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令和五年十二月八日提出
質問第一三一号

森林環境税と森林環境譲与税に関する質問主意書

提出者  吉田はるみ




森林環境税と森林環境譲与税に関する質問主意書


一 平成三十年五月に成立した森林経営管理法を踏まえ、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、平成三十一年三月に森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律(以下本法と言う)が成立し、森林環境税及び森林環境譲与税が創設された。
 森林環境税は、令和六年度から、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として一人年額千円を市町村が賦課徴収することになっている。
 森林環境譲与税は、市町村においては、@間伐等、A人材育成・担い手の確保、B木材利用の促進や普及啓発等に充てることとされている。また、都道府県においては森林整備を実施する市町村の支援等に充てることとされている。
 1 本法により、達成しようとしている我が国の温室効果ガス削減目標値の具体的な数値を示されたい。
 2 本法により、災害防止等のためどのような施策をするのか、具体的な項目を示されたい。
 3 本法による森林環境税は、いつまで徴収するのか。
二 当該譲与税については、令和元年の総額二百億円からスタートし、令和五年では五百億円と徐々に増加し、令和六年度からは総額六百億円が都道府県一割、市町村九割の按分で譲与されることになっているが、各市町村および各都道府県に対しては、私有林人工林面積(按分割合五十%)、林業就業者数(同二十%)及び人口(同三十%)による客観的な基準で按分して譲与されている。
 一方、この森林環境譲与税の活用実績を林野庁の公表データで見ると、制度が開始された令和元年では市町村への譲与額に対する活用額の割合は四十一%(都道府県では七十八%)であったが、令和四年の速報値では市町村の活用割合は七十八%(都道府県では九十七%)に高まり、本制度への理解が高まってきたといえる。
 しかしながら譲与総額が増えていることから市町村における未使用額は九十九億円となっており、この未使用額は市町村において基金として積み立てられている。例えば、東京都渋谷区では、令和元年から令和四年まで活用額が公表されているが、全額渋谷区都市整備基金に積み立てられている(令和元年度九百万円、令和二年度千八百万円、令和三年度千九百万円、令和四年度二千六百万円)。
 そして、当該譲与税は、私有林人工林面積が小さい市町村にも譲与されており、全国千七百四十一の市町村のうち千ヘクタール未満の私有林人工林を持つ市町村は七百六十四と四十四%を占めている。このうち、大都市の区部は、人口が多いことから譲与額も無視できない金額となっており、例えば、令和四年度の譲与額は、東京都杉並区で六千百八十三万二千円である。
 これらの都区部での活用事例をみると、多くは学校を含む区施設の新改築で家具や内装材の木質化であるとか、公園にウッドデッキを設置するなどがみられるが、上記森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保するという目的に照らして、本当に本制度にとって望ましい活用がなされているのか疑問がある。
 森林環境税は、非課税世帯以外の約六千二百万人といわれる納税義務者に対し、一律年額千円の課税という大変重い税である。同税が制度の趣旨にそって確実に使われるべきであり、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保するという目的を達成するならば、より効果の出る市町村に集中して補助することも考えられる。
 1 なぜ本法では全市町村に按分して補助するのか。その理由を、この税の目的と照らして説明されたい。

 右質問する。

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