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答弁本文情報

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平成十四年八月二十七日受領
答弁第一九五号

  内閣衆質一五四第一九五号
  平成十四年八月二十七日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 綿貫民輔 殿

衆議院議員中村哲治君提出我が国における条約難民の認定体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中村哲治君提出我が国における条約難民の認定体制に関する質問に対する答弁書



一について

 出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)上の「難民」とは、難民の地位に関する条約(昭和五十六年条約第二十一号。以下「難民条約」という。)第一条の規定又は難民の地位に関する議定書(昭和五十七年条約第一号)第一条の規定により難民条約の適用を受ける難民をいい、これは、国籍国を有する者の場合、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないもの、又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの」と定義されているところ、入管法第六十一条の二が規定する難民の認定とは、当該難民認定申請者がこのような難民に該当するか否かを判断するものである。
 これに対して、国際連合難民高等弁務官(以下「UNHCR」という。)が行う難民の認定は、UNHCRによる自主帰還、第三国定住、種々の物的援助等の各種保護を必要とする者をUNHCR事務所規程所定のUNHCRの権限の及ぶ対象者として認定するものであり、これは、難民条約所定の保護を与えることを目的とする難民条約締約国による難民の認定とは目的及び対象を異にする。
 したがって、UNHCRが難民の認定を行った者について、入管法上の難民の認定が行われるとは、必ずしもいえないものと考える。

二について

 入管法第五十二条第五項に規定する退去強制令書の執行としての収容は、退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときに、同人の送還を確実に実施するため、その身柄を確保するとともに、同人の本邦における在留活動を禁止することを目的とするものである。
 お尋ねのB氏についても、このような目的から収容したものであるが、右に述べた以上に収容の具体的理由と必要性を明らかにすることについては、個人の権利利益が害されるおそれ等があるため、答弁を差し控えたい。

三について

 十分な難民審査を行うことができるかどうかは、担当官の数の多少のみで決まるものではないと考える。
 平成十四年七月一日現在、入管法第二条第十二号の二の難民調査官に指定されている者は全国で四十四名(うち専従者四名)、難民調査官の補助に専従している入国審査官は四名である。難民の認定に関する事実の調査に従事する難民調査官は、難民認定申請者の国籍国等の人種、宗教、社会、政治等の国内情勢や日々刻々と変化する国際情勢について専門的な知識や情報を収集し、これらを十分理解することが必要であるところ、法務省においては、入国審査官の中から、このような職務を行うのにふさわしい資質を備えた者を難民調査官に指定しているところである。
 政府としては、現在、難民審査に支障が生じているとは考えていないが、最近の難民認定申請数の増加傾向にもかんがみ、これに十分対応できるよう、今後とも難民認定の審査体制の充実に努めてまいりたい。

四について

 難民認定申請者の国籍国等における人種、宗教、社会、政治等の諸情勢については、的確な難民認定に資するよう、難民調査官のみならず法務省入国管理局難民認定室においても、外務省や外国政府等の関係機関、一般書籍、報道、インターネット等から必要な情報を収集し、これを地方入国管理局に送付するなどしているほか、専門家を講師として招くなどして担当官に対する各種研修を開催しているところであり、今後とも的確な難民認定のためにこれら情報の収集及び分析体制の充実に努めてまいりたい。
 これらの情報については、その大部分は既に公になっているものであること、公になっていないものを公開すると、関係機関等当該情報の入手先との信頼関係が損なわれるおそれがあること等から、政府として公開することは考えていない。

五について

 入管法第六十一条の二が規定する難民の認定とは、当該難民認定申請者が一についてで述べた難民条約の適用を受ける難民に該当するか否かを提出された証拠や各種資料等に基づいて判断するものであって、一についてで述べたところ以上に具体的な審査基準はない。

六について

 UNHCRが難民であると認定し証明書を交付したことが判明した者について、退去強制手続により、国籍又は市民権の属する国への送還を執行した事例はない。
 また、右の者を含め退去強制を受ける者は、入管法第五十三条第三項により、法務大臣が日本国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き、難民条約第三十三条第一項に規定する領域の属する国に送還されることはない。

七について

 入管法第五十条が規定する在留特別許可は、在留を希望する理由、家族状況、生活状況、素行、内外の諸情勢のほか、我が国における他の不法残留者等への影響その他諸般の事情を考慮し、人道上の観点をも踏まえて総合的に判断して個別に決定しているものであり、UNHCRが難民であると認定したことをもって、直ちにこれが在留特別許可を与える事情となるものではないことから、一般には、右認定があったからといって在留特別許可の可否を改めて検討することはしていない。

八について

 難民認定の審査体制については、最近の難民認定申請数の増加傾向や難民の認定に関する事実の調査の高度化及び困難化にかんがみ、今後ともその充実に努めてまいりたい。
 現時点で具体的に予定していることとしては、難民調査官等に対する専門的な知識を涵養するための研修の継続的な実施などがある。



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