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答弁本文情報

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平成十六年七月六日受領
答弁第一三五号

  内閣衆質一五九第一三五号
  平成十六年七月六日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員計屋圭宏君提出世界自然遺産屋久島の自然環境保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員計屋圭宏君提出世界自然遺産屋久島の自然環境保護に関する質問に対する答弁書



一について

 屋久島では、登山者の遭難の防止及びマナーの向上等のため、地元関係者で構成される「屋久島山岳部利用対策協議会」において、登山者のための標識の設置、「マナーガイド」の作成及び配布等の対策を進めており、環境省の自然保護官もこれに参加しているところである。
 また、環境省においても、地元の方々を雇用し、登山道のパトロール及び維持管理の充実を図っている。
 お尋ねの登山口におけるゲートの設置については、設置の効果、必要性等に関し、現地の国有林を所管している林野庁や地元関係者との間で十分な検討を行った上で、その取扱いを判断する必要があることから、現段階で設置の時期をお示しすることは困難である。

二について

 屋久島には、現在、自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)に基づき指定された屋久島原生自然環境保全地域及び自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)に基づき指定された霧島屋久国立公園に関する事務を担当する職員として、三名の自然保護官を駐在させており、このうち一名は、世界自然遺産区域の生態系の保護に関する調査、企画、事業の実施等の事務を担当する世界自然遺産生態管理官を兼ねている。
 これらの自然保護官は、「屋久島山岳部利用対策協議会」の構成員として登山者に対する自然保護及び登山時の安全確保についての啓発を行っている。また、登山者の山岳遭難時の救助活動を行うことは本来の業務ではないが、「屋久島山岳遭難防止対策協議会」にその構成員として参加し、知見を提供することにより、山岳遭難の防止に努めているところである。

三について

 環境省においては、国立公園内のトイレを始めとする公園施設の整備に対して補助を行っており、屋久島の山岳地域のトイレについても、これまで、鹿児島県、上屋久町及び屋久町が整備した十一カ所のトイレのうち八カ所について補助を行っている。このうち、屋久島の登山道の中でも特に利用者の多い縄文杉ルートにおいては、平成十四年度に鹿児島県が整備したし尿を汚泥化処理する循環式トイレについて補助を行ったところである。
 屋久島における登山者の増加に対応するための山岳地におけるトイレの整備については重要な課題と考えており、縄文杉ルート以外の登山ルートにおいてもその整備が進むよう、関係機関との調整を図ってまいりたい。

四について

 上屋久町に電気自動車を導入した際に活用された新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助制度(「地域新エネルギー導入促進事業」)は、経済性等の課題を克服し新エネルギーの導入を促進するために、新しく導入する際の初期費用について支援を行う制度であり、バッテリーセルの更新等、その後の維持管理に要する費用については、補助対象とはなっていない。

五について

 エコツーリズムとは、地域の自然環境や歴史・文化を体験し、及び学習するとともに、それらの保全に責任を持つ観光の在り方をいい、その進展によって、環境の保全、観光の振興及び地域の振興に資するものと考えている。
 屋久島においては、既に、優れた自然をいかし、エコツーリズムの考え方を実践するエコツアーが盛んに行われ、多くのガイドが活動していると承知しているが、さらに、地域の関係機関、関係事業者及び地域住民が協議し、エコツーリズムに関する認識を共有して、エコツーリズムについて具体的な取組が一層進むことが望ましいと考えている。
 なお、環境省においては、地域におけるエコツーリズムの仕組みづくり等を目的として、屋久島を始めとする十三地区においてモデル事業を実施することとしており、このモデル事業の実施により、屋久島におけるエコツーリズムの進展に努めてまいりたい。



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