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答弁本文情報

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平成二十二年四月二十三日受領
答弁第三四一号

  内閣衆質一七四第三四一号
  平成二十二年四月二十三日
内閣総理大臣 鳩山由紀夫

       衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員柿澤未途君提出日本郵政グループのコンプライアンスに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員柿澤未途君提出日本郵政グループのコンプライアンスに関する質問に対する答弁書



一について

 日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)によると、日本郵政グループ各社によりコンプライアンス違反と認識されている事例について、日本郵政グループ各社ごとの件数を示すと次のとおりとのことである。なお、「かつての郵政行政審議会の業績評価と同様の違反事例」については、その範囲が明らかでないことからお答えすることは困難である。
 (1) 郵便事業株式会社
  平成二十年度については部内犯罪容疑が四十一件、料金不適正収納が七十八件、記録郵便物の亡失が五百八十件、顧客情報の漏えいが十六件、経理遅延が三十件、平成二十一年度については部内犯罪容疑が三十九件、料金不適正収納が三十六件、記録郵便物の亡失が四百七十七件、顧客情報の漏えいが十件、経理遅延が十三件である。
 (2) 郵便局株式会社
  平成二十年度については部内犯罪容疑が五十件、保険商品の不適正募集が四十五件、料金不適正収納が二十九件、顧客情報の漏えいが百五十件、記録郵便物の亡失が二件、経理遅延が二十七件、平成二十一年度については部内犯罪容疑が三十五件、保険商品の不適正募集が七十五件、料金不適正収納が十六件、顧客情報の漏えいが二百十五件、記録郵便物の亡失が零件、経理遅延が二十件である。
 (3) 株式会社ゆうちょ銀行
  平成二十年度については部内犯罪容疑が二件、顧客情報の漏えいが八十一件、平成二十一年度については部内犯罪容疑が三件、顧客情報の漏えいが五十六件である。
 (4) 株式会社かんぽ生命保険
  平成二十年度については保険商品の不適正募集が一件、顧客情報の漏えいが三十件、平成二十一年度については保険商品の不適正募集が二件、顧客情報の漏えいが六十二件である。
  なお、日本郵政については、コンプライアンス違反事例はないとのことである。

二について

 日本郵政によると、現金管理に関する部内犯罪容疑の日本郵政グループ各社ごとの件数及び被害額並びに一万円以上の被害額のあった事例を示すと次のとおりとのことである。
 (1) 郵便事業株式会社
  平成二十年度については件数が十一件、被害額が約四百万円、平成二十一年度については件数が六件、被害額が約五百万円である。また、一万円以上の被害額のあった事例としては、集荷代金、つり銭用現金の横領等がある。
 (2) 郵便局株式会社
  平成二十年度については件数が四十件、被害額が約二億七千三百万円、平成二十一年度については件数が三十三件、被害額が約十八億五千万円である。また、一万円以上の被害額のあった事例としては、郵便料金、金庫内現金や保険契約に係る保険料の横領等がある。
 (3) 株式会社ゆうちょ銀行
  平成二十年度については件数が二件、被害額が約六千九百万円、平成二十一年度については件数が三件、被害額が約一億五千七百万円である。また、一万円以上の被害額のあった事例としては、金庫内現金、預入金や預金者に無断で定額貯金を担保にして行われた貸付処理による貸付金の横領等がある。
  なお、日本郵政及び株式会社かんぽ生命保険については、現金管理に関する部内犯罪容疑はないとのことである。
  また、現金過不足事故は、平成二十年度は八万千十八件であるとのことであり、廃止前の日本郵政公社法(平成十四年法律第九十七号。以下「旧公社法」という。)第二十七条第二項の規定に基づき実施され、平成十九年七月に公表された総務大臣による日本郵政公社に対する平成十八年度の業績評価の数字と比較して減少している。

三及び四について

 コンプライアンスについては、日本郵政グループにおいて万全を期すべきものと考えているが、政府としても、コンプライアンス違反があった場合には、事案に応じて日本郵政グループに対し関係法令に基づき適切に対処してまいりたい。
 なお、「本年三月二十四日に亀井郵政改革担当大臣ほかから示された方針」とは、「郵政改革に関連する諸事項等について(談話)」と題する文書を指していると思われるが、当該文書においては、「金融二社の窓口業務を受託する郵便局に対する金融庁の検査・監督は、一般銀行より緩和する」との記載はない。

五について

 「郵便配達員に現金を預けて預金や保険料の支払いを頼むこと」とは、小規模な郵便局において実施されていた外務職員による総合担務のことと思われるが、旧公社法第二十六条第一項又は第二十七条第二項の規定に基づき実施された総務大臣による日本郵政公社に対する業績評価においては、このことが「コンプライアンス違反多発の温床」となっていたという旨の評価や指摘はなされていない。いずれにせよ、コンプライアンスについては、今後とも日本郵政グループにおいて万全を期すべきものであるが、一般論として申し上げれば、郵政事業における国民の利便性を確保するため、郵政民営化によって生じた利便性の低下に対処することは、喫緊の課題であると認識している。



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