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平成十四年三月一日受領
答弁第四二号

  内閣衆質一五三第四二号
  平成十四年三月一日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員辻元清美君提出食糧増産援助(2KR)のあり方に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員辻元清美君提出食糧増産援助(2KR)のあり方に関する質問に対する答弁書



1について

 平成六年度から平成十二年度までの間に我が国が食糧増産援助を実施したアフリカ諸国三十一か国のうち、二十七か国が供与された資金で農薬を調達している。この二十七か国による農薬の調達については、これらの被援助国が農薬の調達を希望したことを受け、我が国政府において、当該被援助国における農薬の使用状況、農薬関係法令の整備状況等を調査し、農薬が適切に使用される体制が整っていると判断した上で、これを認めたものである。
 食糧増産援助として供与された資金で被援助国政府が調達した農薬(以下「援助農薬」という。)は、当該被援助国政府の責任でその適切な使用が図られるべきものであり、我が国政府としては、被援助国において適切に使用されていることにつき、国際協力事業団(以下「JICA」という。)による被援助国政府及び関係機関からの事情の聴取、当該被援助国に派遣され現地を視察したJICAの調査団の報告等を通じて、可能な範囲内で把握・確認している。さらに、平成十二年度からは、被援助国政府との間で政府間協議会を開催し、食糧増産援助に係る問題について幅広く意見交換をしており、その際、被援助国政府に対し、援助農薬が適切に使用されたかどうか等について説明を求めている。
 なお、我が国は、技術協力としてアフリカ諸国から研修員を受け入れて農薬の使用に関する研修を実施し、被援助国における農薬の適切な使用の環境整備に努めているところであり、調達に係る農薬についても、食糧増産援助における農薬調達のガイドラインに基づき、誤使用を防止するため、容器の表示は適切な言語によることとしている。

2について

 食糧増産援助として供与された資金で被援助国政府が調達した農機、農薬、肥料等(以下「援助資機材」という。)が実際に食糧増産のために使用されたかどうかについては、食糧増産援助の実施を決定するに先立ち、食糧増産援助を希望する被援助国政府に対し、前年度以前に実施した食糧増産援助に係る援助資機材の配布・使用状況等を記載した要請書の提出を求め、JICAにおいて、当該要請書の内容に基づき、必要に応じて当該被援助国政府又は関係機関から事情を聴取するとともに、被援助国に派遣する調査団等を通じて実情を可能な範囲内で把握・確認している。さらに、平成十二年度からは、被援助国政府との間で政府間協議会を開催し、食糧増産援助に係る問題について幅広く意見交換をしており、その際、被援助国政府に対し、援助資機材が実際に食糧増産のために使用されたかどうかについて説明を求めている。
 なお、平成十三年十一月にモザンビーク共和国に派遣された外務省の職員及びJICAの調査団は、援助資機材について、その一部は綿花栽培にも使用されたものの、基本的には食糧生産に使用されたことを同国政府の関係者から確認しており、同国について御指摘のような事実はないと承知している。

3について

 御指摘の記述がいずれも国際連合食糧農業機関の農薬処理シリーズ第九巻として公表された「オブソリート農薬問題に関する基礎研究」と題する文書に基づくものとすれば、同文書の内容が正確に引用されていないが、いずれにせよ、一部の被援助国については、我が国政府及びJICAと当該被援助国政府及び関係機関との間の連絡が必ずしも十分でなかった点もあると考えており、今後こうした連絡を緊密にすることも含め、被援助国政府による農薬の調達に関して一層慎重かつ厳格に対応する考えである。
 なお、同文書には「エティオピアにおいては、日本国の食糧増産援助によって供与された農薬が、その品質保証期限を経過した後又はその間際になって遠隔地に到着することが時々ある」との指摘があるが、この点についての我が国政府の照会に対し、エティオピア連邦民主共和国政府は、援助農薬はその品質保証期限内に可能な限り速やかに末端の使用者に届くようにしているが、移動性害虫が数年間発生しない場合に限ってはその品質保証期限が経過することがある旨説明している。政府としては、念のため、エティオピア連邦民主共和国における農薬の使用状況等について改めて調査することが適切であると考えており、調査団の派遣を含む対応を検討しているところである。

