれば、その詳細について答弁されたい。
四 同委員会において、私から、「政府から偽広告の被害に遭われている著名人に依頼をして、国民に対してしっかりと訴求をするコンテンツを作成して、注意喚起を行っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。」と尋ねた際、松野内閣官房長官から、「注意喚起についてどのような手法が効果的かについては、関係省庁において連携して検討してまいります。」といった答弁があったが、検討の状況と対応の具体策について答弁されたい。
五 同委員会において、私から、「日本においても、安心、安全なデジタルスペースを築くために、EUを見習ってデジタルプラットフォーマーへの規制、これをしっかりと強化をして対応していただけませんか。」と尋ねたのに対して、松野内閣官房長官から、「デジタル広告に関しては、関係省庁間で連携して競争政策、消費者保護等の観点から取組を行いつつ、我が国における対応について、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。」との答弁をいただいた。これについて、現時点で検討の必要性を認識しているか、また、検討の必要があると考える場合には、その具体策について答弁されたい。
六 同委員会において、岸田総理が詐欺と見られる投資勧誘の広告塔として悪用されている事例を指摘した。日本国の内閣総理までもが詐欺の広告塔に悪用され、こうした状況が是正されるどころか、今でも日々広告掲載されており、この質問主意書を提出した同年十二月六日時点においても、まだその詐欺と見られる広告がフェイスブックにて確認できる。
 私から「重要な課題だと認識をしているということで、総理まで使われている広告に対して、やはり厳正に対処していく必要性があるという認識でよろしいでしょうか。」と尋ねたのに対して、松野内閣官房長官から「先生の御指摘のとおりであります。」との答弁をいただいているが、現時点でもなお、解決できていない。この現状を政府はどのように考えているか。またどのように是正しようと考えているか答弁されたい。
七 同委員会において、私から、偽広告や偽サイトへの対応を念頭に、デジタルプラットフォーム事業者の対応や責任等について尋ねたところ、松野内閣官房長官から「デジタルプラットフォーム事業者による対応の在り方につきましては、国際的な動向や表現の自由の確保の観点も考慮し、デジタルプラットフォーム事業者を含む幅広い関係者の意見を踏まえ、必要に応じて対応を検討してまいりたいと考えております。」との答弁をいただいている。同年十一月八日以降、デジタルプラットフォーム事業者と現状の課題改善に向けた協議を実施しているのか。また、政府として、デジタルプラットフォーム事業者を含め、具体的にはどのように改善していくつもりか。

 右質問する。

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