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平成十三年一月三十日受領
答弁第四九号

  内閣衆質一五〇第四九号
  平成十三年一月三十日
内閣総理大臣 森   喜  朗

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員伴野豊君提出河川管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伴野豊君提出河川管理に関する質問に対する答弁書



1について

 平成十二年九月十一日から十二日にかけての名古屋市及びその周辺地域における記録的な集中豪雨(以下「東海地方集中豪雨」という。)により、広域にわたる浸水、これに伴う都市機能の麻痺等の重大な被害が生じた。これを受けて、建設省においては、時間雨量百ミリメートルを超える集中豪雨が多発している状況を踏まえ、東京、大阪等の都市部について、このような集中豪雨による重大な被害を生じさせないための事前対策、災害発生等における危機管理対策等として緊急に実施すべき事項を検討するため、学識経験者等で構成される都市型水害緊急検討委員会を同月二十一日に設置した。
 同委員会は、同年十月四日に、当面緊急に実施すべき事項についての緊急提言を取りまとめ、これを公表した。さらに、同年十一月九日には、この緊急提言で指摘した事項に加えて今後更に検討を加え実施すべき事項を示した「都市型水害対策に関する緊急提言」(以下「緊急提言」という。)を取りまとめ、これを公表し、これらの事項が関係機関の連携及び協力により実現されるよう提言した。
 緊急提言においては、強化すべき河川管理の事項及び充実すべき治水対策の事項の例として、次のようなものを掲げている。

 @ 堤防天端の舗装等による堤防強化の推進
 A 光ファイバ網の整備、監視カメラ等の監視設備の整備等による情報通信技術を活用した堤防監視の推進
 B 河川、下水道等の排水機場についての耐水壁の設置等の必要な耐水対策の推進
 C 水防活動を円滑に行うための河川防災ステーション、水防倉庫、側帯等の整備の推進並びに資材及び機材の輸送経路の確保
 D 洪水による浸水の範囲を示した地図に避難所、避難経路等を記入したもの(以下「洪水ハザードマップ」という。)の作成及び公表の推進

 国土交通省においては、緊急提言を踏まえて、河川管理の強化及び治水対策の充実に努めることとしている。
 また、国土交通省及び愛知県においては、東海地方集中豪雨による被災地について、再度災害の防止のために必要な対策の検討を行ってきたところである。
 この検討の結果、国土交通省においては、一級河川庄内川水系庄内川(以下「庄内川」という。)について、被災箇所の復旧を行うとともに、新川洗堰の嵩上げ、築堤、堤防強化、河道掘削、遊水地の整備、防災情報システムの整備、橋梁の改築、水防拠点の整備等を内容とする河川激甚災害対策特別緊急事業(以下「激特事業」という。)を平成十二年度から五年間に総額三百二十億円を集中的に投資して実施することとした。また、国道一号一色大橋の改築による流下断面の確保、同橋下流の越水箇所における堤防の嵩上げ、小里川ダムの建設等を実施することとしている。
 一方、愛知県においては、一級河川庄内川水系新川(以下「新川」という。)及び二級河川天白川水系天白川(以下「天白川」という。)について、被災箇所の復旧を行うとともに、築堤、堤防強化、河道掘削、内水排除の強化、遊水地の整備、防災情報システムの整備、橋梁の改築等を内容とする激特事業を同年度から五年間に総額五百五十億円を集中的に投資して実施することとしたと承知している。また、新川について、総合的な治水対策として、新川流域の河道改修、流域の関係市町村等と連携して行う雨水の貯留及び浸透のための施設の設置等を実施することとしていると承知している。
 これらの事業による整備の結果、東海地方集中豪雨と同程度の降雨が再度あった場合でも、庄内川、新川及び天白川においては、洪水が安全に流下されるとともに、内水による浸水被害が軽減されることとなると考えている。

2について

 治水計画については、過去に発生した水害の規模、降雨状況、地形、市街化の状況その他の土地利用の状況等の流域における特性を踏まえ、策定しているところである。また、このようにして策定した治水計画を踏まえ、総合的な治水対策として、河川改修、遊水地等の整備、市街化の進展の著しい地域における雨水の貯留及び浸透のための施設の設置の推進等を行うとともに、関係地方公共団体や地域の住民に対する洪水時における各種情報の提供体制の強化等を行うことは重要であり、その実施に努めているところである。
 さらに、関係地方公共団体、地域の住民等に対して洪水の氾濫が予想される区域等の情報をあらかじめ提供することも重要であると考えている。このため、国土交通省においては、洪水の氾濫による浸水が予想される区域の公表を行うとともに、関係地方公共団体に対して洪水ハザードマップの作成に係る技術的な助言を行っているところである。洪水ハザードマップの普及は、地域の住民による水害に対する備え、洪水の際の円滑な避難等に寄与するものであると考えている。

3について

 災害時における情報伝達の正確性と迅速性を高めることを目的として、河川の状況等を即時に把握する手段としては、河川管理用光ファイバ網の整備や監視用カメラ等による河川、排水機場等の監視体制の整備を進めることとしている。また、市町村においては、より確実に災害情報を伝達する手段として、防災行政無線の整備を進めることとしていると承知している。さらに、洪水ハザードマップの作成に係る技術的な助言を行うほか、インターネット等の情報システムの活用により、地域の住民、防災関係機関等との情報交換及びこれらの者に対する情報提供の円滑化を進めることとしている。
 東海地方集中豪雨による被災地においては、1についてで述べたとおり、庄内川については国土交通省が、新川及び天白川については愛知県が、河川管理用光ファイバ網の整備や監視用カメラ等による河川等の監視体制の整備を進めることとしている。また、被災地となった市町村の中には、防災行政無線の整備や洪水ハザードマップの作成を検討している市町村があると承知している。



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