4について

 モザンビーク共和国に関し、特に平成八年度及び平成九年度の援助資機材の配布については、同国における社会、経済及び政治的変化によって従来のように国営企業に行わせることができなくなり、不慣れな政府機関等が自ら担当したことが主たる要因となって、両年度の援助資機材については金額ベースで約二十三パーセント相当のものが配布されずに残っているが、残存する農薬、肥料等は、一部を除き倉庫等の中に良好な状態で保管されていると承知している。政府としては、この問題を解決するために同国政府、国際機関等と対応策を協議しているところである。
 エティオピア連邦民主共和国については、同国政府から、平成四年度から平成六年度までの間の援助資機材のうち耕耘機に装着し使用する施肥播種機数台(研究所で良好な状態で保管されている。)を除き、数年間配布されずに残っている援助資機材(以下「在庫資機材」という。)は無いとの説明を受けている。
 他のアフリカ諸国における在庫資機材の現状については、各国から公表を前提として説明を受けておらず、その内容を公表すると当該国との信頼関係が損なわれるおそれがあることから、個々の国についての答弁は差し控えたいが、平成三年度以降食糧増産援助を実施したことのあるアフリカ諸国三十五か国における在庫資機材の概要を申し上げると、@三十五か国のうち在庫資機材があると認められた国は半数以下であり、Aこれらの国のうちモザンビーク共和国等一部の国を除いては、在庫資機材の数量はわずかであり、B在庫資機材の保管状況は、一部自然災害等による被害を受けたものを除き、良好であると承知している。
 このように在庫資機材が発生した原因としては、@被援助国の配布等に係る実施体制の不備、A発注時から納入時までの間における被援助国での資機材の需要の変化、B被援助国の最終需要者の購買力不足、C病害虫が発生しなかったことによる備蓄農薬の残存等があると考えている。在庫資機材については、被援助国政府及び関係機関に対してその使用を促進するよう働き掛け、必要に応じこれらとの間で解決策を協議しているところであり、被援助国においては、例えば、当初の対象地域とは異なる地域における在庫資機材の使用、在庫資機材の販売価格の引下げ等様々な対応策を採っていると承知している。また、在庫資機材のうち農薬については、開発途上国に残存する未使用農薬に係る問題に対する国際的な取組の中でどのような協力が可能かについて、国際機関及び他の援助国と協議を行っているところである。

5について

 アフリカ諸国に対しては、平成六年度に約百二十二億円、平成七年度に約百二十四億円、平成八年度に約百二十一億円、平成九年度に約百四億円、平成十年度及び平成十一年度にそれぞれ約八十一億円、平成十二年度に約六十四億円(いずれも輸送費及び保険料を含む。)の食糧増産援助を実施しているが、これらは、アフリカ諸国からの要請を受け、食糧増産に資することによりアフリカ諸国における深刻な食糧不足を改善するため、平成六年に食糧増産援助技術検討委員会がJICAに提出した食糧増産援助を一層効果的かつ効率的に実施するための「食糧増産援助(2KR)にかかる提言」を踏まえた上で実施したものであり、御指摘のように「現地の状況を考慮せず」これらを実施したものではない。
 なお、同提言において「カンボディアに対する食糧増産援助に農薬を含めたことは誤りであったとの認識が示された」事実はないと承知している。

6について

 御指摘のような事態については、被援助国政府が国内法令等に基づき対処すべきものであり、政府として、被援助国政府との間であらかじめそのような事態を想定して防止策を取り決めているわけではないが、御指摘の見返資金については、被援助国政府との間の国際約束に基づき、被援助国政府が、我が国政府に対し積立状況を報告し、使途を協議することとされている。我が国政府としても、被援助国政府に対し、必要に応じ、御指摘のような事態を防止する措置を含め、見返資金を確実に積み立てて活用するための措置を講ずるよう働き掛けてまいりたい。

7について

 食糧増産援助は昭和五十二年度に開始されたが、当時は、国内関係法令に基づき我が国の化学肥料製造業は不況業種に指定され合理化を推進していたことにかんがみ、食糧増産援助として供与された資金で被援助国政府が化学肥料を調達する場合には、被援助国政府との国際約束により我が国産品を購入するものとしていた。また、当時は、肥料価格安定臨時措置法(昭和三十九年法律第百三十八号)により特定の肥料の価格について生産業者及び販売業者は取決めを締結することが認められていたことから、当該肥料につき我が国の業者を対象として競争入札をしても、一定価格を下回ることが事実上期待できないとの事情があったことにかんがみ、被援助国政府が正当な理由を付して随意契約を希望した場合にはこれを認めており、当該随意契約の締結に際しては、援助の円滑な実施の観点から、一定の基準を満たす我が国の商社を、取扱業者として被援助国政府に推薦していたものである。
 その後、総務庁(当時)が「経済協力(政府開発援助)に関する行政監察(第一次)結果に基づく勧告」(昭和六十三年七月)において、「外務省及び大蔵省は、援助の適正かつ効果的・効率的実施の確保を図る観点から、化学肥料製造業の合理化の進捗状況を踏まえ、肥料援助のアンタイド化等効果的・効率的援助方策について関係省庁と協議する必要がある」との勧告を行ったことから、我が国の化学肥料製造業の構造改善状況も踏まえつつ、被援助国政府との合意により平成元年度から段階的に調達先のアンタイド化を進めて平成四年度に全面的にアンタイド化するとともに、平成二年度からは原則として随意契約を認めず一般競争入札を行っているものである。
 なお、御指摘の商社による話合いに関する報道に係る事実については、当時、外務省において関係者から事情を聴取したが、その存在を確認するには至らなかったものである。

8について

 食糧増産援助の在り方については、資機材を購入する資金を被援助国政府に供与するという形態でこれまで実施してきたところであるが、被援助国の様々な援助要請に柔軟に対応できるよう、例えば、食糧増産に関連する農業技術指導を目的とした専門家の雇用にも供与した資金を使用することができるようにするといった改善を図っており、今後とも、被援助国の持続的食糧生産に一層効果的に寄与する適切な形態の援助が実施できるよう、御指摘の援助資機材の配布等食糧増産援助の実施に係る体制が十分でない被援助国に対する食糧増産援助の停止といったことも含め適切に対応してまいりたい。



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