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答弁本文情報

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平成十六年六月二十九日受領
答弁第一七一号

  内閣衆質一五九第一七一号
  平成十六年六月二十九日
内閣総理大臣 小泉純一郎

       衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員松原仁君提出首都高速中央環状品川線の排気塔・換気所建設計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員松原仁君提出首都高速中央環状品川線の排気塔・換気所建設計画に関する質問に対する答弁書



一について

 都市高速道路中央環状品川線については、現在、東京都において都市計画決定の手続を行っているところ、平成十五年十一月に東京都が作成した「環境影響評価準備書―都市高速道路中央環状品川線(品川区八潮〜目黒区青葉台間)建設事業―」(以下「準備書」という。)においては、五反田換気所に除じん装置を設置することとされているが、脱硝装置は設置しない前提で大気質に係る予測・評価が行われていると承知している。

二及び三について

 一についてで述べたとおり、五反田換気所については、準備書において、脱硝装置を設置しない前提で大気質に係る予測・評価が行われており、お尋ねのような事実はないと承知している。

四について

 準備書においては、五反田換気所の換気塔(以下「五反田換気塔」という。)の供用に係る二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の影響は極めて小さくなるものと評価されており、五反田換気所の計画を変更する必要性については記載されていないと承知している。

五について

 首都高速道路公団からの報告によれば、首都高速中央環状新宿線の東中野換気所に関し、低濃度脱硝設備の設置によって低い濃度となる二酸化窒素及び浮遊粒子状物質が換気塔周辺の建物に及ぼす影響等をコンピュータシミュレーション等で検証した結果を踏まえ、平成十六年二月二十六日の地元説明会において、換気塔の高さは技術的には三十メートルまで下げることができる可能性があるが周辺建物の高層階への影響も考慮する必要がある旨の説明をしたと聞いている。

六について

 準備書においては、土壌を用いた大気浄化設備を設置することによりトンネル内の空気浄化を行うことを前提とした大気質に係る予測・評価は行われていないと承知している。

七について

 お尋ねの「三次元モデル」が何を指すのかが必ずしも明確ではないが、準備書においては、五反田換気塔からの排出ガスの拡散予測は、平成十三年七月に東京都が作成した「環境影響評価方法書―都市高速道路中央環状品川線(品川区八潮〜目黒区青葉台間)建設事業―」において示されたプルーム式及びパフ式を用いて行われているものと承知している。このプルーム式及びパフ式は、大気拡散現象を説明する移流拡散方程式から理論的に導かれた予測式であって、その有効性は多くの実験検証により立証されており、実態を反映し得るものと考えている。

八について

 道路の両側に建造物が建ち並ぶなど、大気の流れが局所的な特性に支配される箇所において、プルーム式及びパフ式による排出ガスの拡散予測を行った場合は、一般に、拡散予測の誤差が大きくなる傾向にあると考えられるが、準備書においては、五反田換気塔の高さは周辺の建造物よりも高く設定されており、建造物の存在が拡散予測の結果に与える影響は小さいものと考えている。

九について

 一般に、無風に近い状態の場合、時間の経過とともに排出ガスの拡散自体は進行するものの、有風時に比べ排出ガスが換気塔周辺に滞留する時間は長くなるものと考えられる。
 なお、準備書において、五反田換気塔からの排出ガスの拡散予測に当たり用いられている風速は、年平均の気象データを基に設定されたものと承知している。

十について

 準備書においては、準備書の作成時点で存在している建築物及び同時点までに都市計画が決定されている今後建設予定の建築物を対象に、大気質に係る予測・評価が行われているものと承知している。

十一について

 高濃度の浮遊粒子状物質は、肺や気管などに沈着するなど呼吸器に影響を及ぼすことが知られており、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第十六条第一項に規定する「人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」として浮遊粒子状物質に係る基準を設定しているところである。
 準備書においては、五反田換気塔の供用に係る浮遊粒子状物質の予測値について、右の基準を下回るものと評価されていると承知している。

十二について

 自動車交通に伴う大気汚染の防止については、自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成四年法律第七十号)第六条及び第八条に基づき策定された「自動車排出窒素酸化物及び自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する基本方針」(平成十四年四月二日閣議決定)において定められた「対策地域において、二酸化窒素については平成二十二年度までに二酸化窒素に係る大気環境基準(昭和五十三年環境庁告示第三十八号)をおおむね達成すること、浮遊粒子状物質については平成二十二年度までに自動車排出粒子状物質の総量が相当程度削減されることにより、浮遊粒子状物質に係る大気環境基準(昭和四十八年環境庁告示第二十五号)をおおむね達成すること」という目標を達成するために、政府は、自動車排出ガスの規制の強化、大都市地域における特別の排出基準の設定、低公害車の普及促進等の自動車排出ガスの排出量を削減するためのあらゆる施策を実施しているところである。

十三について

 準備書においては、工事の実施に当たって、適切な環境上の配慮を講ずることにより、環境影響の程度は極めて小さくなるものと評価されていると承知している。

十四について

 都市高速道路中央環状品川線については、事業者が、東京都環境影響評価条例(昭和五十五年条例第九十六号)に基づき、事業の施工中及び完了後に、事業が環境に及ぼす影響について調査を行うこととされていると承知している。
 また、準備書においても、今後、準備書作成段階で予測し得なかった著しい影響が見られる場合には、環境に及ぼす影響について調査し、必要に応じて適切な措置を講ずることとされていると承知している。



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