答弁本文情報
平成二十一年六月十九日受領答弁第五一五号
内閣衆質一七一第五一五号
平成二十一年六月十九日
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員滝実君提出補正予算に関する政府の説明責任に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員滝実君提出補正予算に関する政府の説明責任に関する再質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「日本ではクラウディングアウトは全く起きていないということが明らかではないのか」という点については、御指摘の国債発行残高と長期金利のグラフのみでは、一概に判断することはできないものと考えている。
経済政策を行うに当たっては、様々な経済指標を参考にしつつ、お尋ねのクラウディングアウトの観点も含めて、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要であると考えている。
政府は、千九百九十年代の深刻な景気後退に対しては、累次の経済対策を含む大胆な政策運営を行うとともに、金融機関の不良債権処理、企業の過剰債務解消に向け、抜本的な対策を講じ、こうした政策努力の成果もあり、我が国経済は、「債務、雇用、設備の三つの過剰」を克服し、その後の景気回復が実現したと認識している。
また、現下の厳しい経済金融情勢に対しては、平成二十年八月以降、三次にわたる経済対策を取りまとめ、その速やかな実施に全力を挙げてきたところであり、これらの対策は一定の景気下支え効果があったと考えている。さらに、昨年末以降、世界金融危機と世界同時不況が深刻度を増し、景気が急速に悪化したことから、こうした状況に対応して、先般、「経済危機対策」(平成二十一年四月十日「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)を取りまとめたところであり、これにより、「景気の底割れ」を防ぎつつ、国民の安心を確保し、未来の成長力強化につなげ、民間経済の自律的回復を促すこととしている。
「経済危機対策」等を踏まえた中長期の経済財政の姿の試算については、平成二十一年六月九日、経済財政諮問会議の有識者議員が同会議に参考資料として提出しており、同資料においては、公債等残高対GDP比の数値も示されているところである。
政府としては、経済財政運営の方針等を踏まえた様々な前提に基づき、公債等残高対GDP比も含め、中長期の経済財政の姿の試算を行っているところであるが、御指摘の「各党のマニフェストに盛り込まれた政策」を踏まえた前提に基づく試算については、各党各会派において御議論いただくべき問題であると考えている。